外壁塗装の見積りを取ったら、ある業者の見積りだけに「道路使用許可申請費」と「交通誘導員費」という項目がありました。
しかも、交通誘導員だけで12万円もします!
(交通誘導員=警備員のこと)
他の見積りにはそんな項目は無いし、お隣さんが先月外壁塗装工事をした時にもそんな事はして無かったし…
この業者が一番真面目でキチンとしていたから、ここで決めようと思っていたのに…
あなたがこのように思っているなら、きっとこの記事は役に立ちます。
外壁塗装で道路使用許可を取るなんて、聞いたことが無いかもしれませんね。
でも、今後は足場工事と道路使用許可申請はセットで考えるように、必ずなっていきます。
そして、道路使用許可を取らなかったばかりに、余計な費用が発生してしまう可能性は、年々高まっているのです…
今回の記事では、道路使用許可を取らなかった時のデメリットを「110番通報があった時」というシチュエーションでお伝えします。
結論から言うと110番通報があれば、最低でも追加費用が10万円~35万円前後掛かります。
そして…
- あらかじめ何事も無いように道路使用許可を取っておくか
- イチかバチかで取らずに行くか…
それはあなた次第なのですが、読み終えて頂ければ、上記の真面目でキチンとした業者が正しい理由が分かります。
なぜ道路使用許可が必要なのか?については下記の記事をご参照ください。
今までは道路使用許可を取らなくても良い風潮だった
大切なので2回言います。路上駐車は違法なので、必ず道路使用許可を取る必要があるのです。
確かに2020年現在では「一般道で交通量の多くはない道路」では、まだ違法な路上駐車で工事を行うのが通例になっています。
正直、道路使用許可を取ると結構な費用が掛かります。
「お互い様」なのだから必要無いでしょう…と思いたい気持ちはヤマヤマですし、誰も余計な費用なら掛けたくないものです。
110番通報があった後の概要
警察が来たからと言って逮捕というのは無いでしょうが、トラックを違法駐車のままで見過ごすわけにはいきません。
とにかく移動を命じられます。
トラックが違法駐車でなくなればその件は一件落着ですが、それだけでは収まりません。
- トラックにある資材が遠くに行ってしまい足場が組めなくなります
- 当日の足場組み作業は中止になると、足場代金が重複します
- 結局、道路使用許可を取るので費用は掛かります
- 外壁塗装工事自体が延期になる事もあります
- 契約条件次第では損害金の請求が業者から来る事になります
実際のデメリットについて、順番に解説していきます。
110番通報は誰がする?
正義感が強いのか意地悪なのかは分かりませんが、路上駐車はいけない事なので通報するのは正しい行為です。
- 近隣住民の方
- 道路を塞がれて迂回させられたドライバー
「誰も通報なんてしないよ」とは行かないので、実例として初めに解説しておきます。
近隣住民の方
足場を立てるときにはカンカンと部材を叩く音がします。
その音が耳障りだと思う方も少なからずいるので、そうに感じた方が110番する場合もあります。
その他、以下のような場合の以前からのトラブルが原因になるようです。
- 新築時のトラブル
- 土地購入時のトラブル
- 落ち葉や雪が飛んでくるなどのトラブル
- 騒音
- ゴミ出し
道路を塞がれて迂回させられたドライバー
とは言え、その対応でも許せないドライバーさんがいても仕方がありません。
移動したとはいえ、急いでいたのかもしれないし、何か機嫌が悪かったのかもしれません。
何にしても業者の方は違法駐車なのです。
まして、トラックを動かさずに他の道へ迂回させられたとなれば、イライラは増してしまいます。
110番通報があったら、実際にどうなる?
