ジキトーン御影は、日本ペイントの御影石調仕上塗材です。
日本ペイントでは石材調吹き付け材とは言わず「天然石模様仕上げ塗材」という名称となっています。
ジキトーン御影の特長
- 天然石模様の仕上がり
着色骨材(陶磁器質砕粒、大理石砂)を使用し、御影石の風合いを演出します。 - 高級感あふれる仕上がり
厚さ2.5mm以上となり立体感のある重厚な仕上がりが得られます。 - 耐候性に優れています
接着性、耐候性、耐水性、耐汚染性に優れています。 - 幅広い意匠の演出(シングル目地仕上げ、江戸切目地仕上げ)
湿式工法のため、自由な目地模様・目地割りが可能です。
ジキトーン御影が施工出来る下地
ジキトーン御影はコンクリート、モルタル、ALC、ブロック 等の下地に施工が出来ます。
※ただし、ALC外壁では使用量の多い江戸切り目地仕上げは避けた方が良い。
(ALC板の強度がそもそも弱いため)
ジキトーン御影の仕上げ方法
ジキトーン御影には石粒の仕上げ方が2種類と、目地の仕上げ方が2種類あります。
複色仕上げ(JW)と単色仕上げ(JS)
ジキトーン御影(JW)のA材とB材を交互に数工程に分けて吹き付けます。
カタログの複色江戸切目地仕上げの例ではA材5回とB材2回の合計7回に加え、仕上げのクリヤー塗装が2回となっています。
何層にも分けて吹き付けるため、立体感と高級感がより出ます。
ジキトーン御影(JS)を最低2回吹き付けます。
※目地を付けない場合(JSにはA材・B材は無く、同じ材料を使います)
層を分けない事でコストを抑える事が出来ます。
ジキトーン御影の色見本
ジキトーン御影ベースJS・JWの見本色です。
- ジキトーン御影ベースJSは単色仕上げ
- ジキトーン御影ベースJWは複色仕上げ
ジキトーン御影の施工方法
施工は吹付けのみ
ジキトーン御影は吹付け施工専用の材料です。
ローラーやはけで施工が出来ません。
吹付け | ローラー | はけ |
---|---|---|
◯ | × | × |
◯:適 △:可 ×:不適
工程
仕上げ例① 複色江戸切目地仕上げ
- 下地調整
大きな継ぎ目・段差を補修する - 下塗り ニッペアンダーフィラーS(目地用)
- 目地出し設計に従い、目地割りをして墨出しをする
- 専用目地棒を墨にそって貼り付ける
- 捨吹き ジキトーン御影ベースJW A材を1回塗り
塗装方法は吹き付け(希釈率3.5~5%) - 下吹き ジキトーン御影ベースJW A材を1回塗り
塗装方法は吹き付け(希釈率1.5~3%) - 玉吹き ジキトーン御影ベースJW B材を1回塗り
塗装方法は吹き付け(希釈率1.5~3%) - 戻吹き ジキトーン御影ベースJW A材を1回塗り
塗装方法は吹き付け(希釈率1.5~3%) - 目地取り 主材表面が乾燥する前に目地棒上部の離型紙を取る
- サンダーがけ 24時間以上の乾燥後にサンダーをかける
- 目地棒貼付け 生じた粉じんを除去し、専用目地棒を張り付ける
- 下吹き ジキトーン御影ベースJW A材を1回塗る
塗装方法は吹き付け(希釈率1.5~3%) - 玉吹き ジキトーン御影ベースJW B材を1回塗る
塗装方法は吹き付け(希釈率1.5~3%) - 戻吹き ジキトーン御影ベースJW A材を1回塗る
塗装方法は吹き付け(希釈率1.5~3%) - 目地取り 主材表面が乾燥する前に目地棒上部の離型紙を取る
- サンダーがけ 24時間以上の乾燥後にサンダーをかけ、生じた粉じんを除去する
- 目地仕上げ 目地棒を除去
- 上塗り ジキトーンUクリヤー塗装(2回塗り)
塗装方法①ローラー:希釈率 40 ~ 60 %
塗装方法②吹き付け: 希釈率 50 ~ 80 %
2. 単色江戸切目地仕上げ 設計に従い、目地割りをして墨出しをします。 専用目地棒を墨にそって貼り付けます。 捨吹き ジキトーン御影ベースJSを1回塗ります。 塗装方法は吹き付けです(希釈率1.5~3%)。 上吹き ジキトーン御影ベースJSを1回塗ります。 塗装方法は吹き付けです(希釈率1.5~3%)。 主材表面が乾燥する前に目地棒上部の離型紙を取り、 24時間以上の乾燥後にサンダーをかけ、生じた粉じんを 除去し、目地棒部分に張り付けます。 上吹き ジキトーン御影ベースJSを1回塗ります。 塗装方法は吹き付けです(希釈率1.5~3%)。 主材表面が乾燥する前に目地棒上部の離型紙を取り、 24時間以上の乾燥後にサンダーをかけ、生じた粉じんを 除去し、目地棒を取り除きます。 上塗り ジキトーンUクリヤーを2回塗ります。 塗装方法は希釈率 40 ~ 60 %の場合はローラーです。 希釈率 50 ~ 80 %の場合は吹き付けです。
ジキトーン御影を新築時に施工する工程は以下の順です。
- 下地調整材:ニッペアンダーフィラーS
- 中塗り材:ニッペジキトー御影 ベース(2回塗り)
- 上塗り材:ニッペジキトーン UVクリヤー
適用下塗り材 (目地着色材)
アンダーフィラーS(目地用)
(ダークグレー、ライトグレー)
(下地の状態により仕様が異なる場合があります。)
適用上塗り材
ジキトーンUクリヤー
使用量、1缶当たりの塗り面積
ジキトーン御影は
品名 | 使用量(kg/m²/回) | 1缶当たりの塗り面積(m²/缶) |
---|---|---|
ジキトーン御影ベースJS | 5.75(2回塗り) | 3(2回塗り) |
ジキトーン御影ベースJW | 5.70(4回塗り) | 4(4回塗り) |
ジキトーン御影の材工設計価格
一般的な設計価格は材料や工賃込みの単価です。
ただし、300平米以上の現場の場合になるので、一般住宅にはあまり当てはまりません。
仕上げの種類 | 材工価格 |
---|---|
単色仕上げ (目地なし) | 7770円/平方メートル (5工程) |
単色仕上げ (シングル目地) | 10000円/平方メートル (9工程) |
単色仕上げ (江戸切り目地) | 16470円/平方メートル (13工程) |
複色仕上げ (目地なし) | 8480円/平方メートル (7工程) |
複色仕上げ (シングル目地) | 10720円/平方メートル (11工程) |
複色仕上げ (江戸切り目地) | 18490円/平方メートル (17工程) |
一般住宅用 ジキトーン御影の材工設計価格
下記の表は少量の塗装から広い面積までの単価3段階に分かれています。
- 一般住宅の場合、一部だけがジキトーン御影の場合は50~99(平米)の単価が参考になります。
- 全面がジキトーン御影の場合は、100~299(平米)の単価が参考になります。
※詳細(施工上・安全衛生上・取り扱い上の注意事項)につきましてはカタログ・塗装仕様などでご確認ください。※使用量、塗り坪は標準的数値です。被塗物の形状・素地の状態・気象条件などで幅を生じ増減します。