【外壁塗装の保証書】でチェックするべき場所・期間・範囲のポイント

【外壁塗装の保証書】でチェックするポイント

外壁塗装工事で怪しい業者に騙されないためにチェック出来るポイントの1つに「保証書」があります。

  • 工事に手抜きが有ったら…?
  • すぐに外壁にヒビが入ったら…?
  • 雨漏りしてきたら…?

こんな時にきちんとした保証書が無いと、手抜き工事をされても後で何もしてもらえません。

ただし「何かあっても安心」というよりも、何も無いような工事が行われる事の方が大切です。

なぜなら大抵の方が「保証書があれば安心」だと悪質な業者は知っているからです。
そんな業者は、保証書は出すけれど…何かあった時に自分たちに都合の良い(=補償しない)内容しか書いていないのです。

いくら【長期補償】を謳っていても、そんな保証書は紙くず同然で意味がありません。

しかし保証書に書いてあるポイントさえ知っていれば、業者の工事後の対応方針や対応の実績などは簡単に分かります。

この記事では、そんな外壁塗装工事の保証書の内容とチェックポイントについて、分かりやすくお伝えします。

この記事のポイント
  • 保証書のサンプルは契約前に見せてもらうこと
  • トラブルになりやすい保証内容のポイント
  • 保証書に記載してあるべき最低限のポイント
  • 保証できない内容の記載があるか?
  • 実際に塗装工事で保証できる内容が期待とは違う事を事前に確認しておく
目次

保証書を確認するタイミングは契約の前に

リフォーム工事の契約書

先ず最初に注意しなければならないのは、保証を確認するタイミングです。

大抵の場合(電化製品などでもそうですが)買った後で保証を確認します。
新品の製品の場合は故障の修理などが保証の対象となるので、気になるのは保証期間くらいなものです。

しかし、外壁塗装やリフォームの場合、新品を取り扱う訳ではありません
どちらかと言うと中古品の保証に近くなります

保証の内容も商品が壊れたり故障したり、といった分かりやすい内容ではありません。
工事が終わった後で「これは保証じゃないの?」といった失望に繋がっては業者もあなたも損をしてしまいます。

ですから、工事の見積り内容や金額と共に「保証の内容」もきちんと依頼前・契約前にお互いが確認するべきです。

トラブルになりやすい保証内容のポイント

特に外壁塗装の保証内容でトラブルになりやすいポイントを最初にピックアップしておきます。

  • モルタル外壁のヒビ割れ
  • 鉄部の錆
  • 外壁のハガレ

外壁塗装の保証書に記載するべき内容

外壁塗装の保証書に最低限書いてあるべき内容を確認しましょう。

  1. 保証書のナンバー
  2. 発行年月日
  3. 被保証者(あなた)の名前・住所(電話番号など)
  4. 対象物件名・住所
  5. 保証者(業者)の商標または名称・代表者名・住所・連絡先電話番号
  6. 工事の見積り書番号
  7. 使用塗料のメーカー名・塗料名・色番号
  8. 保証内容
  9. 保証の有効期間
  10. 保証の対応策
ここがポイント!

