遮熱塗料の効果を正しく検証するために、2009年から毎年遮熱塗料の実証実験を行っています。
自分で実測する理由は、「メーカーの言う事を鵜呑みにしてはいけないから」です。
2012年までは自力で計測していましたが、過酷過ぎたため今年は機械に頼ることにしました。
これまでの遮熱塗料実験はこちらから【2009年・2010年・2011年・2012年】
4年目の今年は各メーカーから提供された18種類の素材で実験を行いました。
各メーカーの塗料の中からここでは「水谷ペイントの5種類の塗料」を計測した結果をまとめてあります。
実験を行った日本ペイントの塗料
この実験の概要はこちらから↓
水谷ペイントで実験を行った塗料は以下の5種類です。
⑨ルーフマイルドU (マイルド浸透シーラー) | 遮熱塗料 |
⑩快適サーモU (マイルド浸透シーラー) | 遮熱塗料 |
⑪快適サーモU (快適サーモマイルドシーラー) | 遮熱塗料 |
⑫快適サーモSi (マイルド浸透シーラー) | 遮熱塗料 |
⑬快適サーモSi (快適サーモマイルドシーラー) | 一般塗料 |
今回の塗料について
「水谷ペイント」の遮熱塗料は、「快適サーモU」と「快適サーモSi」があります。
この2つの違いは、原料の違い。
サーモアイUVはウレタン樹脂で、サーモアイSiはシリコン樹脂です。
この快適サーモシリーズの下塗り塗料には、下地材を遮熱効果のある「快適サーモマイルドシーラー」と通常の「マイルド浸透シーラー」があります。
ですから今回はそれぞれの組み合わせでもサンプルを作り実験をしてみます。
※遮熱効果の比較のため、一般の屋根用塗料「ルーフマイルドU」も同時に計測します。
色:ニューサーモブラック
実験で使う水谷ペイントの色は、サーモアイシリーズの色見本の中から【ニューサーモブラック】を選びました。
実験の結果・全データ
最高気温(℃)41.0℃ 最低気温(℃)25.5℃ 塗り板の最高温度(℃)48.0℃
2014年8月8日15時30分~8月19日11時30分までの計測データです。
2014/8/8 AM11:30 のデータ
この期間は気温がやや低めでした。
それでも全体を見ると、遮熱塗料の「快適サーモシリーズ」の方が一般塗料の「ルーフマイルドU」よりも温度が低くなっています。
特に温度差が出た赤丸の部分を拡大してみます。
⑨ルーフマイルドU (マイルド浸透シーラー)
⑩快適サーモU (マイルド浸透シーラー)
⑪快適サーモU (快適サーモマイルドシーラー)
⑫快適サーモSi (マイルド浸透シーラー)
■⑬快適サーモSi (快適サーモマイルドシーラー)
気温
⑨ルーフマイルドU | ⑩快適サーモU (マイルド浸透シーラー) | ⑪快適サーモU (快適サーモマイルドシーラー) | ⑫快適サーモSi (マイルド浸透シーラー) | ⑬快適サーモSi (快適サーモマイルドシーラー) | 気温 |
45.5℃ | 42.5℃ | 41.5℃ | 43℃ | 42.0℃ | 39.0℃ |
遮熱塗料⑩~⑫の中でも⑪快適サーモU(快適サーモマイルドシーラー)が最も低くなりました。
⑨の屋根用通常塗料・ルーフマイルドと⑪快適サーモU(快適サーモマイルドシーラー)との差は、マイナス3.5℃もありました。
2014年:水谷ペイントの遮熱塗料効果実験の順位
比較の方法として、データ上の気温36℃以上または塗り板温度の最高値が40℃以上の日時に一番温度が低くなっているものを全て調べます。
その結果から、総合的に決定した順位は以下のようになりました。
水谷ペイントの遮熱塗料の代表は【⑦サーモアイSi (サーモアイシーラー)】です。
1位 | ⑪快適サーモU (快適サーモマイルドシーラー) | 23点 |
2位 | ⑬快適サーモSi (快適サーモマイルドシーラー) | 21点 |
3位 | ⑩快適サーモU (マイルド浸透シーラー) | 18点 |
4位 | ⑫快適サーモSi (マイルド浸透シーラー) | 8点 |
5位 | ⑨ルーフマイルドU(マイルド浸透シーラー) | - |