この記事では外壁用仕上げ材のトップメーカー「エスケー化研」についてまとめてあります。
エスケー化研は一般的には無名のメーカーかもしれませんが、実は外壁塗装の分野でのシェアは日本ペイント・関西ペイントを抑えてトップのメーカーです。
外壁塗装の塗料を選ぶ時に、怪しい三流メーカーのペンキを塗られてしまっては困ります。
外壁塗装の見積りで「エスケー化研」の塗料を使う時に、実はプロ用の塗料では一番売れているメーカーだと知らないと「エスケー化研なんて知らないメーカーで大丈夫かしら?」と心配になってしまうかもしれませんね。
しかし実はエスケー化研は日本ペイント・関西ペイントよりも、外壁塗装の分野ではメジャーなメーカーなのです。
外壁塗装の塗料を検討する時に、一般の方・初めて外壁塗装をする時にエスケー化研の事が良く分かるように解説をしています。
「エスケー化研って聞いたこと無いけど、どんな会社なの?」と思っている方の参考になればと思います。
エスケー化研の会社概要
エスケー化研は建築仕上材の総合メーカーとして、特殊素材、壁装材、無機材料および化学化成品分野に至るまで、幅広く活動を行っています。
- 1958年04月に設立され36年後の1994年10月に株式を上場
- 建築仕上塗材事業の中でも特に外装に強く、建築仕上げ塗材では国内最大手
- 装飾用、内装用でも高いシェアを持ち、その他耐火被覆材、断熱材などの建材も手掛けています
海外展開にも積極的で、中国各地を始め、シンガポール、マレーシア、香港、韓国、タイ、ベトナム、インド、インドネシアに事業所を構え、、「メガロアジアNO.1、オンリーワン企業」を目指しているワールドワイドな企業です。
エスケー化研の成り立ち
エスケー化研は建築仕上塗材で54%のシェア
エスケー化研が建築仕上げ材の分野でトップシェアと言うのは業界内ではよく知られています。
2009年に建築仕上塗材の国内シェアは50%を超え、2015年には54%のシェアを持つに至っているのです。
まずはそんなエスケー化研の軌跡を創業物語風にご紹介しましょう。
エスケー化研の前身は「四国化学研究所」
1955年大阪市北区で、現在は代表取締役会長である藤井 實氏が22歳の時に【四国化学研究所】として3名で創業しました。
業務内容は塗料用廃液溶剤類の蒸留精製と建築用下塗材の製造販売です。
創業時から産業廃棄物を再生させることに目を向けている発想力が「無から有を生じる」というエスケー化研のモットーにも繋がっているそうです。
四国化学研究所の「四国」とは?
エスケー化研の「エス」はSIKOKUのSで、「ケー」はKAKENのKです。
では、その「四国」なのですが、てっきり「四国地方」の四国だと思っていたのですが、そうでは無く、【北海道・本州・四国・九州】の4つの国という意味だそうです。
藤井会長は兵庫県出身で、とりわけ四国地方の繋がりは無いようです。
無機発泡剤の開発
1963年には【四国化研工業株式会社】と改称。
1974年の第一次オイルショックの時に、新たな原材料を求めて藤井社長はインドに向かいます。
インドでは収穫が無かったものの、無限にある砂を見て「これで製品が作れないか?」という発想を得たそうです。
そこで帰国後には有機から無機へと事業分野の開拓を始めます。
結果、不燃セラミックの開発に成功し、通産省より重要技術研究開発補助金を受けるなど、ここでも「無から有」の視点が活かされることとなります。
「無から有を生み出す」
1991年に社名を【エスケー化研】と改称し、1994年にはジャスダック市場に上場しました。
無機製品の開発は、セラミックハイブリッドの超低汚染塗料「セラタイトシリーズ」や現在の主力製品である意匠系塗材「ベルアート」としてエスケー化研を支え続けています。
エスケー化研の本社
2005年には創業50周年を向かえ、2009年に建築仕上塗材の国内シェアがついに50%を超えます。
国内の営業拠点は北海道から沖縄まで全国44ヶ所、工場が7ヶ所、研究所が2ヶ所、海外では中国を始め、アジア各国に現地会社を設立しています。