ここで気を付けたいのは使用塗料のメーカー名・塗料名・色番号

特に多いのは、塗料の正式名称の記載が無い場合です。

塗料をグレードで選んだ場合でも、メーカー名と商品名は確実に指定できないと意味がありません。

さらに色番号についてはほとんどが記載していないので、こちらについても注意が必要です。

外壁塗装で保証できる内容・年数

保証書サンプル画像【表】

「外壁塗装」の工事では、塗装の対象によって保証内容や保証年数が違います。

ただし、基本的な内容は以下の3つです。

  1. 塗膜の剥離
  2. 著しい変色
  3. 明らかに塗装作業を起因とする不具合

それぞれの現象と保証するべき場所について解説をします。

保証個所年数補償対象の範囲
外壁塗装5年~7年塗膜の剥離・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合
屋根塗装
(スレート屋根)
5年~7年塗膜の剥離・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合
鉄部塗装
(スチール下地)
屋根塗装
(トタン・ガルバリウム)
1年~3年塗膜の剥離(下地劣化を原因としないもの)・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合
アルミ・ステンレス等アルミ・ステンレス・鋳物などへの塗装は原則塗装対象外
木部塗装1年~3年塗膜の剥離(下地劣化を原因としないもの)・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合
樹脂部塗装
(雨樋・排水管等)
1年~3年塗膜の剥離・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合
門塀塗装 5年~7年塗膜の剥離・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合
(下地への浸水による塗膜膨れは保証対象外とさせていただきます)
防水工事
(FRP/ウレタン)
3年~5年塗膜の剥離・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合・漏水
防水床部塗装
(トップコート)
3年~5年塗膜の剥離・著しい変色・明らかに塗装作業を起因とする不具合
※漏水は含みません
シーリング
(コーキング)
1年~3年シーリング材の硬化不良・接着不良、著しい痩せ・変形
※シーリングの上に塗装をした部分にはヒビ割れが生じますが不具合ではありません
※既存シリコンコーキングの上に塗装をした部分の剥がれは保証対象外です
板金・雨樋・屋根工事・他
一般リフォーム工事
3年~5年リフォーム工事部分が社会通念上必要とされる性能を満たさない場合
ここがポイント!

ここで気を付けたいのは保証の年数

年数が長いほど良いように感じる方も多いとは思います。

ただし、現実的な保証できる年数よりも長い保証を打ち出す業者に嘘つきが多いので注意が必要です。

外壁塗装で保証できない内容

保証書サンプル画像【ウラ】

外壁塗装では、保証できない内容=免責事項をきちんと出来ないと後でトラブルの元になります。

  1. 塗膜の剥離
  2. 著しい変色
  3. 明らかに塗装作業を起因とする不具合

それぞれの保証できない現象について解説をします。

外的要因によるもの
地震・風災・水害・落雷・雹害その他天変地異、自然災害による損傷及び損害
火災・塩害・公害・飛来物など不可抗力及び人為的損傷及び損害
動物・植物等による損傷及び損害(鳥の糞害、ツタによる塗膜剥がれなど)
下地材の劣化・変化によるもの
屋根材の劣化(反り・歪みなど)による塗膜剥離・ひび割れ
建物自体の振動及び外壁材の劣化(反り・歪み・剥離・ひび割れなど)による塗膜剥離・ひび割れ・変色、シーリング材の痩せ・剥離・ヒビ割れなど
木材の腐朽・変形、鉄部の錆・腐食・変形などによる塗膜劣化及び構造体の欠陥によるもの
下地内の水分が主な原因なもの
門・塀などへの塗装後の剥がれ
(上部天端や、ポスト等貫通部分から雨水が内部に入る事が原因になり塗装が剥がれるため)
擁壁・土留めなどへの塗装後の剥がれ
(敷地内側に土がある場所では、土の水分が原因になり塗装が剥がれるため)
その他
旧塗膜の密着不具合を原因とする塗膜剥離
(新築時・前回までの塗装で手抜きや失敗があった場合:シーラーを塗っていないなど)
下地補修箇所の再発
(クラック・欠損部の原因を解消しないで補修する場合)
施工後にお施主様ご自身または他社などによる施工や改変・損傷が確認された箇所
施工後に行った作業(洗浄剤・潤滑剤・その他ケミカル材などの塗布)による不具合
ご契約時の使用目的とは異なる使用方法によるもの
ここがポイント!

ここで気を付けたいのは、下地材の劣化による不具合の部分でしょう。

外壁塗装工事は新築の保証とは違います。
それぞれの家で条件が違うので、どこまで「持つ」のかは、違ってしまいます。

金額が大きい外壁塗装ですが、既に傷んでいたり、新築時の設計や工事に不備があることも多く、また前回の工事での不備が影響することもしばしばあります。

どんな場合には保証の対象外になるのかをお互いによく確認しないと、後でトラブルになってしまうからです。

まとめ

外壁塗装工事の見積もり書

外壁塗装は10年に1度の工事です。
初めて行う方も多く、「思っていた事・期待していた事とは違う…」となりやすいものです。

施主側としては少額の依頼ではありませんから期待が大きくなりがちです。
そうは言っても、劣化しているものが新品に代わるわけでは無いので、期待値が大き過ぎると「思っていたのとは違う…ガッカリだわ…」となってしまうもの。

業者側はプロとして、そう思われないように施主の期待値をコントロールして適正値に修正する必要があります。

保証書はそんなトラブルが無いように、お互いの「出来る事と期待する事」をすり合わせ確認するのに利用するべき書類です。

あなたが外壁塗装工事をする際の業者選びでは、契約前に保証書の確認をしておくことをお勧めします。

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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