ではここからは、足場工事が始まってから110番通報が実際にあったらどうなるか、パターンごとにシミュレーションをしてみます。
パターンがある理由は、110番通報後に警察が来るタイミングによって、その後の対応がとても変わるからです。
足場を組み始めた早い段階で警察が来た場合:当日の作業は中止
110番通報があると必ず警察官が職務として来ます。
当然ですが、作業を中止してトラックを移動するよう指示されます 。
トラックを置ける場所が無いので路上に置いている訳ですから、移動の場所は無いでしょう。
足場を組み始める前や組み始め直後の場合は、もうその日の作業は出来なくなるので足場工事は中止するしかありません。
足場が組めなくなった後で掛かる費用
工事業者との打ち合わせ内容や契約条件にもよりますが、工事が予定通り進まなくなった時でも円満に進むことは少ないです。
つまり、大なり小なりトラブルになります。
トラブルの元は、追加料金の発生に関してです。
足場が全く組めなかったこのパターンが最も追加費用が掛かってしまいます。
- 職人のキャンセル料
- 足場工事が出来なくなった当日分のキャンセル費用(約6万円~10万円程度)
- 塗装工事も翌日から開始する予定なので職人手配のキャンセル費用(約10万円程度)
- 道路使用許可の申請費(平均7万円程度)
- 交通誘導員の人件費(必要人数による:1名約2万円~2.5万円)
費用負担と事前説明
見積り・契約時に事前説明があれば、費用は施主であるあなたの負担になります。
そうであれば責任の所在がハッキリしていてトラブルにはなりにくいですが、そのような説明をする業者はそうそういません。
大抵の業者の対応は以下のようになります。
- このような事が今まで1度も無かった
- 不測の事態なのでしょうがない
- 予想出来るハズが無い
と言うでしょうし、施主側であれば…
- こんな風になる事があるなんて聞いてない
- プロなんだから予測できて当然なのに…
- 予定が狂ってしまい、こっちが迷惑
と思うに違いありません。
リフォームでトラブルになる原因の1番は見積り以外の費用の発生です。
足場を組んでいる途中で警察が来た場合
- 足場を組み立てる前・組み立ててすぐに警察が来た場合
- 残りの資材を何とか降ろし、足場を最後まで組むことが出来る場合(荷卸し場所がある場合)
- 当日の足場が組み終わるまでは許してもらえた場合
足場を組み立てる前・組み立ててすぐに警察が来た場合
とにかく違法なのだから、警察からはトラックを今すぐ移動するように指示されてしまいます。
足場の組み立ては中途半端でも、それ以降の作業は中止です。
そして前項のように、全ての工程は仕切り直します。
一旦トラックはどこかへ移動して、中途半端な足場を何とか崩れないようにだけ整えて帰るしかありません。
その後の展開は前項と同じになります。
足場組立の中盤以降に警察が来た場合
残りの資材を何とか降ろせれば資材は一旦敷地内に降ろし、トラックは移動、残りの足場組み立ての作業を続行して足場は完成させます。
この場合工事全体ののストップは無く、その後の行程は予定通り進めます。
追加費用には前項程大きくはなりませんが、それでも大きな出費には変わりありません。
足場の組立が終わりそうな時に警察が来た場合
足場が組み終わるまで見逃してもらえる事があるかもしれません。
残りの足場組み立ての作業を続行して、足場は完成させます。
この場合も工事全体のストップは無く、その後の行程は予定通り進みます。
110番通報があったが、足場は組めた場合の追加費用
この場合の事後処理は、足場撤去時のための道路使用許可の手続き交通誘導員費です。
追加料金は以下の通りで、おおむね10万円~になります。
- 道路使用許可の申請費(平均7万円程度)
- 交通誘導員の人件費(必要人数による:1名約2万円~2.5万円)
- 足場業者によっては、足場組立時の資材の荷卸し人件費が別途請求される場合もあります
道路使用許可を取らなかった時の罰則
路上駐車は違法ですから罰則があります。
道路使用許可が必要であるにもかかわらず使用許可を取得しなかった場合は、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられます。
ですからもしも110番通報があった場合は、必ず足場の撤去時までに道路使用許可を取る事になります。
道路使用許可を取らないリスクは年々高くなる
さて、まとめです。
この記事では、外壁塗装で道路使用許可を取らずに足場のトラックを路上に停めていた場合に起きること、について以下の順にお伝えしました。
最後に、道路使用許可を取らないリスクは年々高くなるという話です。
昔から110番をするのが好きな人というのはいましたが、今後の傾向としては通行を滞らせてしまったドライバーからの110番通報が増えて行くと思います。
その理由は2つ
- 時間に余裕が無く忙しい人が増えて、通行の邪魔をされるとイラつく事も増えていく
- スマホからすぐに110番通報が出来る
まあ、通報される理由は有っても無くても…道路使用許可を取らずに足場のトラックを路上に停めるのは違法です。
費用は掛かりますが、外壁塗装で【道路使用許可】が必要なケースは減りません。
路状況によっては仕方の無い事と諦めるしかありません。
今後は業者選びの条件として、きちんと道路使用許可が取れる業者なのか?が問題になるでしょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事では下記の点についてまとめてみました。
この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。
興味がありましたら、他の【 】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。
この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。
まだ読んでいないのでしたら「外壁塗装で【道路使用許可】が必要なケースが増えている理由と費用の目安」という記事も読んで頂けると有りがたいです。