エスケー化研の外壁塗装用塗料【製品カテゴリーの分類】

エスケー化研

建築仕上材の総合メーカーとして、シェア50%以上を占める、エスケー化研株式会社

日本ペイント関西ペイントなどの大手有名メーカーには規模として及ばないものの、戸建住宅のメンテナンス(=外壁塗装)に限定すれば最大手であることに間違いありません。


ただ、私たち外壁塗装業者でも、エスケー化研の全商品について詳しく調べる機会というのはあまりありません。

そこで今回、あらためてエスケー化研の製品群をまとめて整理してみたいと思い、まとめてみました。

目次

エスケー化研の製品カテゴリー


エスケー化研の製品はホームページ上では下記の10種類に分けられています。
今回は一般住宅や小規模の集合住宅の外壁塗装工事に関わる8つのカテゴリーについての解説です。

  1. 外装用仕上材
  2. 外装用塗料
  3. 内装用仕上材
  4. 塗床材
  5. 鉄部用塗料
  6. 屋根用塗料
  7. 屋上塗膜防水材
  8. 下塗材・下地調整塗材

残りの2つのカテゴリーは耐火被覆材と責任施工製品です。
こちらは外壁塗装では取り扱わない製品なので割愛させて頂きます。

では上記8種類の

外装用仕上材

外装用仕上材とは、主にモルタル外壁を作る時に行う下記3工程のうち、②主剤塗りの材料です。

外装用仕上げ材
  1. 下塗り
  2. 主材塗り外装用仕上材
  3. 上塗り

主材塗り=外装用仕上げ材では、吹付けローラー塗りこて塗りなどで各種の凹凸模様を付ける材料のことです。

色は基本的に後で着色するので白系です。
ただし、材料によっては色が付いていて②の工程と③の工程が1回で済む材料もあります。

建築材料メーカーの団体では一般的にこのカテゴリーは「建築仕上げり材」というように「塗り材」だけをまとめていますが、エスケー化研の場合はこのカテゴリーに「シート建材」を含めているため、外部の仕げ塗材とシート建材をまとめて「外装用仕上げ材」としています。

エスケー化研では外装用仕上材のカテゴリーを、用途別に以下の12種類に分けています。

  • 複層塗材(硬質)
  • 複層塗材(弾性)
  • 単層弾性塗材
  • 薄付仕上塗材
  • 厚付仕上塗材
  • 装飾仕上塗材
  • マスチック塗材
  • 打放しコンクリート用塗材
  • 陶磁器タイル用塗材
  • 土木用塗材
  • 遮熱工法
  • シート建材

外装用塗料

外装用塗料とは、各種外壁仕上げの3工程のうち、上塗りの部分の材料です。

外装用仕上げ材
  1. 下塗り
  2. 主材塗り=外装用仕上材
  3. 上塗り


外壁用塗料では主に、吹付けローラー塗り刷毛塗りなどで各種外装材の表面を覆い彩ります。

仕上材と塗料との違いは、その厚みです。
外装仕上材は、一定の厚みがあり模様(パターン)を作るデザイン的な意味合いがあります。

外装用塗料は、外壁用仕上げ材より薄く表面保護の分部を担当するので、トップコート(表面コーティング)と表現されます。

エスケー化研では外壁仕上げの上塗り材用の塗料を一「外壁仕上げ用塗料」と名付けていますが、この塗料を内装に使っても仕上がり的には問題ありません。また、他のカテゴリーに分類されている塗料の中には内外部兼用の塗料もあります。
(ただ、臭気を伴う弱溶剤系と溶剤系の塗料の場合には室内で使う場合には注意が必要です)

エスケー化研では外装用塗料のカテゴリーを、薄め液(溶剤)の種類により以下の3種類に分けています。

  • 水性塗料
  • 弱溶剤形塗料
  • 溶剤形塗料

内装用仕上材

内装用仕上材は、厚みがあり模様を作ることが出来る「仕上塗材」と、厚みが無い上塗り用の「内装用塗料」に分けられます。

厚みのある「仕上塗材」は以下の2種類

  • 意匠系塗材
  • 天井材

厚みの無い「内装用塗料」には以下の2種類があります。

  • フラットペイント
  • クロス塗り替え

塗床材


塗床材とは、主に工場や倉庫、オフィス・学校の床部分と、レジャー施設などの地面部分に塗る材料です。
塗床材の主な役割は以下の通りです。

  • 床の美観や冷たい感じを抑える役割
  • 人や荷台、フォークリフトなど多く通行する場所で床の摩耗を抑え保護する役割
  • 公共的な建物で使われることが多く、塗床材自体の耐久性が必要になります
  • 塵や埃が残らないように容易に清掃が出来る防塵性
  • 工場や実験室などでの耐薬品性
  • 教室・病院などでは硬質の床よりも疲労を軽減させるための弾力性
  • 雨上がりなど、床のスリップ防止のための防滑
  • 改修工事では速乾性・低臭・施工性など


エスケー化研では、塗床材のカテゴリーを、用途別に以下の5種類に分けています。

  • 厚膜型
  • 薄膜型
  • コンクリート表面強化材
  • 導電型抗菌型

鉄部用塗料


エスケー化研では「鉄部用塗料」とまとめていますが、実際は鉄部に限らない「各種金属系下地用塗料」になっています。そんな鉄部も含めた金属系の下地は、下地の種類に応じて適切な材料と塗り方を選ばないといけません。ですからコンクリートなどの無機系下地と同様に、きちんとした調査と判断を行うことが大切です。

