屋根足場とは?【必要な工事の種類・具体例を画像付きで解説】

目次

屋根足場とは

屋根足場
屋根足場

「屋根足場」とは、外壁用の足場では無く「屋根の工事をする時に必要な足場」のこと。

ビルやマンションのように屋根が平らであれば必要ありませんが、一般住宅の屋根には勾配が付いています。
勾配が緩やかであれば工事をするのに支障がありませんが、勾配が急になれば滑ってしまい作業が出来ません。

そこで「屋根の上に立てかけるように足場を設置」して、それを足掛かりに作業を行い、その足場のことを、通常の足場とは区別して「屋根足場」といいます。

屋根の勾配とは

屋根の「勾配」とは「屋根の傾斜」あるいは「屋根の角度」と言った方が分かりやすいかもしれません。

急勾配・急傾斜・急な角度…これはどれも同じ意味ですね。

屋根の勾配についての詳しい記事もあります。

屋根足場が必要な場合

一般住宅の工事で屋根足場が必要になるのは、工事内容・屋根の素材・屋根の勾配に関係します。

工事内容ごとに屋根足場が必要な勾配は変わる

屋根の工事は主に4種類あります。

  1. 屋根の葺き替え(カバー工法)
  2. 屋根の修理(部分改修)
  3. 天窓の修理・改修
  4. 屋根の塗り替え

①②③…屋根の葺き替え・修理・天窓工事の場合

現在の戸建住宅の屋根勾配は、一般的に6寸勾配が圧倒的に多く「屋根は6寸勾配が標準」と言って良いでしょう。

屋根の葺き替え・修理・天窓工事の場合には、6寸勾配から屋根足場が必要です。

塗装工事なら6寸勾配以下の屋根足場は「邪魔になる」

屋根の塗装工事の場合「6寸勾配まで」であれば「足場は必要無い」と言う職人さんがほとんどです。
塗装作業をするのに屋根足場があると、作業上邪魔になってしまうからです。

ただ、6寸5分以上の屋根になると「両手に物を持って作業をすること」が出来なくなります。
(両手に何も持たずに上がり下りするだけなら7寸まで行けそうな気がしますが…)

屋根足場を使った工事の方法

屋根足場には外壁用の足場のように、人が乗る床が無く横棒があるだけです。
この足場を使ってどのように工事を行うかは工事によって様々です。

屋根工事の場合

屋根の葺き替え(カバー工法)・屋根の修理(部分改修)・天窓の修理・改修の場合は、横棒の上に乗って作業をする事が多くなります。

屋根足場が必要な屋根改修工事
屋根足場が必要な屋根改修工事

屋根工事は色々な体勢になったり、道具を使います。

屋根足場が必要な屋根改修工事(ルーフィング)
屋根足場が必要な屋根改修工事(ルーフィング)

屋根塗装の場合

屋根を塗料する場合は、下記画像のようにふくらはぎ周辺で支えるように体重を掛けて滑り落ちないようにします。

塗装工事は片手に塗料を入れた容器を持ち、もう一方の手でローラーや刷毛を持ちます。
つまり作業時には必ず両手が塞がってしまいます。

塗料容器の方は水平を保たなければ塗料がこぼれ落ちてしまうこともあり、屋根工事よりも安定な体勢を保たなければなりません。
体勢を崩してウッカリ塗料をこぼしてしまうと、靴が滑って屋根から落ちてしまうのでとても危険です。

屋根足場の塗装工事の用法 滑り落ちないように足を掛ける
屋根足場の塗装工事の用法 滑り落ちないように足を掛ける

屋根足場の種類・具体例

屋根足場にも架け方が色々とありますので、具体例を紹介していきます。

一般的に「事例としてよく見る」屋根足場の具体例

一般的な屋根足場の具体例は、以下の2枚のように大きめの屋根の画像が多いでしょう。

塗装工事用の屋根足場なので、この勾配で6寸5分になります。

屋根足場
広い屋根の屋根足場
屋根足場
一般的に例として見る屋根足場

現実的によくある屋根足場の具体例

上記画像の「大きな一面の屋根足場」なら単純ですが、実際の戸建住宅では下記画像のようにいくつかの面で構成された屋根で出来ています。

そのため見た目が美しく行かない事も多くなります。

屋根足場
実際によくある屋根足場
屋根足場
工夫が必要な屋根の屋根足場

急勾配屋根の屋根足場

45度以上の急勾配の屋根も時にはあります。

その中でも比較的四角い面の屋根もあれば、塔のような屋根もあり屋根足場の組み方の複雑度も違ってきます。

急勾配屋根の屋根足場
急勾配屋根の屋根足場
急勾配屋根の屋根足場
塔のような急勾配屋根の屋根足場

屋根の上の壁を塗装するための屋根足場

時には屋根は塗らなくても屋根足場を組む時があります。
屋根の上に塗装する場所があり、そこが急傾斜な場合です。

屋根の上にある破風板を塗装するための屋根足場
屋根の上にある破風板を塗装するための屋根足場
屋根の上の壁を塗装するための屋根足場
屋根の上の塗装するための屋根足場

金属屋根の場合は6寸でも屋根足場が必要

屋根足場
屋根足場

屋根の軒先に付ける足場【軒先作業床】

「屋根足場」は本来1種類しか無いのですが、屋根塗装を行う際に必要な「軒先作業床」も屋根足場の一種として紹介しておきます。

「軒先作業床」とは、下記画像のように「屋根の軒先辺りに取り付ける作業用の床」です。
(文字そのままの意味ですが…)

軒先に作業床を付ける「軒先作業床」
軒先に作業床を付ける「軒先作業床」
軒先作業床
軒先作業床

軒先作業床の安全性

軒先に作業床があると、屋根の作業が格段に安全になります。
安全に作業が出来る事により、作業性が上がり丁寧な工事が出来ます。

具体的には、下記画像のように屋根の軒先での作業時に軒先作業床に足を乗せることが出来ます。
落ちるスペースすら無いので、安心して作業に集中できるのです。

軒先に作業床があれば安全に作業ができる

屋根足場を架けると軒先作業床は付けられない…

屋根足場と軒先作業床を一緒に付けられると良いのですが、屋根足場の斜めの柱と作業床が干渉してしまうため、両方一緒には付けられないことが多くなります。

屋根足場を架けると軒先作業床は付けられない…
屋根足場を架けると軒先作業床は付けられない…

まとめ

屋根足場はきちんと設置しないと【安全・確実な工事】ができません。

業者を選ぶ際には「正しい屋根足場を組んで丁寧な工事をする業者」を選ぶようにしましょう。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

目次