外壁塗装で「15年以上長持ちする塗料」を塗ってはいけない理由

4 min 163 views
モンテ・サンタンジェロの街並み

この記事では外壁塗装の塗料選びの注意点として「15年以上長持ちするという塗料を塗るのは危険」という事について解説します。

なぜかと言うと、15年以上長持ちするというのは「外壁を塗った所(表面の平たいところ)だけ」の話で、家の外側全部のように勘違いしてしまうからです。


とは言え、外壁塗装をする時の塗料選びでは、なるべく長持ちする塗料を塗りたくなりますよね。

実は、寿命が長い塗料を塗る事にもデメリットがある事を伝えているホームページはほぼありません。

全ての塗料や条件で長持ちする塗料が悪い訳ではありませんが、外壁塗装の場合は15年以上長持ちする塗料を塗る事で家に悪影響を及ぼす事も有るのです。

この記事を読むと「なぜ長持ちする塗料を塗ると悪い時があるのか?」が良く分かります。

下記条件に当てはまらない場合には、長持ちする塗料を選んだ方が良い場合もあります。
是非外壁塗装で塗料を選ぶ時の参考にして下さい。

一般的な外壁塗装の寿命の目安

一般的には外壁塗装の寿命の目安は10年~12年と言われています。

10年~12年に1回は少し短いなぁ…もっと長持する塗料は無いの?と思われるかもしれません。

業者さんのホームページには15年以上のの寿命がある塗料を勧めてある事も多いのに、なぜわざわざ真逆の事を言うのでしょうか?

詳しく解説しますね。

15年以上の塗料を勧める【業者側の事情】

よくある営業マンの話やホームページでの謳い文句では

「10年ずつ塗るよりも、15年ずつ長持ちする塗料を塗った方がお得です」

と、高額な塗料を勧めている場合もあります。

確かにその方が一見お得に思えますが、実はそこにはカラクリがあるのです・・・

House after exterior wall painting

簡単に言えば、営業マンの成績です。

受注単価を上げたい・儲けたいというコトです…

塗料が長持ちするなら工事金額が多少高くても「結果的に得」のような気がしますが。
しかし得をするのは売り上げが上がり「歩合給」が増える営業マンです。

長持ちする塗料を塗った方がお得なのは、お客様では無くその業者…という場合もあるからです。

「15年以上の塗料」で塗るデメリット

そこで、具体的な15年以上持つ寿命の長い塗料を塗った時のデメリットや疑問・疑惑について下記に挙げてみました。

寿命が長いことが良い面ばかりだけじゃない、というのがお分かり頂けると思います。

Q

寿命の実績や信用が無いのでは・・・?

A

その塗料が開発されてから2~3数年しか経っていません

Q

インチキな塗料では・・・?

A

長持ち塗料の多くは大手メーカーで無い場合が多い

Q

メンテナンスをしない期間が長過ぎるのは問題があるのでは・・・?

A

経年劣化の不具合を発見する事が出来ない

Q

外壁にヒビが入ったらどうするの・・・?

A

ヒビを放置するので雨漏りの原因が増える

Q

寿命が長くても、汚れたらどうするの・・・?

A

汚れにくいとは言え雨スジ汚れなどは付いてしまいます

「外壁塗装で出来る事」と「塗料の長持ち」の違い

もちろん塗料の性能が向上して長持ちするようになったのは事実です。

しかし残念ながら、それで全てが解決する訳ではありません。

そこで「外壁塗装で出来る事」と「塗料が長持ちする事」について考えてみましょう。

  1. 不具合のチェック・未病の予防
  2. 雨漏り・不具合劣化部分の補修
  3. 外壁の表面被膜を再生
  4. 美観の再生
  5. 色の変更
  6. 付加機能の追加

このうち、「長持ちする塗料」を塗る事のメリットは【外壁の表面被膜の再生】です。

これにより、外壁の表面が長持ちするので外壁表面がチョーキングするまでの期間が長くなります。

つまり、長持ちする塗料の効果は「チョーキングの予防」だけなのです。

「外壁表面の寿命だけ」が延びても意味が無い理由

外壁の表面被膜が丈夫になれば、家が長持ちするような気がします。

しかし、家の外側にあるのは外壁だけではありませんし、例えば外壁に入った「ヒビ割れ」についてはどうでしょう?

外壁のヒビ割れは?

外壁塗装をすれば外壁にヒビが入らないという事は無く、ヒビ割れは外壁下地から割れて来るのです。
そのヒビ割れを表面の塗装で食い止める事は出来ません

外壁塗装で出来る事は、入ってしまったヒビ割れを一旦打埋めて雨水が入らないようにする事ですが、長持ちする塗料を塗ても、外壁にヒビが入りにくくなる効能は特にありません

また、同じ事がサイディング外壁の目地コーキングにも言えます。
サイディング外壁ではコーキングが切れてしまうと、モルタル外壁のヒビ割れ以上の隙間が空く事になります。

目地が切れないためにはコーキングが切れないようにしないといけませんが、2019年の時点でそれが可能なのはオート化学オートンイクシードだけです。

その他気になる点は大丈夫?

そして、よく考えてみると以下の点も気になります。

 不具合のチェック・未病の予防】に関しても早期発見が出来なくなってしまいます。

 雨漏り・不具合劣化部分の補修】を行わない期間も同時に延びてしまいます。

 美観の再生】で綺麗になった外壁は、12年以降も汚れずに保たれているでしょうか?

15年以上長持ちする塗料が適している家のタイプは?

さて、ここまでの不安を乗り越えて15年以上の寿命がある塗料も選ぶ方が好ましい家のタイプも考えて見る事が出来ます。
どんな家なら良いのでしょうか?

  • 鉄筋コンクリートの家
  • ハウスメーカーの家
  • 軒先が60㎝以上延びていて、外壁に雨が掛かりにくい家
  • モルタル外壁の家で、外壁にヒビが無い家
  • サイディング外壁の家で、目地コーキングが切れていない家

以上の家の中で…

  • 特に住んでいて異常が無い
  • 外観の汚れが気にならない

この2種類の条件をクリヤーしている家は、15年以上の寿命がる塗料を選択肢に入れても良いと思います。

あなたのお家はこの条件を満たしているでしょうか?

是非この記事を参考にして頂き、外壁塗装をする時の塗料選びで「次に外壁塗装をするまでの期間」の部分の参考にして頂ければと思います。

ちなみに、10年に1度のマメなメンテナンスを行う事のメリットは、不具合の早期発見と改修が可能なところです。

デメリットはコストと工事に手間が掛るところになります。
(健康診断や人間ドックと同じで、3年に1度より毎年する方が良いのに似ています)

大切なのは、なるべく延ばしたい.デメリットと、マメなメンテナンスのメリット、この両方をよく考えて自分なりの納得できる結論で時期と塗料を決めることです。

決して業者・ホームページの記事・塗料メーカーのカタログを鵜呑みにしてはいけないのです。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

  1. 一般的な外壁塗装の寿命の目安
  2. 15年以上の塗料を勧める【業者側の事情】
  3. 「15年以上の塗料」で塗るデメリット
  4. 「外壁塗装で出来る事」と「塗料の長持ち」の違い
  5. 「外壁表面の寿命だけ」が延びても意味が無い理由
  6. 15年以上長持ちする塗料が適している家のタイプは?

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【●初めての外壁塗装】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

高橋良一

高橋良一

外壁塗装の専門家

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事