エスケー化研の総合さび止め工法では、鉄・亜鉛メッキ・アルミニウム・ステンレス・ホーローの各種金属系の素地に応じて適正な塗料選びが出来るように豊富なラインナップが揃っています。

塗装の下地と塗料の選択の例は以下の通りです。

  • 鉄部用 一般塗装仕様(一液弱溶剤形さび止め)
  • 鉄部/非鉄金属部用 高級塗装仕様(一液弱溶剤形さび止め)
  • 鉄部/非鉄金属部用 高級塗装仕様(二液弱溶剤形さび止め)
  • 鉄部/非鉄金属部用 高級塗装仕様(強溶剤形さび止め)
  • 鉄部用 オール水性仕様(水性アクリルさび止め)【SK水性サビガード工法
  • 鉄部用 オール水性仕様(水性エポキシさび止め)
  • 非鉄金属部用塗装仕様
  • ホーロー鋼板用塗装仕様



エスケー化研では、「鉄部用塗料」のカテゴリーに、錆び止め塗料8品目と、上塗り塗料4品目を入れています。

※このうち「ST」表記の塗料は、特に【JIS5659 鋼構造物用耐候性塗料】の認証を取得し、公共建築工事標準仕様書・公共建築改修工事標準仕様書 (耐候性塗料塗りDP仕様)に対応する目的の塗料です。
一般住宅の塗装の場合の上塗り塗料の選択では、この4品目以外の塗料以外でも適している塗料があります。

屋根用塗料

エスケー化研の「屋根用塗料」のカテゴリーには、主にスレート屋根とトタン屋根に塗装をする時用の塗料がラインナップされています。
屋根用塗料には、弱溶剤系(油性)と水性塗料があり、強溶剤系(油性)はエスケー化研のラインナップにはありません。

エスケー化研では屋根用塗料のカテゴリーを以下の3種類に分けています。

  • 遮熱塗料
  • 高耐久性塗料
  • トタン屋根用塗料

このうちトタン屋根については、遮熱塗料や高耐久性塗料でも弱溶剤系(油性)であれば塗装が可能となっています。(水性系の塗料は不可)

※1. アスファルトシングル屋根に塗装をする場合には、下塗り材を水性シングルサーフで塗装する事で高耐久性塗料のカテゴリー内「水性ヤネフレッシュ艶消し」が塗装可能です。(水性ヤネフレッシュ艶有りを塗った場合艶ムラが発生しやすくなります)

※2. 塩ビ鋼板(塩化ビニルフィルムラミネート鋼板)に塗装を行う場合には、下塗り材をビニタイトプライマーで塗装する事で、屋根用塗料でトタン屋根に適合した上塗り塗料の全てが塗装可能になります。(ビニタイト工法

屋上塗膜防水材

屋上塗膜防水材とは、屋上・ルーフバルコニー・ベランダのコンクリート面などに使用する防水材です。主にこて塗りやゴムベラなどを使い、屋上面からの雨水の侵入を防止します。

防水材には色々な種類がありますが、エスケー化研の防水材【SKK屋上塗膜防水シリーズ】は下記の3種類の商品構成となっています。

  • アーキルーフUA(一般的なウレタン防水系)
  • 水性アーキルーフ(水和凝固型塗膜防水材)
  • クールタイトHI工法(ウレタン系+超低汚染型遮熱塗料)

このうち超低汚染と遮熱塗料の組み合わせのクールタイトHI工法は、

エスケー化研ならではの材料と言えるでしょう。

下塗材・下地調整塗材

下塗材

外装用の下塗材とは、コンクリート・モルタル・ALCパネル・サイディングその他の塗装したい下地に、次に塗りたい主材が吸い込まれないようにする役割と、両者の接着材の役割として塗られる材料です。

「下塗り」とも言いますが、「シーラー」と呼ばれたり「プライマー」とも呼ばれることもあり、少々分かり辛いのが難点です。

下塗材のタイプには、水性・弱溶剤系・溶剤系の3種類がそれぞれあります。

色は透明又はシロ(乳白色)が大半で、一部グレーと黒もあります。
用途はそれぞれの下地に適応する万能型と、個別の下地や上塗りに適したものが揃っています。

下地調整材

外装用の下地調整塗材とは、上記下塗材を塗る前に不具合がある又は不具合がおきそうな場合に調整するために使う材料です。

使用下地は主に、コンクリート・モルタル・ALCパネルに使います。

JIS規格で定められている「建築用下地調整塗材」では、セメント系下地調整塗材・合成樹脂エマルション系下地調整塗材・セメント系下地調整厚塗材の3種類に分けられています。

工事の方法は主に、吹付け・ローラー塗り・こて塗りなどで、0.5㎜~1㎜程度の標準仕様と、3㎜~10㎜の厚塗り仕様です。


下地調整材のタイプは、ほとんどが水性系ですが、若干弱溶剤系と溶剤系のものもあります。
色はシロとグレーが多く、透明はありません。
用途は下塗材と同様、それぞれの下地に適応する万能型と、個別の下地や上塗りに適したものが揃っています。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【塗料の種類・色選び】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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