FRP防水の【再防水】と【塗り替え】の工事内容の違い

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【トップコート塗装】と【再防水】の違い

この記事では一般の方にも分かりやすいように、バルコニーFRP防水のメンテナンス方法の【FRP再防水工事】と【FRP塗り替え工事】の違いについて解説します。

「バルコニー防水のメンテナンス」と言うと塗り替え工事」では無く、「再防水工事」をしてしまう業者が多いようです。

しかし、バルコニーのFRP防水の床のメンテナンスでは、特に下地に問題が無い場合には【塗り替え工事(トップコートの塗り替え)】にてFRPの表面保護をするメンテナンスを行います。

リフォーム屋さんや各担当者、職人さんの中には、バルコニーFRP防水のメンテナンスに付いてはあまり知らない(経験が無い・勉強不足)な業者さんも多いので、注意が必要です。

業者側が分かっていないくらいなので、必要以上の(無駄な)工事をしていてもお客さん自身では分かりようもありません。
そんな事が多いようなので、ちょっと問題だと思い今回は記事にまとめました。

バルコニーFRPのメンテナンスの方法は2種類ある

「メンテナンス=維持管理」について例えて言うなら、自動車の修理には「交換・修理」と「補修・修復」があります。

バルコニーFRP防水のメンテナンスも同様の2種類があります。

再防水工事

防水工事を最初からやり直す工事(交換・修理)

トップコートの塗り替え工事

表面保護だけのやり直し(補修・修復)

そして、この2つの工事の区別や状況判断が出来ない業者が多いので、適切な工事の提案が出来ないのです。

FRP防水の正しい診断ができない理由

正しい判断・診断ができない場合には、下記のような事が起ります。

  • ハウスメーカーでは保証が切れるので【再防水工事を行わないといけない】と言われる ※ 必要も無いのにデラックスな工事をさせられる。
  • メンテナンス方法を知らないリフォーム店・塗装屋さんでは【簡易的な塗装工事をされてしまう】場合があります。 ※ 知らないうちに「安かろう・悪かろう」の工事を頼んでいる事になる。

上記の工事を行った場合でも「工事をした」事には変わりありませんが、どちらも「適した工事」をしている訳ではありません。

間違いやすいバルコニーFRP防水の2つの工事

では、どのような場合に再工事が適していて、そのような場合には維持管理で良いのかを解説していく前に、バルコニーFRP防水のメンテナンスの方法の再工事トップコートの塗り替えの2種類の解説をしましょう。