現在は総合建築仕上材、新化学建材、自然素材など、先端技術を用いた研究開発を通じて「メガロアジアNO.1、オンリーワン企業」を目指しています。
エスケー化研の会社データ
本社所在地 | 大阪府茨木市中穂積3-5-25 |
設立 | 1958年4月17日 |
事業内容 | 【建築仕上塗材事業】各種内外建築用塗料、合成樹脂塗料、特殊塗料、無機質系塗材、無機質建材の製造販売及び特殊仕上工事の請負【耐火断熱事業】不燃断熱材、耐火被覆材、耐火塗料の製造販売及び耐火断熱工事の請負【その他の事業】新型化学建材、各種化成品、省エネ型建材等の製造販売 |
資本金 | 26億6,200万円 |
会社沿革 | 1955年(昭和30年):会社創業。大阪市北区において四国化学研究所を創立し、塗料用廃液溶剤類の蒸留精製、建築用塗料製品の製造販売を始める1963年 (昭和38年):社名を四国化研工業株式会社と改称する1991年(平成3年):社名を「エスケー化研株式会社」に改称1994年(平成6年):本社移転 大阪証券取引所JASDAQ市場に上場 |
社名の由来 | もとの社名、四国化学研究所株式会社の四国(sikoku)より、エスケーとした。 |
役員
- 代表取締役会長
藤井 實 - 代表取締役社長
藤井 実広 - 専務取締役
坂本 雅英 - 取締役
藤井 訓広
福岡 透
伊藤 義之
長澤 啓三
竹内 正博
片岡 秀人 - 常勤監査役
本竜 坦道 - 監査役
古越 浩二
濱名 正二
エスケー化研の国内拠点
エスケー化研の営業所
エスケー化研の国内営業所は以下の構成となっています。
- 本社・SKKグローバルセンター(大阪府)
- 北海道 2拠点カ所(札幌支店・旭川営業所)
- 東北 5拠点(仙台支店・青森営業所・盛岡営業所・郡山営業所)
- 関東 9拠点(東京支社・城東営業所・三多摩営業所・群馬営業所・水戸営業所・宇都宮営業所・千葉支店・横浜支店・厚木営業所
- 中部 10拠点(新潟営業所・長野営業所・松本営業所・静岡営業所・浜松営業所・名古屋営業所・三河営業所・北陸営業所・岐阜営業所・三重営業所)
- 近畿 5拠点(大阪支店・京都支店・神戸支店・南大阪営業所・姫路出張所)
- 中国・四国 5拠点(広島支店・岡山営業所・山口営業所・高松営業所・松山営業所)
- 九州・沖縄 8拠点(福岡支店・北九州営業所・大分出張所・長崎営業所・熊本営業所・宮崎出張所・鹿児島営業所・沖縄営業所)
支社が1拠点・支店が9拠点・営業所が30拠点・出張所が3拠点で、合計44拠点です。
気になるところで言うと、意外なことに四国には高松営業所と松山営業所しかありません。
また、中部には営業所しか無いですね。
エスケー化研の工場
エスケー化研の国内工場は、以下の7カ所にあります。
- 大利根工場
- 埼玉工場
- 神奈川工場
- 名古屋工場
- 大阪工場
- 兵庫工場
- 九州工場
国内の最北が大利根工場なのが少し意外です。
研究所
エスケー化研の国内研究所は、本社・グローバルセンターと同じ大阪府茨木市に第1技術研究所と第2技術研究所があります。
エスケー化研の海外拠点
エスケー化研の海外拠点は以下の38拠点となっていて、国内拠点とそう変わらない数があります。
海外に力を入れているのが良く分かります。
- シンガポール(2拠点)
- マレーシア(5拠点)
- 香港(1拠点)
- 中国(18拠点)
- 韓国(2拠点)
- タイ(3拠点)
- ベトナム(2拠点)
- インド(3拠点)
- インドネシア(2拠点)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
我々塗装業者が使うメインの材料「建築仕上材」の国内シェアの約半分を供給しているエスケー化研についてお伝えしました。
最後にポイントをまとめてみると
- エスケー化研は下塗り材からスタートした
- 無機材を使った開発で発展した
- 海外に国内同様の力を入れている
という感じです。
皆さんの参考になったでしょうか?