2012年【遮熱塗料・実証実験】1200回計測の結果【まとめ】

2009年から始めた遮熱塗料の実証実験も今年で4年目になりました。

そこで、今年の実験により最終的に残せる結果としては、以下の3点になります。

2012年の実験で連日130回以上、合計で1200回以上の計測を人力で行いました。

気温や日射の条件が毎日違うため誤差があるものの「リアルなデータ」が取れたと思います。

今年の全データをの【まとめ】を集計しておきます。

【2012年の実験全データはこちら】

2012年遮熱塗料実証実験の概要

期間	2012年７月５日～８月23日まで（全8回）
時間	12時から16時まで1時間おきに計測
計測機器	赤外線放射温度計 SK-8700 II

実験の内容と得られた結果

20012年の遮熱塗料実験では、6つのテーマで計測を行いました。
最終的に得られた結果をまとめると以下のようになります。

各実験の結果データ

〈実験①〉【スレート屋根の遮熱塗料】の結果

新品屋根材と比較した遮熱塗料の効果は約－3℃（水谷ペイントの快適サーモU）でした

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	45.5℃	水谷ペイント　快適サーモＵ【遮熱塗料】
2位	46.2℃	日本特殊塗料　パラサーモ【遮熱塗料】
3位	46.3℃	エスケー化研　クールタイトSi【遮熱塗料】
4位	46.6℃	エスケー化研　クールタイト【遮熱塗料】
5位	47.2℃	日本ペイント　サーモアイＵＶ【遮熱塗料】
	48.4℃	新品屋根材

計測実験を行った塗料

〈実験②〉金属屋根の遮熱塗料【金属屋根・一斗缶の上部で計測】の結果

一般塗料と比較した遮熱塗料の効果は約－3℃（エスケー化研　クールタイトSi）でした

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	45.3℃	エスケー化研　クールタイトSi【遮熱塗料】
2位	47.3℃	水谷ペイント　快適サーモＵ【遮熱塗料】
2位	47.3℃	日本特殊塗料　パラサーモ【遮熱塗料】
4位	48.3℃	日本ペイント　サーモアイＵＶ【遮熱塗料】
	48.7℃	（一般塗料）エスケー化研　ヤネフレッシュ

計測データの平均と遮熱効果の順位

〈実験②〉金属屋根の遮熱塗料【金属屋根・一斗缶の側面で計測】の結果

一般塗料と比較した遮熱塗料の効果は約－2（日本特殊塗料　パラサーモ・水谷ペイント　快適サーモＵ）でした

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	42.9℃	日本特殊塗料　パラサーモ
2位	43.1℃	水谷ペイント　快適サーモＵ
2位	43.1℃	エスケー化研　クールタイトSi
4位	43.6℃	日本ペイント　サーモアイＵＶ
	44.8℃	エスケー化研　ヤネフレッシュ≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験③〉【ガイナを中心とした様々な塗り板の温度の比較】の結果

淡色の断熱塗料（ガイナ）や遮熱塗料（クールテクトSi）よりも、白い一般塗料（リシン・ジョリパット）の方が温度が低い事が分かった
また、同系色のアートフレッシュの方が温度が低い

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	37.1℃	エスケー化研　リシン（白）≪一般塗料≫
2位	38.7℃	アイカ　ジョリパット（白）≪一般塗料≫
3位	41.0℃	エスケー化研　アートフレッシュ≪一般塗料≫
4位	41.7℃	日進産業　ガイナ【断熱塗料】
4位	41.7℃	エスケー化研　水性クールテクトSi【遮熱塗料】
6位	41.8℃	アイカ　ジョリパット（肌色系）≪一般塗料≫
7位	42.3℃	エスケー化研　クリーンマイルドシリコン≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験④〉【黒い塗料の温度の比較】の結果

黒い色のガチンコ勝負です。結果はカタログ表記通りになりました。
1位のクールタイトSi（シリコン）は、下塗りの中空バルーンの効果が出ているので、2位のクールテクトSiよりも－1℃温度が低くなっているものと思われます。
当然、水性セラミシリコンの温度が一番高くなっています。

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	46.5℃	エスケー化研　クールタイトSi（シリコン）【遮熱塗料】
2位	47.6℃	エスケー化研　水性クールテクトSi【遮熱塗料】
	49.7℃	エスケー化研　水性セラミシリコン≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験⑤〉外壁「断熱塗料ガイナ」の効果の結果

断熱塗料ガイナと一般塗料クリーンマイルドシリコンを比較した結果は約－1℃でした。

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	38.1℃	日進産業　ガイナ【断熱塗料】
2位	37.2℃	エスケー化研　クリーンマイルドシリコン≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験⑥-1〉日替わり実験【色による温度の違い】の結果

色による温度差はどの程度あるのか？の実験です。
外壁塗装で良く使われるエスケー化研のアートフレッシュで、白と茶色で比較しました。
結果は白が約－8℃と、今年の実験で一番の温度差を記録しました。

