【砂壁状意匠性塗材】とは、主にジョリパット・リシン・スタッコなどの外壁材のこと。
この3種類の見た目上の違いは、可能なデザインの豊富さにあります。
(中身の樹脂や骨材の違いも、もちろんあります)
- ジョリパット系…100種類以上のデザインが可能
- スタッコ吹き付け…主に「吹き放し仕上げ」と、その後で表面を潰して平らにする「押さえ仕上」の2種類(吹く「玉」の大きさによって、小粒・中粒・大粒などの変化を出す事も可能)
- リシン吹き付け…砂粒状デザインのみ(厳密にはリシンの石粒にも大きさがありますが、プロ以外見た目には分かりません)
砂壁状意匠性塗材の特徴
- 艶が無い
- 雨水を弾かない
- 砂と塗料成分を混ぜて平らな外壁に凹凸模様を造る
- コテで塗る
- 吹き付ける
- ローラーで塗る
- 塗り替え時には改修専用の塗料を塗る必要がある
砂壁状意匠性塗材の種類
ジョリパット
ジョリパットはモルタル外壁の仕上げ塗り材で現在最も多く使われています。
リシン吹き付け
リシン吹き付けは、現存する外壁の吹き付け仕上げ材として最も古いのです。
今でも木造モルタル外壁ではジョリパットと共に最も多く使われています。
吹き付けスタッコ
スタッコは化粧漆喰とも呼ばれている建築材料です。
【吹き付けスタッコ】は、セメント系・けい酸質系・合成樹脂エマルション系などの材料による仕上げ塗材です。
外壁表面などに5~10ミリ程度の厚さで吹き付け、コテやローラーなどで表面に凹凸模様を付けます。
リシン吹付けよりも外壁に厚みが付くので、外壁に入るヒビ割れも抑制する効果も得られます。
また、実際に付く材料分の重量も外壁に掛かるのですが、見た目にも「重厚感」のある高級な外観になります。
吹き放し仕上げ 軽く押さえてある仕上げ しかり押さえてある仕上げ
リシン・スタッコも「砂壁状意匠性塗材」に含む理由
塗材の歴史
リシンとスタッコは、古くからある別カテゴリーの塗材です。
セメントリシンは1950年代以降、セメントスタッコは1960年代以降に使われるようになりました。
そこに、この2つと同じ模様で同じ性質を持つ外壁が作れてしまう「ジョリパット」が1975年に発売されます。
ジョリパットはそれまでの塗料や塗材には無かった、とても便利な材料です。
汎用性・応用性が高く100種類以上のパターンが作れます。
なので、ジョリパットの中ではリシンとスタッコが、ジョリパットの数あるパターンの中の1つずつになってしまいました。
リシンとスタッコは、それよりずっと前から外壁塗装材として使われているので、それぞれJIS規格があります。
しかし2020年現在でもジョリパットにはJIS規格がありません。
そして正式な一般名称もありません。
発売以降のジョリパットはベストセラーになり、新築の家でどんどん使われるようになっています。
正式名称としての呼び名が無いジョリパットは「意匠性塗材」というカテゴリー名を付けています。
それに追随して各他メーカーも「砂壁状」「土壁状」等の接頭辞を付けてガテゴリー名のように使っています。
本来ならリシンとスタッコも含めて「砂壁状意匠性塗材」とするべきところ、ジョリパットの名前が浸透しています。
このサイトではこれら3種類をまとめて「砂壁状意匠性塗材」としていますが、この記事では分かりやすく「ジョリパット系」としてまとめています。