建築用仕上塗材とは
「塗材」という言葉を初めて見る方もいるかと思います。
「塗料」では無く「塗材」です。
多くの外壁は【フラット=平ら】ではなく何らかの凹凸模様が付いています。
この凹凸模様を作る部分の事を【塗材】と呼び、一般的に言う【塗料】とは違うカテゴリーになります。
一般的に分かりやすく簡略化して言うと…
- 建築用仕上塗材は一般的に新規のモルタル外壁の上に使う材料。
- 平らな外壁の表面に凹凸柄を立体的に付ける
- 柄の作り方は主に下記の3種類
- 吹き付け施工(主な柄の種類)
- スタッコ柄
- 吹き付けタイル柄(押さえ・吹き放しなど)
- リシン吹き付け
- ローラー施工(主な柄の種類)
- マスチック柄(砂骨柄)
- ゆず肌柄
- コテ塗り施工(主な柄の種類)
- くし引き柄
- 扇形柄
- コテ塗りでは、その他自由自在な柄が作れる
- 吹き付け施工(主な柄の種類)
建築用仕上塗材の概要
- 外装仕上げ塗材とは、建物の外装の表面に凹凸模様をつけるための材料のこと
- 内装の仕上げ塗材として使う場合もある
- 新規に凹凸模様を付ける時にだけ施工するので、外壁塗装(塗り替え)の時にはほとんど使わない
塗り替えで【建築用仕上塗材】を使う時
- 全面的な凹凸模様の再施工工事の時
- 部分的な補修工事を行った後の修復工事の時
建築用仕上塗材の特徴
- 一般塗料(いわゆるペンキ)との一番の違いは、外装仕上げ塗材は【外装の模様を立体的に造る】ところ
- 一般塗料の厚みが0.01mm程度の液状であるのに対して、仕上塗材の厚みは3mm~10mm 程度ですから、300倍~1,000倍にもなる
建築用仕上塗材の目的
- 美観の向上
- 下地の保護
- ヒビ割れ耐性
- 下地不陸感の軽減
- その他
施工する主な用具・道具
ローラー・刷毛・左官こて・吹き付け(ガン吹き)
主な模様(パターン・テクスチャー)
凹凸模様やゆず肌模様など
材質
セメント、合成樹脂などの結合材、顔料、骨材
工程
- 【3層の場合】下塗り・主材塗り・上塗りの3工程が基本
- 【2層の場合】下塗り・主材塗り(吹き付け)の2回
建築用仕上塗材の工程(3層の場合)
各工程の内容を簡単に解説します。
下塗り材
下塗り材の役割は3種類です。
- 下地と次に塗る主材の接着材的な役割
- 下地の浸透性を抑えて吸い込み過ぎないようにすること
- 下地からのアルカリ性質やヤニ、シミなどをブロックすること
下塗り材と同じ意味で使われる言葉に「プライマー」や「シーラー」があります。
下塗り作業例
ガッチリ浸透プライマー施工例 マイルドシーラーEPO施工例 水性ソフトサーフSG施行例 水性ミラクシーラーエコ施工例
主材
砂壁状・スタッコ状・凹凸状などの立体的な模様を作ったり、ゆず肌状、フラット状といった比較的平たんな模様を作ることもあります。
マスチックローラーにて主材塗り。どのような模様が出来るかというと・・・
上塗り材
いわゆる「外壁塗装の塗料」が、この外装仕上げ塗材の上塗り材です。
クリーンマイルドウレタン一斗缶・硬化剤セット 水性セラミシリコン一斗缶 クールタイトSi一斗缶 パーフェクトトップ一斗缶
上塗りの作業例
外壁塗装上塗り 外壁の上塗り 外壁塗装上塗り 塀の上塗り
- 表面の着色
- 撥水性
- 耐汚染性
- 耐候性
- 遮熱機能
- 水系
- 弱溶剤系
- 溶剤系
一般塗料と建築用仕上塗材の違い
「建築用仕上げ塗材」のうち、一般的に「塗料」というのは【上塗り材】のことです。
「建築仕上げ塗材」は「下塗り材+主材+上塗り材」のセットのことですから、物理的な部分でも下記の違いがあると言えます。
① 厚みが違う
- 仕上塗材は膜厚が数mm~10mm程度
- 一般塗料の膜厚は0.01mm程度
② 模様が作れるかどうか
- 仕上塗材はその厚みにより造形的な模様を形成します
- 一般塗料の厚みでは模様は作れません
つまり、薄膜で模様が作れないのは【一般塗料:上塗り材】で、厚膜で模様が出来るのは【仕上げ塗材】という事になります。
模様は主に「主材」の部分で作られますので、立体的な模様を作ることが建築用仕上塗材の役割になります。
【付録】塗料メーカーの建築用仕上塗材
塗料メーカーでは「建築用仕上塗材」という呼び名ではなく各メーカーごとにネーミングが違います。
エスケー化研
エスケー化研では【外装用仕上材】というカテゴリーとしています。
日本ペイント
日本ペイントでは【外装用仕上げ塗材】というカテゴリーとしています。
関西ペイント
関西ペイントでは【外装仕上塗材】というカテゴリーとしています。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事では下記の点についてまとめてみました。
この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。
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