当然、手抜き工事に関する事はありますが、それ以外にも「法律を守って工事を行うこと」については意外と無視されがちです。
ですから、手抜き工事と同様に工事費以外の手続きや費用についても、きちんと守るようにしましょう。
実際には今回の決まりを全て正しく守っている工事は少ないのも事実です。
工事の手抜きを指摘する前に、法律を守って工事を行う事が大切ですね。
外壁塗装の【工事の前に】必要な届け出
以下の届け出や手続きが必要か?は見積りの時に確認して、工事費用に入れてもらわないといけません。
大抵の業者では「手続きの手抜き」をして違法に足場を組んでしまうのです。
この項目が見積りに入れてあるかどうか?を業者選びの基準にしても良いかもしれません。
道路使用許可
正しい工事を行うには、道路使用許可や交通誘導員の設置が必須になります。
道路使用許可と交通誘導員の費用は、おおむね10万円以上は掛かります。
道路使用許可を取らないで作業をしていると、110番通報をされてしまう事も多くなっています。
道路占用許可
また、建物が道路側の敷地いっぱいに建っている場合には下記のようにならざるを得ない事もあります。
- 側溝の縁に足場が建つ
- 側溝の上に足場が乗る
- 路上アスファルトの上に足場が建つ
このような場合は、敷地をはみ出して足場が建っている事になります。
道路占用許可を取る場合は、道路使用許可を取っていないと許可が下りないのでセットになります。
(トラックを止める場所が私有地の場合は除く)
道路占用許可申請の方法
所轄警察署に納付する費用は、各都道府県により違いますが、おおむね2千円台です。
しかし、手続きには書類・図面の作成や現地測量・写真撮影などを行い、管轄警察への届け出が必要です。
道路占用許可申請の代行
(行政書士ではない、一般の会社などが道路使用許可申請や道路占用許可申請の代行をすることは違法行為となりますのでできません)
行政書士に依頼する費用
道路使用許可申請、道路占用許可申請、足場設置許可申請などの道路交通法規に関する代理、代行を専門とするさくら行政書士事務所です。
警視庁(東京都)の道路使用許可申請の代行の費用
申請書および各種添付資料の作成のみを代理する場合 ¥20,000~(消費税別)
道路使用許可申請書および各種添付資料の作成、所轄警察署への申請までを代理する場合 ¥30,000~(消費税別)(警察支払手数料、交通費などを含みます)
道路使用許可申請書および各種添付資料の作成、所轄警察署への申請、許可証の受け取りおよびお届けまでを代理する場合 ¥35,000~(消費税別)(警察支払手数料、交通費などを含みます)
電気の引き込み線の電線防護管設置
この「感電防止措置」=絶縁用防護具のことを一般的に電線防護管と言います。
さらに電線防護管は、道路上を通っている電線の近くに足場が建つ場合にも必要です。
電柱間を通っている高圧線や低圧線、変圧器・開閉器などに足場が降れる可能性がある場合には、事故が起きた場合に近隣一帯が停電してしまう可能性もあります。
足場を掛ける外壁塗装では、電柱から家に入る電線があります。
この電線が足場を通る部分には防護管を設置しなければいけません。
電線防護管設置の方法
地域の電力会社に問い合わせをすれば、特に難しい事はありません。
事前に電力会社と現地で打ち合わせがあり、防護管を取り付ける日程を決めます。
電線防護管設置の代行
電線防護管設置の代行は防護管リース会社で行っている場合もありますが、特に難しい事は無いので代行を依頼する必要は無いかと思います。
電線防護管設置の費用
電線防護管設置の費用は、電力会社への経費と防護管リース会社への費用があります。
(防護管を持っている場合はリース会社への支払いは不要)
東京電力の場合の費用
基本単価 取付・取外等の協議+基本工事費用 1件 47,000円
加算単価 高圧線用防護管取付・取外し費用 1本 940円/低圧線用防護管取付・取外し費用 1本 630円/機器用防護管取付・取外し費用 1基 25,000円/
緊急工事費用 1件 12,000円
電線防護管リース料
<価格表>計算例
- ☆65径10本、100径メッシュ10本を32日間利用の場合 {(14円×10本)+(30円×10本)}×32日×消費税(8%)=15,206円 ☆35径、10本を61日間利用の場合
6円×10本×61日=3,660円 税抜き料金が5千円未満なので、諸手数料2千円をいただき {(6円×10本×61日)+2,000円}×消費税(8%)=6,112円引用:多摩電気工事株式会社
工事中に守らなければならない法律上の決まり
「安全第一」ですから、これも遵守してもらわなければなりません。
ですが、安全を守るためには少々手間が掛るのも事実。
いえいえ、安全は作業効率よりも大切ですから、決まりはちゃんと守らなければなりません。
足場
建設業で発生する死亡労働災害のうち、約45%は、墜落・転落災害によるものです。
墜落・転落災害を防止するため、厚生労働省では、足場からの墜落・転落災害の一層の防止のため、「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱」を策定し、この中で、
労働安全衛生規則(※)の確実な実施に併せて実施することが望ましい「より安全な措置」等を示しています。
- 足場からの墜落防止措置の実施
- 「手すり先行工法」及び「働きやすい安心感のある足場」の採用
- 足場の安全点検の確実な実施
チェックリストや資料は、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱の改正について
墜落制止用器具(旧名称:安全帯)
労働安全衛生法改正により2019年2月1日から安全帯の規格が変更となり、フルハーネス型安全帯が義務化されます。
- 「安全帯」が「墜落制止用器具」に変更されます
- 墜落制止用器具は「フルハーネス型」を使用することが原則となります
- 「安全衛生特別教育」が必要となります
墜落制止用器具の選定について
2022年1月2日以降に使用する墜落制止用器具は以下の要件を満たしている必要があります。
- 一般的な建設作業の場合は5mを超える箇所では、フルハーネス型を選定する
- 使用可能な最大重量に耐える器具を選定する
- ショックアブソーバは、フック位置によって適切な種別を選択する
まとめ
工事で職人の「手抜き」を心配する前に、管理でこれらのことを行わない「手抜き」があっては元も子もありません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事では下記の点についてまとめてみました。
この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。
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