【間違い注意】アクリル塗料のネット情報によくある7つのウソ

【アクリル塗料の誤情報】外壁塗装のネット記事7つの間違い

ネット上のアクリル樹脂塗料の解説は、間違いだらけなので注意が必要です。

以下に間違いを挙げておきます。

アクリル塗料の誤情報
  1. 【色が鮮やか】な特徴は特に無い
  2. 【カラーバリエーションが豊富】な特徴も特に無い
  3. 【塗膜が硬くひび割れが起きやすい】ことも特に無い
  4. 【強溶剤を塗られるかも?】という心配は必要は無い
  5. 【強溶剤アクリル塗料はシーラーが要らない場合も?】というのは有り得ない
  6. 【アクリル塗料は誰でも使いやすい】というのは論点が違う
  7. 【アクリル塗料は歴史が長いので種類が豊富】という事実は無い
目次

ネット上のアクリル塗料の情報は間違いだらけ

ネット上にある「アクリル樹脂塗料」の解説のうち、明らかに間違っている部分の修正です。

7つありますので順に解説します。

ネット情報の間違い①【アクリル塗料は色が鮮やか】

綺麗な色の鮮やかな色

アクリル塗料の特徴として、他の樹脂の塗料と比較して【色が鮮やか】という事はありません

→おそらくアクリル絵の具の情報を誤解していると思われます。

アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など、どのグレード塗料でも同じ鮮やかさの色は出せます
(水性塗料はどの樹脂でも原色系は出しにくい傾向ですが…)

ネット情報の間違い②【アクリル塗料はカラーバリエーションが豊富】

カラーチャート

アクリル塗料の特徴として、他の樹脂の塗料と比較して【カラーバリエーションが豊富】という事もありません

色の豊富さは樹脂以外の特徴によりあります

これも上記同様で、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など、どのグレード塗料でも同じ色が出せます
(水性塗料だとどの樹脂でも上記同様に出ない色があります)

ネット情報の間違い③【塗膜が硬くひび割れが起きやすい】

外壁のヒビ割れ

アクリル塗料が他の種類の塗料と比べて【塗膜が硬くひび割れが起きやすい】ということも有り得ない言い回しです。

→おそらくアクリルパネルのイメージでWebライターさんが書いたのではないでしょうか?
 又はウレタン塗料が「柔らかい」と思っているのかもしれません。

硬くヒビ割れしやすい塗料なんて「エイジング用塗料」以外に聞いたことがありません。
(どこをどう調べたら、そのような文章に辿り着くのか知りたいです)

ネット情報の間違い④【強溶剤を塗られるかも?】

外壁のヒビ割れた家

「強溶剤のアクリル塗料を塗られてしまうかもしれない」と書いてありますが、情報が古過ぎます。

→この話は「もう都市伝説化した死語」のようなものです。

実際には強溶剤のアクリルエナメル塗料は、もうほとんど手に入りません
塗料のグレード化が進んでいた頃(2010年頃)には誰も強溶剤アクリル塗料を吹き付けていませんでした。

SKアクリルカラー
現在入手可能な強溶剤アクリル塗料 SKアクリルカラー

ネット情報の間違い⑤【強溶剤アクリル塗料はシーラーが要らない場合も?】

強溶剤アクリル塗料はシーラーが要らない場合もある」という謎の記載も見かけました。
これもよくある誤情報の1つです。
この原因は、プラモデル塗装の情報との混同です。

確かに塗装のことを知らないWebライターさんが、ネットで「アクリル塗料」のことを調べようとして検索をすると、プラモデルのアクリル塗料についての情報が出てきてしまいます。

その中に「下地(プラスチック)を溶かしながら付く」というのがあるのですが、実はそれは「プラモデル塗料」の種類の中でも【エナメル塗料】のことなのです。

プラモデルでもアクリル塗料は下地を溶かさないので、二重に間違っていますね。

もしも今、強溶剤アクリル塗料を塗ることになった場合、絶対にフィーラー・サーフェーサー系の下塗りが必要です。

ネット情報の間違い⑥【アクリル塗料は誰でも使いやすい】

アクリル塗料は1液型塗料が多いので、誰にでも使いやすい」というのは、「アクリル塗料だから」では無く「1液型塗料だから」なので、話がすり替わっています。

これも結構複数のサイトに書いてありましたが、論点がおかしいです。

間違いというよりはトンチンカンな言い回しだな、という感じです。

しかも、これはメリットではありません
めんどくさがりの職人」が1液型塗料を好む傾向にありますので…。

ネット情報の間違い⑦【アクリル塗料は歴史が長いので種類が豊富】

アクリル塗料は歴史が長いので種類が豊富」な気もしてしまいますが、現状で「アクリル樹脂塗料」を探す方が大変なくらいです。

もしかしたら「アクリルシリコン樹脂」もアクリルにカウントしているのかも知れません。

前出の通り、シリコン塗料の場合…含有量の違いでバリエーションが豊富に出来ます。
ですから今は、シリコン塗料が一番多くなっています

まとめ

今回のネット記事の間違いをも明らかにWebライターさんがしてしまいそうな「あるあるネタ」です。

まとめる意味が有るのか分かりませんが、記事として増えてしまったので記事をまとめてみました。
参考にしてみて下さい。

ネット記事の間違いの指摘

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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