計測データの平均と順位

順位	平均温度	塗料
1位	36.2℃	エスケー化研　アートフレッシュ（白）≪一般塗料≫
2位	44.7℃	エスケー化研　アートフレッシュ（茶）≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験⑥-2〉日替わり実験【遮熱塗料の効果は本当にあるか？①】の結果

遮熱塗料【水性クールタイトシリコン】と一般塗料【水性セラミシリコン】を比較した結果、遮熱塗料の効果は約－0.4℃（水性クールテクトSi）でした

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	44.0℃	エスケー化研　水性クールタイトシリコン【遮熱塗料】
2位	44.4℃	エスケー化研　水性セラミシリコン≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験⑥-3〉日替わり実験【塗料のツヤによる温度変化の比較①】の結果

ツヤの「ある・無し」による温度の違いがあるのか？を検証しました。
結果は【ツヤが有っても無くても、温度への影響は特に無し】です。
一般同じ塗料で同じ色の「ツヤ有りと3分ツヤ」で比較した結果は－0.2℃と誤差の範囲内でした。

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	36.6℃	エスケー化研　クリーンマイルドシリコン（3分ツヤ）≪一般塗料≫
2位	36.8℃	エスケー化研　クリーンマイルドシリコン（ツヤあり）≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験⑥-4〉日替わり実験【遮熱塗料の効果は本当にあるか？②】の結果

遮熱塗料【水性クールテクトSi】と一般塗料【クリーンマイルドシリコン】を比較した結果、遮熱塗料の方が0.3℃熱くなってしまいました。
0.3℃が誤差の範囲内だとしても、淡色の場合の遮熱塗料の効果は無いのが分かります。

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	41.5℃	エスケー化研　クリーンマイルドシリコン≪一般塗料≫
2位	41.8℃	エスケー化研　水性クールテクトSi【遮熱塗料】

計測実験を行った塗料

〈実験⑥-5〉【遮熱塗料の効果は本当にあるか？③】の結果

遮熱塗料【水性クールタイトSi】と一般塗料【アートフレッシュ】を比較した結果、遮熱塗料の効果が-1.4℃になりました。

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	36.6℃	エスケー化研　水性クールタイトSi【遮熱塗料】
2位	38℃	エスケー化研　アートフレッシュ≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験⑥-6〉日替わり実験【塗料のツヤによる温度変化の比較②】の結果

ツヤの「ある・無し」による温度の違いがあるのか？を再び検証しました。
今回の結果で1.2℃の違いが出ました。
今回の計測では水性塗料と油性塗料での計測だったのが温度差に表れたのかもしれません。

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	41.8℃	エスケー化研　水性セラミシリコン（半ツヤ）≪一般塗料≫
2位	43.0℃	エスケー化研　クリーンマイルドウレタン（ツヤあり）≪一般塗料≫

計測実験を行った塗料

〈実験⑥-7〉日替わり実験【遮熱塗料の効果は本当にあるか？④】の結果

〈実験⑥-4〉と同じ実験をもう一度行いました。
前回は水性クールテクトSiが－0.3℃という結果でしたが、今回は＋1.5℃と熱くなってしまいました。

計測データの平均と遮熱効果の順位

順位	平均温度	塗料
1位	36.0℃	エスケー化研　クリーンマイルドシリコン≪一般塗料≫
2位	37.5℃	エスケー化研　水性クールタイトSi【遮熱塗料】

時刻	気温	クリーンマイルドシリコン （吹付けタイル・ツヤあり）	クールテクトＳｉ （吹付けタイル・ツヤあり）
12:00	31℃	42℃	41℃
13:00	37℃	38℃	38℃
14:00	37℃	33℃	34℃
15:00	37℃	31℃	37℃
16:00	35℃		42℃
17:00
	気温	クリーンマイルドシリコン （吹付けタイル・ツヤあり）	水性クールテクトＳｉ （吹付けタイル・ツヤあり）
平均	35.3℃	36.0℃	37.5℃

計測実験を行った塗料

注意事項

実験に使用した塗料は当時販売していたものです。
閲覧して頂いている時点で廃版となっている塗料もありますので、その旨ご了承ください。

2012年　遮熱塗料　実証実験のまとめ

2012年の実験で連日130回以上、合計で1200回以上の計測を人力で行いました。

気温や日射の条件が毎日違うため誤差があるものの「リアルなデータ」が取れたと思います。

そこで、今年の実験により最終的に残せる結果としては、以下の3点になります。

上記の結果からも、遮熱塗料が最も有効に活用できるのは屋根に薄い色を塗ることです。

薄い色といっても適度なのはグレーですので、興味がありましたら下記の記事も読んでみて下さい。

その他の年の実験結果

2009年の遮熱塗料実証実験の結果

2010年の遮熱塗料実証実験の結果

2011年の遮熱塗料実証実験の結果