注文住宅で家を建てた場合の雨漏りでは、工務店が一生懸命修理をしようとしてくれても全然直らない場合があります。
この記事では【完全に雨漏りを直す方法】をお伝えします。
ただし、その方法は「大ごと過ぎる」と感じるかもしれません。
しかし、現状で雨漏りが直らないのであれば、工務店もあなた自身も「もっと簡単に直せるのでは?」と思っている事が雨漏りが直らない一番の原因かもしれません。
ですから、雨漏り修理で一番難しいのは「雨の入り口を見つけること」ではなくて、「雨の入り口を見つける為に、ガバッと家の内壁から外壁までを解体していく決意をすること」なのです。
とは言え、ガバッと壊す決意が出来るには5年~10年掛かるのが一般的です。
大抵の場合は「とりあえず怪しいところを修理してみよう」となります。
その場合は【完全に直らない可能性がある】という決意で工事を行わないと、後でトラブルの元になりますので注意が必要です。
よくある雨漏りの相談
よくある雨漏りの相談には下記の要素があります。
- 注文住宅で工務店で建てた
- 10年以内に雨漏りした
- 何度調査や補修をしてもらっても直らない
例えばこのような形です。
築9年の家で雨漏りが直らず困っています。
家を建てた工務店が対応しているのですが2年経っても雨漏りが直りません。
先日もコーキング補修をしましたが、今日も雨漏りしました。
このまま工務店に任せていても専門家ではないため、保証期間が過ぎてしまいそうです…
工務店が雨漏りを直せない理由
基本的に雨漏り修理は建てた工務店の担当です。
ここで建てた工務店が雨漏りを直せない理由は簡単です。
本気で直そうとしていないだけです。
大抵の場合は上記のように「コーキング補修」などで雨漏りが止まればありがたい、と思って修理をします。
また、それが「雨漏り修理工事」だと多くの業者や一般の方が勘違いしています。
雨漏りを「確実に本気で直す工事」ではありません。
「雨漏りを確実に本気で直す」には、漏っている周囲の内外を解体する必要があります。
雨漏りは外から何かを埋めて直るものではありません。
この事を工務店さんも内心分かっていても、多分「金銭面」だけでやりたくないのでしょう。
工務店が「確実に本気」で雨漏りを直そうとしない「金銭面+α」の理由
一般的には雨漏りをした時に、工務店が「確実に本気」で雨漏りを直そうとする事は…ほぼありません。
下記のような理由があるからです。
- 工事にお金が掛かるから
- 雨漏りは保証の範囲なので、工事費の請求が出来ないから
- 工事の失敗を叱責されるのが怖いから(嫌だから)
- 工事期間中に、かなり生活の不便を掛けるから
- 修理中に雨が降ると、その雨が室内に入って来るから
「雨漏りの穴」はどこに開いているのか?
(どこを塞がないと直らないのか?)
さて、ここであらためて「雨漏りの穴」について解説をしていきます。
大抵の「雨漏り修理」は【埋めて直す工事】をしようとしますが、雨が入る穴が開いているのは外壁の表面ではありません。
つまりその穴は、外壁の中にある防水シートに開いている穴です。
防水シートに穴が開く原因
防水シートに穴が開いてしまう原因には、下記の3+1の現象があります。
- シートのどこかが、「後天的に」破れて切れてしまった
- シートとシートの合わせ目が「初めから」きちっと塞がっていなかった
- シートとサッシの隙間が「後天的に」切れたか、「初めから」塞がっていなかった
- 唯一、建物の外壁が完成してから後で壁に穴を開けた場合は、穴の表面で隙間を埋めて雨が入らないように防御する事しか出来ません
④はともかく、①②③は、外を埋めて一時的に止める事もできますが、根本的には直っていないことになります。
防水シートの穴がどこに開いているのか、分かりにくい理由
また、工務店は分かっているのでしょうが「雨の入り口を見えるところで塞ぎ、奥の穴に水が行かないようにするうこと」は、構造上かなり難しいのです。
特に「雨漏り」と一般的に言う場合【雨が降ると毎回漏る】という事はほとんどありません。
台風の時や、風向き・雨の吹きつける方向によって「漏る時と漏らない時がある」事がほとんどです。
一定の条件が揃わないと雨水が届かない「見えない穴」を探すのは難しいのです。
雨の入り口が分かりやすい雨漏り
逆に【雨が降ると毎回漏る】ような雨漏りであれば、雨の入り口も「見えるところ」や「分かりやすい場所」から入ってくる事が多いものです。
仮に雨の入り口がすぐに分からなくても、毎回雨が漏る場合には雨の入り口が「必ず水が通る場所」に限られます。
「雨の入り口の穴」を探すための【散水調査】をした時にも、場所の特定がしやすくなります。
解体を伴う「確実で本気の雨漏り修理」とは?
ではここで、解体を伴う「確実で本気の雨漏り修理」の方法について解説します。
工務店がやりたがらない方法なので、色々な意味でかなり大変ですしリスクもあります。
- 雨が漏っている出口の周囲を解体する
- 解体した室内にどこから雨が来るのかを確認する
- 雨の入り口っぽいところから散水して、強制的に雨を漏らせる
- そのまま雨が次に漏るまで待つ
- 雨が漏ってきて通り道が濡れたら、雨の経路を解体しながら辿っていく
(外壁までは壊さない) - 雨の入口の見当が付いたら、そこに散水をして確実に雨が入るのを確認する
- 防水シートを傷付けないように壁をはがして「どこに穴が開いていたのか・何がいけなかったのか」を特定する
- 「雨が漏る原因」を改善して、元通りに普及する
復旧工事の注意点
復旧工事が中途半端になると、そこから雨が漏る場合があるので、それにも注意が必要です。
外壁を途中で区切って解体して埋め戻すと、工事の方法によってはその切れ目から雨が入りやすくなります。
ベストなのは、解体した1面全部の外壁をやり直すことですが、予算が膨らんでしまいます。
そこで、適度な場所で区切りる判断力が必要になってきます。
雨漏りが必ず直る理由
何を言いたいのかと言うと…
新築で家を「柱だけの部分から造ったのに雨が漏ってしまった」のです。
それを、後からどこかを埋めて雨が漏らないように出来る…なんて事が出来たら…その方がオカシイでしょう?
解体していかないと修理は無理という事です。
これを言える業者はもの凄く少ないですが「入口を塞ごうとしても直らない」事の逆説として「どこまでも解体していけば絶対に雨漏りは直せる」ということを理解する必要があります。
保険について
この記事で不確実な情報は発信できませんので、下記の件について保険会社に確認すると良いでしょう。
- 築10年以内
- 建てた工務店がまだある
この場合に保険適用になるのは【建てた工務店だけ】なのか、それとも他の会社で工事をしても保険が適用になるのか?」
築10年未満の注文住宅以外の場合の雨漏り
上記以外のパターン、例えば…
- ハウスメーカーで建てた
- 建てた工務店が倒産していてもう無い
- 10年過ぎていて20年程度経っている家
- 増築・改築などを行っている
- 30年以上経っている
このような場合はこの記事が全部当てはまらないですが、基本的な雨漏りの原因や修理方法は参考になります。
費用負担については、10年以内で瑕疵担保保険に入っていれば保険が適用出来る可能性があり、それ以外は実費負担になるでしょう。