足場とは
「足場」とは、建設工事をするための「足掛かり」の事です。
主に高くて手が届かない高所の作業をするたに仮に作る構造物なので「仮設足場」とも呼びます。
足場は主に鋼材のパイプが多く使われています。
過去には丸太も使われていましたが、今はほとんど使われていません。
また、中国では高層ビルの足場でも「竹」が今でも使われています。
足場の 用途
- 外壁を工事するための足場(新築工事・外壁塗装工事)
- 内装工事用の足場(室内の吹き抜け天井・階段室などのクロス・電気工事)
- 吊り足場(高速道路・歩道橋など)
- 高所作業車(信号・電気工事など)
- ローリングタワー(体育館・講堂など)
外壁塗装用の足場の種類・特徴
- 丸太足場
(丸太だけで組む足場:今はもうほとんど使わない) - 単管足場
(丸太の進化版・パイプだけで組む足場:ペンキ屋さんが外壁塗装をする時に自分たちで掛けて使う事が多い) - 単管ブラケット一側足場
(単管の柱に棚板を乗せるように足場板を置いた「足場」を作り、そこに載って作業をする) - くさび緊結式足場/ビケ足場
(新築や外壁塗装工事出現在主流の足場:柱にあらかじめ差し込み口が付き、くさび式のパーツを打ち込んで作るので、組み立て・解体がとても速い) - 枠組足場/ビティ
(高層の建物で使われる)
くさび緊結式足場(ビケ足場)の特徴
「くさび緊結式足場」は正式名称ですが、一般的には「ビケ足場」と呼びます。
※以下、一般的に呼ばれている「ビケ足場」と記します。
ビケ足場の見た目の特徴は主に以下のような点です。
- 柱に凸状の突起が沢山ついている
- 作業用の床が網目状になっている
- 柱から床を支える三角形の棚受け金物が付いている
ビケ足場の用途
現在戸建住宅に架ける足場は、ほとんどがビケ足場になっています。
住宅工事用足場は、軒の高さ10m未満の木造家屋等低層住宅の建築工事に使用される足場です。
ビル工事用足場は、高さ45m以下のビル工事等の建設工事に使用される足場をいいます。
ビケ足場は以前30mまででしたが、現在は45mまで組めるようになり、枠組み足場と同じ性能になっています。
ビケ足場のメリット
ビケ足場の主なメリットは以下の通りです。
- しっかりとした「作業用の床」があり、他の組立て部材も安全作業性が良い
- 設置場所の環境(狭さ)の自由度が高い
(狭いところでも比較的掛けられる) - 組み立て・取り外しがハンマー1つで可能なため作業性が良い
- 規格・寸法が決まっているので、作業効率が良く短時間で組み・外しが可能
- 各種便利な部材があるので、設置の自由度が高い
ビケ足場のデメリット
以下のようなデメリットは有りますが、それよりも「安全性」のメリットの方が勝るので「足場=ビケ足場」のようになっています。
- 規格が決まっているので、自由度が損なわれる事も有る
- 資材が重く重労働
- 資材が重く、搬入・搬出時に周囲の物(床・フェンス・植木・その他)にぶつけてしまい破損事故が起きやすい
- 資材を積み重ねた時に、丸太や単管(パイプ足場)と比較すると場所を取るので、資材運搬のトラックが大きくなる(一般住宅用で3トン車がメイン)
- 組み・外し作業時にハンマーで叩く金属音が響き騒音が出る
- 過当競争と人材不足で海外の派遣作業員が多くなっています
枠組み足場とは
枠組み足場の特徴
枠組み足場とは「門・鳥居」の形をした2つの枠を上部で足場となる板を渡して「柱と屋根」を作り、グラグラ揺れないように「×型の筋交い」で固定します。
このパーツを1組として、上下左右に組み立てて足場を組んでいきます。
枠組み足場は主に大型建築物の足場を組むのに使われます。
枠組み足場のメリット
- 枠組み足場のメリットは、大型物件に特化しているところです。
- 地上である程足場を組んで、そのひと固まりごとクレーンで持ち上げて組み立てて行くことが出来ます。
- 解体時も組んだままのブロックごと地上に降ろします。
- ビケ足場のようにハンマーで叩いて締める事が無いので騒音が少ない
(枠組み足場は基本的に「差し込み式」で固定します)
枠組み足場のデメリット
- 枠組み足場のデメリットも、大型物件に特化しているところです。
- 現状では10階建て程度のビルでは枠組み足場はあまり使われません。
(現場にクレーンが常駐するような現場で使われる感じです)
- 現状では10階建て程度のビルでは枠組み足場はあまり使われません。
単管足場とは
単管足場の特徴
単管足場とは「鋼材のパイプ=単管」を中心に「クランプ」という固定金物などを使って作る足場です。
単管抱き足場
「単管抱き足場」とは、柱として建てたパイプの両側に2本の単管を挟み込みます。
その2本のパイプの上に乗り作業を行います。
パイプの上に載るので不安定のようですが、2階建ての外壁塗装工事程度であれば、必要にして十分とも言えます。
ただし…安全性ではビケ足場にかないませんので、今はほぼ使われていません。
単管ブラケット足場
「単管ブラケット足場」とは、柱として建てたパイプにブラケットを取付け、その上に足場板を載せて作る足場です。
安全度は単管抱き足場と比較してグッと上がりますが、手間が掛ります。
安全度も費用的な部分でも、ビケ足場に軍配が上がってしまうので、こちらも使用される機会がほぼありません。
単管足場のメリット
- 単管足場のメリットは、小型物件に特化しているところ
- 特に柱を建てる位置と足場の段の高さに関しては、自由度が高く好きな位置に設定出来る
- 狭いところでも設置する事が出来る
- 単管パイプやクランプなどの部材が軽い
- 組み立て・解体時の騒音が少ない
- パイプやクランプをコンパクトに積み重ねることが出来る
単管足場のデメリット
- 単管足場は大型物件には向いていません
- 特に単管抱き足場には作業用の床が無いので安全性が低い