「新築から10年経ったのでそろそろ外壁塗装をしなきゃいけない時期かな?」とは知っていても、出来ればギリギリまで引き伸ばしたい」と思うもの…
しかし「タイミングが遅すぎてしまい、もう少し早くやっておけば良かったのに」という事になったら大変ですよね。
外壁塗装をすれば100万円単位の出費になりますから、費用対効果の高い「出来るだけ後で・遅すぎない=適切な時期」に行いたいものです。
ただし、素人判断では「家の傷み」とは何なのか分からない事も多いでしょう。
もしかしたら間違った判断や知識で判定してしまうかもしれません。
そこでこの記事では下記のポイントに沿ってお伝えします。
- 外壁の劣化症状をチェックする場所・部位
- その部分がどのようになっていると劣化のサインなのか?
- 劣化の程度と危険度
ではこれから、実例写真を交えて分かりやすく解説していきます。
まずは家の外部全体のチェックをする
劣化していくのは外壁だけではありません。
実際「外壁塗装」というのは下記の部位も範囲に入ります。
せっかくですのでまず最初に「家全体」のチェックも年に1度くらいはチェックしてみると良いと思います。
チェックする場所とポイント
チェックする場所や、どのようにチェックしたら良いかは以下の通りです。
外壁塗装の見積りを取る時に業者がチェックするポイントを簡略化して挙げてあります。
- 全体のチェック
外観を眺めて、違和感が無いかを確認する - 屋根のチェック
屋根が見える所まで遠くに行き、屋根全体を見渡す - 外周のチェック
家の外周をぐるっと一周して違和感が無いか確認する - 外壁のチェック
外壁の東西南北の各面を1面ずつ見渡して、違和感が無いか確認する - 雨どいのチェック
雨どいは、傾斜の歪みを中心に外れている所や違和感が無いか確認する - 軒裏のチェック
軒裏に黒ずみなど無いか・違和感が無いかを確認する - バルコニー床面のチェック
バルコニー床面が防水加工されている場合、亀裂や剥がれが無いか・違和感が無いか確認する
外壁の劣化のポイント
家全体のチェックが終わったら、外壁の細かいチェックをします。
一口に「外壁」と言っても、色々な外壁や劣化の症状があります。
① チョーキング(塗装の寿命)
外壁の劣化診断で最も分かりやすいのが、この「チョーキング」です。
チョーキングとは塗装の寿命が尽きて、粉のように(チョークのように)手に付く状態です。
こうなってしまうと、外壁表面で水を弾けていません。
素材が水を吸ってしまい劣化が進んでしまいますので、外壁塗り替えが必要になります。
チョーキングをチェックする場所は太陽の良く当たる場所
チョーキングをチェックする場所を間違えてしまうと、正しい確認が出来ません。
下記のような、家の外壁で劣化の激しい場所を選んで確認しましょう。
チョーキングを確認する場所① 一番適しているのは2階・3階のバルコニーの外側
バルコニーの外側の壁は、家の外で一番太陽光が当たる場所に作られている筈です。
さらに屋根も無いので、日差しは良く当たり・雨水もよく当たるという条件の厳しい場所なのです。
ただし、バルコニーの外側を手で触るのはちょっと危険です。
怖いなと思ったら次の場所でチェックしてください(くれぐれも安全第一でお願いします)
チョーキングを確認する場所② 二番目に適しているのは2階・3階のバルコニー内側の外壁
バルコニーに出て振り返って触れる場所で、日差しが良く当たっていそうな場所を選んで外壁を触ってチョーキングしているか確認してみて下さい。
チョーキングを確認する場所③ 1階バルコニーの下の外壁など
上記の場所にあまり良い場所が無かったら、1階の南側や西側の外壁で比較的陽射しが強く当たる場所を触ってみましょう。
良くある例:北側の1階でチョーキングのチェックをしてはいけない
上記のように、よく太陽光と雨が当たる場所では外壁の劣化が進みます。
反対に北側の1階にはあまり太陽光は当たらないでしょう。(雨は当たるかもしれませんが)
ですので、良くある例で、玄関先の外壁が北側にある場合、触りやすい場所でチョーキングのチェックをしてしまうと、
② モルタル外壁のヒビ割れ
モルタル外壁のコンセプトは、外壁に継ぎ目を作らないことです。
ただモルタル外壁の場合、継ぎ目が無く硬い外壁を作ることで、
地震などで家全体が揺れた時には、力が掛ってねじれたところ・揺れに弱いところにヒビ割れが入ってしまいます。
築10年のモルタル外壁には、写真のようなヒビ割れが何か所かはあるものです。
このような細いヒビ割れなら、10年程度は大騒ぎしなくて良い無い場合がほとんどです。