バルコニーFRP防水のメンテナンスの方法① FRP防水の再防水工事

バルコニーFRP防水のやり直し

FRP防水のやり直しとは、上記の部分の「防水層」からやり直す工事です。

費用も工事内容も大掛かりになります。

バルコニーFRP防水のメンテナンスの方法② FRP防水のトップコートの塗り替え工事

トップコートの塗装は、上記のうちガラスマットの施工部分が除かれます。

FRPトップコート塗装

こんな場合にはバルコニーFRP防水の再防水工事が必要

バルコニーの床に不具合がある場合には、FRP防水の再施工が必要です

既にバルコニーの床から雨漏りしている場合

雨漏りしていたら、トップコートの塗装だけでは直りません。
再防水が必要です。

雨漏りの雫

建物の設計に構造的欠陥がある場合

建物に構造的欠陥があった場合は、その部分の改善も含めて防水のやり直しが必要です。

サッシ立ち上がりの不足

FRP防水の資材・材料の問題による問題が有る場合

2010年以前の建物に多いFRP防水資材の問題による雨漏りなどがある場合

四角いドレン

雨漏りはしていないが、バルコニーの下地から亀裂が入っている場合

防水の表面とは違ってFRPの下地本体からビビが入っている場合は雨漏りの危険が高い

下地板ジョイント部からの亀裂

FRP防水の表面に多数の、或いは1カ所でも大きいハガレがある場合

大きな剥がれは2種類あります

剥がれて下地が見えている場合

剥がれた下が茶色っぽい色が見えている場合、それはFRPの防水層(防水の本体)です。

この部分を守るために、グレーのトップコートがあります。

そのトップコートが無くなっている訳ですから、非常に危険な状態にあります。

バルコニーFRP防水トップコートの剥がれ

剥がれた下にもトップコートがある場合

バルコニーの防水部分が剥がれている場合で、剥がれた下にもグレーのトップコート塗装がある事は、悪い事ですが割と多くあります。

この場合、剥がれた部分が無くなっても下のトップコートがあるので「事実上雨漏りの危険はありません」

ただし、こうなっている防水面に塗装をしても、再度他の部分が剥がれて来る事は避けられません。

美観的な問題が主になりますが、剥がれないようにしたい場合は再防水を行うしかありません。

FRP防水の剥がれた下にもトップコートがある場合

その他、バルコニー床面に不具合がある場合

FRP防水ではほぼありませんが、傾斜不良等のその他の不具合で下地からやり直さなければならない場合は再防水が必要です。

FRPのトップコートの【再塗装】を行うのが適切な場合

下記のような状態の場合、バルコニーの床には特に問題が無いので、FRP防水の表面保護(トップコートの塗り替え)を行うのが適切なメンテナンスになります。

単なる経年劣化

築15年までで、特に問題が無く経年劣化だけの場合はトップコートの塗り替え工事が適切です。

経年劣化のみのFRP防水の床
経年劣化のみのFRP防水の床

色褪せが目立ってきた場合

上記とほぼ同じですが、立ち上がり部分と床面の退色の差が目立つ事も有ります。

退色したFRP防水の床面と退色していない立ち上がり面の色の差

FRPトップコートが摩耗している

紫外線が良く当たる床面は、新築時のトップコートが風化・摩耗して(薄くなって)下地が見えて来る事があります。

※剥がれ・めくれとは違う現象です。

新築時のトップコートが摩耗して下地が見えている

FRPトップコートに「少しだけ・細かいヒビ」が入っている

軽度なヒビとは、表面の塗料に入ったヒビの事です。

画像のように、細かくて細いヒビは概ね表面上のヒビです。

FRPトップコートに「少しだけ・細かいヒビ」が入っている

下記画像の【トップコート】の部分に入った細かいヒビの事になります。
これは特に大きな問題にはなりませんので、トップコートの塗り替えをしておきましょう。

FRP防水層の図解

FRPトップコートが「少しだけ」剥がれている

本当は(理屈では)少しでも剥がれてしまうのはいけないのですが…剥がれているのが少ししか無い、という場合もあります。

「少しだけ剥がれている」場合には、現実的な対処方法としては塗替えて保護をしておけばOKという事にしておきます。

※ただし、塗り替え後に他の部分が剥がれ始める事がある…かもしれません。

FRPトップコートが「少しだけ」剥がれている

FRP防水用トップコートの選びかた

トップコートの塗り替えでは、塗料選びに失敗しないように気を付けなければいけません。

バルコニーFRP防水のメンテナンスが間違って行われてしまう理由

メンテナンス

バルコニーFRP防水のメンテナンスが間違って行われてしまう理由は、ちょっとだけFRP防水の歴史に関係します。

住宅用のバルコニーの床をFRP防水で行うのが始まったのは、およそ30年くらい前からでしょうか。
ただ、この頃はいわゆる「黎明期」で、チャレンジ精神旺盛な建築屋さんなどが物珍しい素材として導入していました。

しかし、雨漏りしないように工事をする方法が分からないままの「見切り発車的」な工事です。
当然、雨漏りなどのトラブルも多発しました。
ですから、2010年以前の建物のFRP防水には、雨漏りの危険が残っている場合も多く残されています

2010年を過ぎた頃からは新築時のFRP防水の技術や雨漏りしないパーツ作りが改善されて行きました。
おかげで現在新築中の建物では、完全な形でFRP防水が出来るようになりました。

そして現在の状況は、不完全な形で建てられた家のFRP防水防水がメンテナンス(塗り替え)の時期を迎えています。

ところが今度は、メンテナンスをするための知識や技術の整備が足りない状態になったのです。

ですから、FRP防水の劣化の状態を正しく判断出来る人材がいない大手の会社では、全てのFRP防水床面は再防水」するという工事になってしまうのです。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【FRP防水】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

高橋良一

高橋良一

外壁塗装の専門家

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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