2014年遮熱塗料実証実験の概要

2014年遮熱塗料実証実験の概要

2009年~2012年に行った遮熱塗料ですが昨年1回休んでの再開です。
今年はデータの採り方を変えて、新しい機器を購入しました。
今までとは違うデータでさらに正確な実験にしたいと思います。

目次

2014年遮熱塗料実験の概要

2013年の実験が出来なかったのは2012年の実験が過酷だったが原因です…。
そこで今年は自動で一定間隔ごとに温度を記録して温度推移を保存することができる装置を購入しました。

また、データ測定の均一性を確保するために、各塗料メーカーに協力を頂いてA4サイズのフレキシブル板にて塗板を作成しました。

遮熱塗料実験用の塗料

2014遮熱塗料実証実験塗料
2014遮熱塗料実証実験塗料

今まで同様の4メーカーで実験します(エスケー化研・日本ペイント・日本特殊塗料・水谷ペイント)

下地の塗料によっても遮熱効果が変わることが2012年の実験で分かったこともあり、同じ塗料で下地を変えた塗板も用意しました。

さらに、比較のため、通常の屋根用塗料の「塗り板」も発注しています。

この実験で使用する塗料(カッコ内は下塗りの塗料)

エスケー化研

  1. クールタイト(マイルドシーラーEPOクリア)
  2. クールタイトSi(マイルドシーラーEPOクリア)
  3. クールタイト(マイルドシーラーEPOホワイト)
  4. クールタイトSi(マイルドシーラーEPOホワイト)
  5. ヤネフレッシュ(マイルドシーラーEPOクリア)

日本ペイント

  1. サーモアイSi(サーモアイシーラー)
  2. サーモアイUV(サーモアイシーラー)
  3. ファインUVベスト(1液ベストシーラー)

水谷ペイント

  1. ルーフマイルド(マイルド浸透シーラー)
  2. 快適サーモU(マイルド浸透シーラー)
  3. 快適サーモU(快適サーモマイルドシーラー)
  4. 快適サーモSi(マイルド浸透シーラー)
  5. 快適サーモSi(快適サーモマイルドシーラー)

日本特殊塗料

  1. パラサーモシールド(パラサーモシーラー)
  2. パラサーモ(エポラ塗替遮熱プライマー)
  3. パラサーモシリコン(エポラ塗替遮熱プライマー)
  4. パラサーモシールド(白)2回塗り

塗板の作成

各塗料メーカーに協力を頂いてA4サイズのフレキシブル板にて塗板を作成しました。

2014年塗板

計測の機器(サーモクロンG)

今年は、昨年まで行っていた人力による温度測定方法から、「サーモクロンG」という超小型の温度記録計を使用して自動的に温度を測定する方法に変わりました。

ThermoManagerキット 外箱
ThermoManagerキット 外箱
ThermoManagerキット(サーモマネジャーキット)
ThermoManagerキット(サーモマネジャーキット)
サーモクロンと1円玉の比較
サーモクロンGと1円玉の比較

「サーモクロンG」には、直径が1円玉よりも小さなボタン電池サイズでありながら、温度センサー・メモリー・電池が内臓されています。

サーモクロンG
サーモクロンG

サーモクロンGは5個で1セット。
今回は2セット10個を買いました。

サーモクロンG×10個
サーモクロンG×10個


これを各メーカーの遮熱塗料の塗り板の裏に貼りつけて、1時間ごとに約1週間の温度測定を行います。

期間

2011年6月29日~2011年7月9日まで
主に13時~16時までの1時間おきに計測

計測の方法

サーモクロンは自動で24時間、1時間おきに温度を測ります。
1回セットしておけば、今までのような手動計測は不要です。

ベランダの柵に塗り板を取付けて、裏側にサーモクロンGを貼りつけます。

2014塗板のセッティング
2014塗板のセッティング

写真を撮り忘れてしまったのですが…の位置にサーモクロンGを貼り付けます

サーモクロン塗板設置(裏)
サーモクロン塗板設置(裏)

このように設置すれば塗り板には均一に太陽光が当たるので公平なデータが取れます。

サーモクロン塗板設置(裏A)
サーモクロン塗板設置(裏A)

一旦全部の塗り板を並べ、5回に分けて計測します。

サーモクロン塗板設置(表)
サーモクロン塗板設置(表)

データ取り

サーモクロンのデータをパソコンに取り込むとエクセルデータから下記のようなグラフが作れます。

サーモクロンデータサンプル
サーモクロンデータサンプル

各メーカーの比較と実験の方法

2014年 遮熱塗料実験トーナメント
2014年 遮熱塗料実験トーナメント

今回は、各塗料メーカーの中で予選を行います。
3種類~5種類の屋根用塗料を比較してメーカーの代表を選びます。

次にその塗料メーカーの代表4種類を計測して、一番効果のある【遮熱塗料の第1位】を選びます。

各実験に使用した塗料と結果

エスケー化研(2014年7月31日~8月8日まで計測)
①クールタイト(マイルドシーラーEPOクリア)
②クールタイトSi(マイルドシーラーEPOクリア)
③クールタイト(マイルドシーラーEPOホワイト)
④クールタイトSi(マイルドシーラーEPOホワイト)
⑤ヤネフレッシュ(マイルドシーラーEPOクリア) ※比較用一般屋根塗料

実験の結果はこちら↓

日本ペイント(2014年7月31日~8月8日まで計測)
⑥サーモアイSi(サーモアイシーラー)
⑦サーモアイUV(サーモアイシーラー)
⑧ファインUVベスト(1液ベストシーラー)※比較用一般屋根塗料

実験の結果はこちら↓

水谷ペイント(2014年8月8日~8月19日まで計測)
⑨ルーフマイルド(マイルド浸透シーラー)※比較用一般屋根塗料
⑩快適サーモU(マイルド浸透シーラー)
⑪快適サーモU(快適サーモマイルドシーラー)
⑫快適サーモSi(マイルド浸透シーラー)
⑬快適サーモSi(快適サーモマイルドシーラー)

実験の結果はこちら↓

日本特殊塗料(2014年8月8日~8月19日まで計測)
⑭パラサーモシールド(パラサーモシーラー)
⑮パラサーモ(エポラ塗替遮熱プライマー)
⑯パラサーモシリコン(エポラ塗替遮熱プライマー)
⑰パラサーモシールド(白)2回塗り 
【色による比較のための白い色の遮熱塗料です。これ以外の全ての塗料の色は、ほとんどの屋根で使用される黒系色です】

実験の結果はこちら↓

各塗料の総合1位の結果
②クールタイトSi(下地:マイルドシーラーEPOクリア)
⑦サーモアイUV(下地:サーモアイシーラー)
⑩快適サーモU(下地:快適サーモマイルドシーラー)
⑪快適サーモU(下地:快適サーモマイルドシーラー)
⑮パラサーモ(下地:エポラ塗替遮熱プライマー)
⑯パラサーモシリコン(下地:エポラ塗替遮熱プライマー)

実験の結果はこちら↓

注意事項

実験に使用した塗料は当時販売していたものです。
閲覧して頂いている時点で廃版となっている塗料もありますので、その旨ご了承ください。

その他の年の実験結果

2009年の遮熱塗料実証実験の結果

2010年の遮熱塗料実証実験の結果

2011年の遮熱塗料実証実験の結果

2012年の遮熱塗料実証実験の結果

2014年の遮熱塗料実証実験の結果

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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