外壁塗装をする際には「外壁素材と既存塗装下地を確認し、正しい塗料を選ぶ事」が必要です。
この記事では、新築時にALCの外壁にリシン吹き付けが施されている外壁の塗替えでどのような塗料を選ぶべきかの付いて解説をします。
ALC外壁+リシン吹き付けは、教科書的に少し問題?
ALC外壁にリシン吹き付けがしてある場合、少々問題があります。
ALC外壁の塗装には本来トップコート塗装が正しい選択だからです。
ALC外壁は水に弱いという特徴があります。
ですから、雨水を浸透させてしまうリシン吹き付けなどの塗装は、教科書的には良くないのです。
ではどうしたら良いのかと言うと…
この場合の塗り替え用の塗料選びは2つあり、ほんのちょっとした決断が必要になります。
リシン吹き付けの塗り替え専用塗料を塗る
1つ目の塗料選びは、既存塗装のリシン吹き付けに従って決めます。
既存の通りにリシン外壁の特徴を生かした専用塗料を塗ります。
この場合のリスクは、本来の意味でALC外壁には適さない事です。
とは言え、塗り替え前の現状で著しくALCが劣化していなければ問題は無いでしょう。
※リシン外壁は「ジョリパット系外壁の一種」というカテゴリーです。
その塗り替えの注意点については下記記事で詳しく解説しています。
トップコート塗装に変える
2つ目の塗料選びは、ALC外壁の塗装に適した塗装方法に変えます。
水に弱いALC外壁の特徴に備え、雨水を通さない塗料に切り替えるわけです。
この場合のリスクは、雨水がどこかからALC外壁にまで浸透してしまうとトップコート塗装が剥がれる可能性が出ることです。
リシン下地やジョリパット系下地の上にトップコート塗装を塗ると、実際にはごく稀ですが上記のように入った水分が水蒸気になって塗膜を破ることがあります。
とは言え、それほど多くはありません。
あらかじめそのリスクがあることが分かっていて選ぶ場合には諦めが付くでしょう
※外壁ではありませんが、塗料が剥がれる仕組みを解説している記事はこちらになります。
決め手は現状の汚れの状態と風合い
どちらの塗料を選んでも、実際には大きなリスクではありません。
では「決め手」をどこに捉えるかのお勧めは、現状の汚れの状態になります。
ALC外壁とリシン吹き付けの組み合わせの「汚れ」
ALC外壁とリシン吹き付けの組み合わせの汚れとは、コケ汚れの事。
外壁が緑色に変色していたら、それは外壁に育ったコケです(厳密には地衣類と言います)
この場合、ALC外壁にもリシン吹き付けにも水分が吸収されるので、モルタル外壁同様にコケが生えやすい「場合」があります。
このコケ汚れの程度が「気になってしまう場合」や「次回から生えない方が良い場合」には、トップコート塗装に変更した方が良いでしょう。
水分の吸収が抑えられるので、それまでよりはコケが生えにくくなります。
ただ、コケの生えやすい環境と生えにくい環境があるので、現状でコケが多く無い場合には予防的にトップコート塗装に切り替える必要はありません。
※外壁にコケが生えてしまう理由などは下記記事で詳しく解説しています。
リシン吹き付けの「風合い」
リシン吹き付けの見た目の特徴として、艶消しの落ち着いた風合いが挙げられます。
トップコート塗装を塗る場合には基本的に艶有りになります。
もしも「ピカピカした外壁が嫌い」な場合には、リシン吹き付け専用塗料で塗る方が良いでしょう。
又はトップコート塗装でも、艶消し添加剤を入れる事で艶を落とす事が出来ます。
※艶有り塗料を艶消しにする場合の注意点は下記記事に詳しく書いています
ALC外壁とリシン吹き付けの業者選び
ALC外壁とリシン吹き付けの外壁塗装を行う時の業者選びの注意点は「トップコート塗料だけを勧める業者に依頼するのは止めた方が良い」という点です。
状況を正しく判断出来る業者に依頼する事が必要です。
まとめ
ALC外壁とリシン吹き付けの外壁塗装では、雨水を弾くトップコート塗装で塗るか…リシン吹き付け専用塗料で塗るか…迷う事も多いでしょう。
最終的にはメリット・デメリットをより深く理解した上で決断する事が重要かと思います。
そのためにこの記事が役立てたなら嬉しいです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。