軒のない家をガルバリウム外壁にして後悔しないメンテナンスのコツ

ガルバリウム鋼板

軒のない家に採用されているのは、ガルバリウム外壁が多いですよね。

でも、ガルバリウム外壁にすると後悔するかもしれないことがいくつかある点に注意が必要です。

この記事では、ガルバリウム外壁にするとどのようなデメリットがあるのか、後悔しないためにできることがあるのかなど、以下のポイントを紹介します。

これからガルバリウム外壁で軒のない家を建てたいと考えている人はもちろん、すでに建てた人にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

軒のない家をガルバリウム外壁にすると後悔する?4つのデメリット

 軒のない家 ガルバリウム

軒のない家にガルバリウム外壁を採用すると、スタイリッシュな外観になるのがメリットですよね。

しかし、せっかくの素敵な外観がみすぼらしくなったり、生活していて不便さを感じたりすることがあり、後悔する人も少なくないようです。

軒のない家をガルバリウム外壁にすると、具体的にどのようなデメリットがあるのか確認してみましょう。

10年後や20年後の経年劣化で見た目が悪くなる

ガルバリウム外壁 20年後

ガルバリウム外壁はメンテナンスが楽だと考えている人も多いですが、経年劣化で色あせが生じたり、ちょっとしたキズからサビが生じたりすることがあります。

とくに色あせが目立ちやすいのは黒・ダークグレー・ネイビーなどの濃い色で、だいたい10年くらい経つと光沢やツヤが目立たなくなって、色あせ感が強くなりやすいです。

また、金属製のガルバリウム外壁を軒のない家に採用すると、風雨の影響を受けて湿気がたまりやすく、ちょっとしたキズから腐食やサビがどんどん広がってきます。

とくに塩害が生じやすい海沿いに建っている家や、工場が多い地域に建っている家はサビのリスクが高いです。

これが新築当初はスタイリッシュな外観が魅力だったのに、しっかりメンテナンスしていないとみすぼらしい印象になる大きな原因です。

遮音性が低く雨音が気になる

ガルバリウム外壁の特性として、遮音性が低い点が挙げられます。

とくに軒のない家は雨音が室内に響きやすく、ゲリラ豪雨が降ると騒音のように感じる人も少なくありません。

勢いが弱い雨でも長時間降り続くと雨音が気になり、不快感から後悔する人も多いようです。

ほかにも救急車の音が室内に響いたり、室内の声が外に漏れやすかったりと、音に関する不満を感じやすいデメリットがあります。

断熱性が低くて冷暖房効率が悪い

外壁 ガルバリウム 後悔

ガルバリウム外壁は断熱性も低いことから、暑い夏場は室内が高温になりやすく、エアコンの効きが悪くなりやすいです。

また、寒い冬は暖房効率が悪くなりがちで、一年を通して電気代が高くなる可能性があります。

ただ、断熱性だけでなく遮音性の問題に関しては、断熱材としっかり組み合わせることで解決できます。

窯業サイディングよりも導入コストが高い

外壁に使用されることが多い窯業系サイディングと比較すると、導入コストが高額になりやすい傾向があります。

窯業サイディング5,000円程度
ガルバリウム外壁7,000円程度
各、1平方メートルあたりの費用目安

単純に100平方メートルの場合で比較すると、窯業サイディングとガルバリウム外壁の差は20万円です。

どちらも定期的にメンテナンスが必要になることを視野に入れて導入コストを少しでも抑えたいと考えている人にとっては、窯業サイディングも比較検討してみたほうが良いでしょう。

