アクリル塗料とは?溶剤形アクリル樹脂塗料との違い

アクリル塗料を塗る少女
目次

アクリル樹脂塗料の概要

アクリル系の合成樹脂が主な成分として作られている塗料全般のこと。
一般的には樹脂を省いて「アクリル塗料」と呼ばれる。
日本ペイントのパーフェクトトップはアクリル樹脂塗料なので「アクリル樹脂は最近使われない」とは言えなくなった。

※強溶剤型の【溶剤形アクリル樹脂塗料】は、昭和~平成初期頃までは外壁塗装の主流でしたが、現在はほぼ販売終了しています。
下記記事にてアクリルエナメル塗料が使われなくなった経緯を書いています。

アクリル樹脂塗料の特徴

  • 他の樹脂の塗料より安価
  • 「シリコン塗料」のベースになっている
  • ラジカル制御型の塗料がある(ニッペパーフェクトトップ)

目的・用途

  • 住宅用の塗装用途ではどんな場所でもカバーできます。
    (屋根・外壁・塩ビ部分・鉄部など)
  • 溶剤型アクリル塗料は、耐候性、耐水性、耐アルカリ性、耐油性にすぐれていることから、コンクリート生地の上塗りや床用塗料として用いられています。
  • 水性アクリル塗料は外装用途では使われる機会が減りました(前出のパーフェクトトップ以外)
  • 内装用の塗料ではウレタン樹脂やシリコン樹脂の必要が無いため、アクリル樹脂塗料がまだまだ健在です。

アクリル塗料の種類

  • アクリルエマルジョン塗料(主に内部用)
  • 反応硬化型アクリルエマルジョン塗料(主に外壁用)
  • アクリル樹脂エマルション系砂壁状仕上塗材(リシン/スタッコ吹き付け)

この他、外壁塗装用下地(パターン付け)用のアクリルゴム系の塗装材にもアクリル系があります。

アクリル樹脂塗料の歴史

  • アクリル樹脂塗料を一般住宅の塗装として使うようになった初めは、外装用のアクリルリシンです。
    おおむね1960年代になると、木造住宅の外壁が板壁からモルタルに代わるようになります。
    その外壁に砂壁状の外壁材としてリシン吹き付けが主流になり始めます。
    (それ以前は、プラスター吹き付け・セメントリシン吹き付けでした)
  • ほぼ同時期にアクリルエマルジョン塗料も発売されます。
  • 1970年代に入るとリシン外壁に代わり強溶剤のアクリルエナメル塗料の吹き付けが流行し始めます。
  • 2004年のオウム事件により強溶剤のアクリルエナメル塗料が使えなくなりました。

ここまでは外壁は吹き付け塗装が中心で、ローラー塗装はこの後始まります。

  • 2005年以降、急きょアクリル系単層弾性塗料で外壁塗装をローラーで塗るようになります。
  • 時代の流れと需要により水性の外壁塗料がメインになると共に、アクリルシリコン塗料がメインになり始めます。
  • 2001年に発売されていた水性セラミシリコンが高級塗料として注目され、爆発的ヒットを飛ばし、時代はセラミック塗料・シリコン塗料などへ移行していきます。
  • こうして「アクリル樹脂塗料=古い・寿命が短い」などのレッテルが貼られるようになりました。

アクリル樹脂塗料に関連することがら

アクリルシリコン樹脂

シリコン塗料は、シリコン樹脂ベースの塗料にシリコンが入った塗料です。

アクリルシリコン樹脂という樹脂は無いので、本来は「アクリルベース・シリコンブレンド樹脂」とでも呼ぶべきかもしれません。
でもやっぱりそれでは長過ぎますね(笑)

類似のもの・似ているもの
  • エポキシ樹脂
  • ウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂)
  • シリコン樹脂
  • フッ素
  • 無機
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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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