電線防護管設置に関する法律と各電力会社による注意喚起

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電線防護管設置のための法律

この記事では【電線防護管設置に関する法律と各電力会社による注意喚起】について解説します。

外壁塗装を行う際に、足場が電線に近いと接触事故に繋がります。
もちろん足場と電線が接触していればとても危険です。

そのため、国の法律で今回紹介するような基準が設けられています。

この記事を検索で探して読んでくれたのは、足場を建てる時に電柱や電線が近くにあって心配な事業者や施主の方が多いと思います。

記事の前半では電線防護管設置に関わる法律の紹介をし、後半では各電力会社などの注意喚起資料をまとめておきました。

「法律があるから」ではなく、安全な工事のために必要な処置を行うように徹底しましょう。

この記事の信頼性と独自性の理由

外壁塗装職人の2代目で、塗装の技術や塗料の知識は全て体験談です。今は年間300棟以上の家を診断する外壁塗装の専門店を経営。記事は全部自分で書いているので、ライターが書いている他の記事とは正反対の「リアルな内容」も多め。(プロフィール

目次

電線防護管とは?

電柱から家までの空中を通る電線に触れると感電の恐れがあり、この危険を避けるために感電防止措置(絶縁用防護具の装着等)を講じなければなりません。

この「感電防止措置」=絶縁用防護具のことを一般的に電線防護管と言います。

さらに電線防護管は、道路上を通っている電線の近くに足場が建つ場合にも必要です。

電柱間を通っている高圧線や低圧線、変圧器・開閉器などに足場が降れる可能性がある場合には、事故が起きた場合に近隣一帯が停電してしまう可能性もあります。

電線防護管設置のための法律

労働安全衛生法第29条の2・関連労働安全規則第634条の2

法第29条の2の厚生労働省令で定める場所は、次のとおりとする。

  1. 土砂等が崩壊するおそれのある場所(関係請負人の労働者に危険が及ぶおそれのある場所に限る。)
  2. 土石流が発生するおそれのある場所(河川内にある場所であって、関係請負人の労働者に危険が及ぶおそれのある場所に限る。)
  3. 機械等が転倒するおそれのある場所(関係請負人の労働者が用いる車両系建設機械のうち令別表第7第3号に掲げるもの又は移動式クレーンが転倒するおそれのある場所に限る。)
  4. 架空電線の充電電路に近接する場所であって、当該充電電路に労働者の身体等が接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるもの
    (関係請負人の労働者により工作物の建設、解体、点検、修理、塗装等の作業若しくはこれらに附帯する作業又はくい打機、くい抜機、移動式クレーン等を使用する作業が行われる場所に限る。)
  5. 埋設物等又はれんが壁、コンクリートブロック塀、擁壁等の建設物が損壊する等のおそれのある場所(関係請負人の労働者により当該埋設物等又は建設物に近接する場所において明かり掘削の作業が行われる場所に限る。)

労働安全衛生法第20条第3号・関連労働安全衛生規則第349条

(工作物の建設等の作業を行なう場合の感電の防止)
第349条

事業者は、架空電線又は電気機械器具の充電電路に近接する場所で、工作物の建設、解
体、点検、修理、塗装等の作業若しくはこれらに附帯する作業又はくい打機、くい抜機、移動式クレー
ン等を使用する作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が作業中又は通行の際に、当該
充電電路に身体等が接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各
号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。

  1. 当該充電電路を移設すること。
  2. 感電の危険を防止するための囲いを設けること。
  3. 当該充電電路に絶縁用防護具を装着すること。
  4. 前三号に該当する措置を講ずることが著しく困難なときは、監視人を置き、作業を監視させること。

労働安全衛生規則 第2編 第10章 通路、足場等(第540条-第575条)

(鋼管足場に使用する鋼管等)
第560条

事業者は、鋼管足場に使用する鋼管のうち、令別表第八第一号から第三号までに掲げる部材に係るもの以外のものについては、日本産業規格A八九五一(鋼管足場)に定める単管足場用鋼管の規格(以下「単管足場用鋼管規格」という。)又は次に定めるところに適合するものでなければ、使用してはならない。

  1. 材質は、引張強さの値が三百七十ニュートン毎平方ミリメートル以上であり、かつ、伸びが、次の表の上欄に掲げる引張強さの値に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値となるものであること。(表)
    肉厚は、外径の三十一分の一以上であること。
  2. 事業者は、鋼管足場に使用する附属金具のうち、令別表第八第二号から第七号までに掲げる附属金具以外のものについては、その材質(衝撃を受けるおそれのない部分に使用する部品の材質を除く。)が、圧延鋼材、鍛鋼品又は鋳鋼品であるものでなければ、使用してはならない。

各電力会社などの注意喚起資料まとめ

参考資料として各電力会社・協会からの資料を集めてみました。

東北電力

「感電事故の防止」(東北電力株式会社)(PDF容量:2.9 MB)

東京電力

感電災害を防ぐために – 東京電力

関西電気保安協会

高圧受電設備周辺で作業される方へ 高圧電気事故の防止対策について

中部電力パワーグリッド

電線の近くで作業される方へ

中国電力ネットワーク

防護管の取付について | 中国電力ネットワーク

経済産業省 九州産業保安監督部

足場組立作業で電線に接触する事故が続発しています

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【雑学・考察・豆知識】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

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この記事を書いた人

高橋良一のアバター 高橋良一 花まるリフォーム株式会社代表

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営20年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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