屋根や内装などにかかる費用をトータルで考えて、予算に見合った外壁素材を選ぶことをおすすめします。

軒のない家をガルバリウム外壁にして失敗しない!自分でできる対策

軒のない家 失敗

軒のない家をガルバリウム外壁にすると後悔しかねないデメリットもありますが、経年劣化に関してはメンテナンス次第で失敗を防げます

プロにお任せしたいメンテナンスもありますが、ここでは自分で実践できる対策を確認しておきましょう。

キズをつけないようにする水洗いの方法

軒のない家 対策

ガルバリウム外壁は、年に1回~数回は水洗いで汚れを落とすメンテナンスをおすすめします。

塩害を受けやすい海の近くに建っている家や、酸性雨の影響を受けやすい時期はしっかり実施すると効果的です。

とくに軒のない家をガルバリウム外壁にすると汚れが残って腐食やサビが生じやすい、電気メーターや換気扇フードの下などの部分を重点的に洗い流すようにしてください。

自分で水洗いする場合の注意点

基本的には、ホームセンターで売っている散水ホースで水を洗い流す程度で問題ありません。

汚れがしっかり落ちそうな高圧洗浄機は、水圧が強すぎて外壁を傷つける可能性があるので使用しないでください。

散水ホースの水圧で汚れを落としきれない場合は、柔らかいスポンジで優しくこすってみたり、食器用の中性洗剤を薄めて洗ってみたりしてください。

洗剤を使用した場合は、しっかり洗い流しておきましょう。

強くゴシゴシこすったり、アルカリ性や酸性洗剤を使用したりすると、外壁の劣化を早めてしまうのでやめておきましょう。

また、水圧が届かないからと屋根や脚立にのぼって水洗いをしようとするのはおすすめできません。慣れない高所作業は非常に危険な行為です。

自分で水洗いをするのは手が届く範囲に留めておき、高所作業が必要な場合は以下のメンテナンスと合わせてプロにお任せしてください。

専門業者にお任せしたい対策①シーリング補修

軒のない家 対策

高所作業と合わせて自分でメンテナンスが難しい部分は、専門業者にお任せしたほうが良いです。

とくに処理が難しいのはシーリング補修が必要な時期の見極め方や費用の目安を紹介します。

シーリング補修が必要なタイミングの見極め方

シーリング補修が必要になる時期は7~15年後と幅があり、もともと使用されていたシーリング材の種類や天候条件などによって異なります。

単純に何年後に補修が必要になるとはいえないので、ある程度の目安として判断できる見極め方を覚えておきましょう。

シーリング補修が必要な状態
  • シーリング部分がへこんでいる
  • シーリング部分に亀裂が入ってヒビ割れている
  • シーリングと外壁の間にスキマがある
  • シーリングの一部がなくなっている

①~④は重症度が高い順で、④になっていれば早急に補修しなければいけません。

シーリング補修にかかる費用の目安

シーリング補修は状態によって2つの施工方法があります。

増し打ち

古いシーリングの上に、新しいシーリングを重ねて打つ施工方法です。
あまり劣化していない状態で施工する場合は採用される場合があります。
費用の目安は、1mあたり約800円です。

打ち替え

古いシーリングを剥がしてから、新しいシーリングを打つ施工方法です。
劣化が進んだ状態では、ほとんどは打ち替えがおこなわれます。
費用の目安は、1mあたり約1,500円です。

なお、シーリング補修工事は材料費以外に足場や人件費も別途必要になるため、トータルでは15万円から35万円程度は必要です。

費用は手間がかからない増し打ちのほうが安い一方で、スキマができて剥がれやすいデメリットもあるため、専門業者としっかり打ち合わせすることをおすすめします。

なお、色あせやサビが気になる場合は、シーリング補修と合わせて塗装工事を専門業者に依頼することをおすすめします。

専門業者にお任せしたい対策②外壁塗装

軒のない家 対策

外壁のシーリング補修工事と塗装工事を別々に依頼すると、足場の設置費用が余計にかかってしまいます。

できるだけコストを軽減できるように、シーリング補修工事と外壁塗装工事は一緒に専門業者にお任せするのがおすすめです。

ガルバリウム外壁を塗装するタイミングと塗料の選び方

ガルバリウム外壁の耐用年数は10年から20年といわれていますが、住んでいる地域やメンテナンス次第で前後します。

とくに色あせやサビが目立つ場合は、目安とされる耐用年数よりも早めに塗装工事を検討してください

塗装工事をする際には、塗料の種類と違いを知っておくことも大切です。

外壁塗装に使われる主な塗料
ウレタン系

ウレタン樹脂使用の塗料で、扱いやすいのが特徴。
耐久年数は8~10年程度なので、こまめな塗り替えが必要です。

シリコン系

シリコン樹脂使用の塗料で、汚れや色あせに比較的強いです。
耐久性は10~15年程度で、コスパのバランスがとれています。

フッ素系

フッ素樹脂使用の塗料で、長く色あせしにくい特徴があります。
耐久性は15~20年程度で美観を保てますが、費用は高額になりやすいです。

外壁塗装にかかる費用の目安

外壁塗装にかかる費用は、使用する塗料によって大きく異なります。

ウレタン系1,500円~2,200円
シリコン系2,500円~3,200円
フッ素系3,500円~4,000円
各、1平方メートルあたりの費用目安

たとえば、100平方メートルの場合はウレタン系とフッ素系では20万円ほど費用が異なります。

なお、シーリング補修と外壁塗装を同時に依頼する場合でも、養生費用や下地処理費用などが別途必要になる場合があります。

専門業者にシーリング補修や外壁塗装を依頼する際には、複数の業者に見積もりしてもらうことをおすすめします。

単純に価格だけで比較するのではなく、詳細な工事内容が記載されているか、担当者の対応が丁寧かなどを確認して、信頼できる業者を選択してください。

ガルバリウム外壁で軒のない家なら定期的なメンテナンスがおすすめ

軒のない家でガルバリウム外壁の場合は、定期的にメンテナンスすることで色あせやサビなどを防いだり、断熱材との組み合わせで遮音性や断熱性の低さをカバーできたりします。

基本的なメンテナンスに関しては自分で水洗いをするだけで良いですが、10年後や20年後を視野に入れるとシーリング補修や外壁塗装といった専門業者にお任せすることを検討してみてください。

ガルバリウム外壁ならではのスタイリッシュな外観を長く保つためにも、まずは自分でできるメンテナンスをおこなうようにして、将来的に大がかりなメンテナンスが必要なときに備えた予算を立てておきましょう。

専門業者に依頼する場合は、複数社に見積もりを依頼して納得できる条件を提示してくれた信頼できる業者にお任せすることをおすすめします。

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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