ただし、10年を過ぎたら、目視出来ない部分の確認のために足場を掛けて点検する必要があります。
例えば下記のような太いヒビ割れがあっても足場が無いと見えない場所にあったら、放置しては危険です。
もちろん、このようなヒビがあれば築年数が浅くても放置してはいけません。最低でも応急処置でヒビを埋める必要があります。
外壁にヒビの入りやすい場所
外壁に入るヒビで多いのは窓・サッシなど、外壁の開口部からのヒビです。
写真資料のように、窓からのヒビは、斜めに入るのが特徴です。
サイディングパネル外壁のコンセプトは、外壁にヒビ割れを作らないことです。
③ コケや汚れなど見栄え上好ましくないもの
建物の北側にコケが生えている場合や、窓の両脇などに雨染みによる外壁の汚れが出ている場合、
ツタなどの植物が外壁を覆ってしまっている場合などによって外壁塗装の時期に気づく場合も多いものです。
汚れが気になってくるのはおよそ築10年経った頃の筈ですから、この機会に他の部分の不具合が無いかなどをチェックしてみると良いでしょう。
④ サイディング外壁のシーリングの劣化
サイディング外壁のヒビ割れは、モルタルの外壁のように「どこに入るか分からない」というような事になりにくい代わりに、外壁をパネルで貼り合わせた継ぎ目に必ず出ます。
各サイディングパネルの継ぎ目の目地は、シーリング材で埋めてありますが、このシーリング材は、10年程度で劣化してしまいます。
つまり、サイディング外壁はあらかじめ継ぎ目にヒビが入る設計になっているとも言えます。
いくらサイディングパネルが長持ちしても、目地に亀裂が入ってしまえば、雨水が奥に入ってしまいますので、
サイディング外壁の目地は10年程度で必ず交換が必要になります。
ですから、サイディング外壁の場合の外壁塗装の目安は、「目地の亀裂」が第一のチェックポイントになります。
⑤ 塗料のハガレ
外壁に塗ってある塗料が剥がれていれば、塗っていないのと同じです。
下地の外壁素材が劣化してしまい、腐る・欠ける・反るなどの不具合が進んでしまいます。
それ以外にも、そもそも手抜き工事だったのではないか?という疑惑が生じ、
その他のまだ剥がれていない部分や、足場が無いと見えない部分がどうなっているのかまで心配になります。
⑥ ツタ
外壁のツタ(蔦)は直接の外壁劣化には繋がらないように思えませんが、いざ撤去しようとすると、とても大変です。
ツタの撤去だけを頼みたくても依頼先はほぼありません。
ツタが外壁を劣化させてしまう一番のポイントは、ツタを撤去する時に初めて分かります。
ツタが壁に張り付ている部分はものすごく強力で、ツタを引っ張って取ろうとすると外壁の塗装も一緒にハガレてしまうのです。
さらに、外壁に残った蔦の根っこは、取ろうとしても完全には取れません。
外壁以外の劣化
⑦ 鉄部の錆び
鉄部の剥がれは写真のように、錆びが原因だと止める事が出来ません。
また、錆びていないのに薄皮がめくれるように剥がれている場合には、工事の失敗か手抜きが原因ですが、
基本的には、錆びが原因という事がほとんどです。
サビが進行すると、次第に鉄そのものが無くなってしまいます。
発見次第、早い段階で適切な処置が必要になります。
また、錆びた雨水が流れてた先で外壁を汚していく事も有り、二重の被害になってしまう事もあるので要注意です。
⑧ 屋根関連の不具合(コケ・ハガレ・雨どいの詰まりなど)
屋根にコケ?と思われるかもしれませんが、
築10年を過ぎると屋根にもコケが生え始めます。
主に北側の屋根に多く、15年を過ぎると一面がコケだらけになってきます。
また、前回の塗装の不具合で屋根に塗ってある塗装が剥がれている場合もあります。
どちらも雨水が浸透した屋根材が反ったり割れたりする原因となり、直接の雨漏りと言うよりも二次的な雨漏りの原因を引き起こします。
「近所で工事をしていたのだけれど、お宅の屋根がおかしいので親方に言われて来た」
という怪しい営業方法が流行っています。
本当にお隣で工事をしていない限り、屋根の不具合が近所から見える事はまずありません。
インチキ営業マンか、悪質な業者の可能性が高いのでご注意下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事で下記のような外壁の劣化の状態や兆候を見逃さなければ、適切な外壁塗装の時期が見極められます。
また、冒頭でも書きましたが、築年数が浅くてもこのような症状が出ている場合があります。
出来れば半年に1度くらいはご自宅の廻りを見回ってチェックしてみてください。
あと、今回の記事を参考にして頂き、訪問販売の業者の「親切を装う営業」に引っかからないようにして下さいね。