遮熱塗料の効果を正しく検証するために、2009年から毎年遮熱塗料の実証実験を行っています。
自分で実測する理由は、「メーカーの言う事を鵜呑みにしてはいけないから」です。
2012年までは自力で計測していましたが、過酷過ぎたため今年は機械に頼ることにしました。
これまでの遮熱塗料実験はこちらから【2009年・2010年・2011年・2012年】
4年目の今年は各メーカーから提供された17種類の素材で実験を行いました。
各メーカーの塗料の中からここでは「日本特殊塗料の4種類の塗料」を計測した結果をまとめてあります。
実験を行った日本特殊塗料の塗料
この実験の概要はこちらから↓
エスケー化研で実験を行った塗料は以下の5種類です。
⑭パラサーモシールド2回塗り(パラサーモシリコン仕上げ) | 断熱塗料 |
⑮パラサーモ(エポラ塗替遮熱プライマー) | 遮熱塗料 |
⑯パラサーモシリコン(エポラ塗替遮熱プライマー) | 遮熱塗料 |
⑰パラサーモシールド(白)※参考色 | 断熱塗料 |
今回の塗料について
「日本特殊塗料」の屋根用遮熱塗料は、「パラサーモシリーズ」です。
今回は、「パラサーモ」「パラサーモシリコン」「パラサーモシールド」「パラサーモシールドの白」「リリーフNADウレタン」を測定します。
⑭パラサーモシールドは、中空バルーン層を含む屋根用遮熱塗料。
遮熱効果と防音・断熱効果を組み合わせた塗料です。
ガイナと似た要素がある塗料という事で…興味があるので測定してみる事にしました。
「パラサーモ」は、「ウレタン系」、「パラサーモシリコン」は、「シリコン系」を原料としています。
下地材は、遮熱効果のあるメーカー指定の「エポラ塗替遮熱プライマー」を使用します。
※参考のため、屋根を白で塗る場合はほとんどありませんが、色による比較のために「パラサーモシールド(白) 」も同時に計測します。
色:スレートブラック
実験で使う日本特殊塗料の色は、パラサーモシリーズの色見本の中から【スレートブラック】を選びました。
実験の結果・全データ
最高気温(℃)41.0℃ 最低気温(℃)25.5℃ 塗り板の最高温度(℃)46.0℃
2014年8月8日15時30分~8月19日11時30分までの計測データです。
2014/8/18 AM11:30 のデータ
この期間は気温がやや低めでした。
全体を見て、まず目に付くのは、明らかに17白色の遮熱塗料の方が、他の黒色の遮熱塗料に比べて温度が低くなっている点です。
特に高温になっている赤丸の部分を拡大してみます。
⑭パラサーモシールド (パラサーモシリコン仕上げ)
⑮パラサーモ(エポラ塗替遮熱プライマー)
⑯パラサーモシリコン(エポラ塗替遮熱プライマー)
⑰パラサーモシールド(白)
■ 気温
⑭パラサーモシールド (パラサーモシリコン仕上げ) | ⑮パラサーモ (エポラ塗替遮熱プライマー) | ⑯パラサーモシリコン (エポラ塗替遮熱プライマー) | ⑰.パラサーモシールド (白) | 気温 |
46.5℃ | 45.5℃ | 45.5℃ | 40.5℃ | 39.0℃ |
遮熱塗料⑭~⑰の中でも⑮パラサーモ(エポラ塗替遮熱プライマー)⑯パラサーモシリコン(エポラ塗替プライマー)の2つが最も低くなりました。
2014年:日本特殊塗料の遮熱塗料効果実験の順位
比較の方法として、データ上の気温36℃以上または塗り板温度の最高値が40℃以上の日時に一番温度が低くなっているものを全て調べます。
その結果から、総合的に決定した順位は以下のようになりました。
日本特殊塗料の遮熱塗料の代表は【⑮パラサーモ (エポラ塗替遮熱プライマー)】です。
1位 | ⑮パラサーモ (エポラ塗替遮熱プライマー) | 23点 |
2位 | ⑯パラサーモシリコン (エポラ塗替遮熱プライマー) | 22点 |
3位 | ⑭パラサーモシールド2回塗り (パラサーモシリコン仕上げ) | 17点 |
4位 | ⑰パラサーモシールド(白) | - |