【火災保険】雪害による雨樋の傾斜不良(トタン屋根)

雪害による雨樋の破損

積雪による雨どいの傾斜不良の実例です。

雨どいの傾斜不良は、ほとんどが雪による被害です。

雨どい交換の際には火災保険を掛けていれば、工事費を保険金で賄えます。

今回は、分かりにくい雨どいの傾斜不良を確認した事例について解説します。

目次

傾斜不良の雨どいの位置

今回は、南側の雨どいに傾斜不良がありました。

一見、気が付き辛い場所です。

南雨どいの雪害による傾斜不良個所
南雨どいの雪害による傾斜不良個所

上空からの傾斜不良位置

上空から見るとこのようなトタン屋根です。
雪止めはありませんでした。
2階とその真下の1階にも傾斜不良があります。

南側雨どいの傾斜不良個所

南側雨どいの傾斜不良個所

雨どいの違和感に気づいたポイント

最初に雨どいの違和感に気が付いたのは、1階の軒樋です。
このように雨水が残って溜まっていました。

雨水の溜まった軒樋
雨水の溜まった軒樋
傾斜不良により雨水が溜まっている軒樋
傾斜不良により雨水が溜まっている軒樋

2階の雨どいの違和感

このようになっている場所があるということは、他にも何か不具合が有る場所があるかもしれません。
…と思い、上を見上げると、妙な汚れが目につきました。

違和感のある汚れのある軒樋
違和感のある汚れのある軒樋

近距離での雨どい傾斜不良部分の確認

近くに寄って、雨どいを確認します。
パッと見ただけでは、傾斜不良になっているのか分かりません。

階傾斜不良の雨どい
雨どいが階傾斜不良になっているのかは、かなり分りづらい

雨どいの不具合を発見!

奥の方をズームして見てみると…

雨どいの吊り金物が外れているのを発見しました!

雪に押されて金物が外れたため、元の傾斜のまま残っている軒樋

吊り金物は外れただけなのか?

よく見たら、このようになっています。
この吊り金物は最初は「ただ外れただけ」で、他に何かの不具合は分かりませんでした。

雨どいが歪んでいると、下記の角度から見ると良く分かる事が多いです。
しかし、あまり歪んだ感じに見えません。

特に歪んでは見えない軒樋
特に歪んでは見えない軒樋

雨どいの歪みを発見!

もう一度よく確認してみると、外れている金物と軒樋に付いている金物とでは水平角度が違うのが分かりました。

雪害で支持金物の外れた軒樋
雪害で支持金物の外れた軒樋

1つ前の写真と比較して、下がっている金物と下がっていない金物を比較してみます。
すると、外れている金物が正常の位置で、外れていない方の金物が垂れ下がっているのが分かりました!

雪に押されて下がっている軒樋金物と、外れたため下がらなかった軒樋金物
雪に押されて下がっている軒樋金物と、外れたため下がらなかった軒樋金物

雪が積もって雨どいを押すと、重みで金物が外れてしまう事があります。

雪害で吊り金物が下がる原因

吊り金物が曲がっていないので、根本をよく見てみました。
すると、ピッタリ止まっているべき釘が浮いているのが見えます!

雪の重みで吊り金物を支えていた釘が手前に押し出されてしまい、軒樋ごと手前に下がってしまったのです。

雪害による釘の抜け・浮きによる軒樋の傾斜不良
釘が抜けていたのが、軒樋の傾斜不良の原因だった!

釘の抜けの確認

雪害で釘が浮いている軒樋金物
雪害で釘が浮いている軒樋金物

このように雨どいの吊り元の釘が飛び出して浮く事は、通常では有り得ません。

釘が浮いている軒樋
釘が浮いている

大雪で雨どいが破損(垂れ下がる)メカニズム

なぜこのようになたのか?をまとめてみましょう。

  1. 大雪が降る
  2. 軒先に雪の重みがのしかかる
  3. 吊り金物は頑丈で重さに耐える
  4. 金物を留めている釘が重さに耐えられず、抜けていく
  5. 雨どい全体が垂れさがる
  6. 吊り金物の先端が軒樋から抜けてしまうものが数本あった

今回の件では、雨どいの吊り金物は重さに耐えて曲がったりしませんでしたが、金物を留めている釘が重さに耐えられませんでした。

2本だけ先端が抜けた吊り金物だけが「元々の軒樋の位置」で残っていたので、他の部分が下がっているのが証明できます。

雪害での火災保険の申請

この写真により、雪による被害で保険会社に雪害の損害保険の請求が可能になります。

直ぐに保険会社に確認をし、請求の手続きに入りましょう。

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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