雨漏りをした後でコーキングをして応急処置をして「雨漏りが止まったと」思っても実際はそもそもの雨漏りの原因は直っていません。
コーキング補修をしたとしても、再度その場所から雨が漏って来る可能性がありますし、雨漏りが止まったと思っていたら実は勘違いだった、という事も多いものです。
なぜなら、コーキングでは雨漏りの根本原因までは直せないからです。
ですから、雨漏り修理がコーキングで応急処置をしただけなら、その後も【経過観察】をする事が重要です。
この【経過観察】は修理業者では出来ませんし、特に難しい訳では無いので「心掛け」程度で済む事です。
では、なぜコーキング修理をしたのに「経過観察」が必要なのか?についてと、その方法について解説していきます。
雨漏り修理とコーキング補修の違い
ほとんどの方が雨漏り修理の事を「雨水の侵入口を塞ぐ工事」だと思っているでしょう。
応急処置を行った後には、本格的な修理が必要です。
人の身体は新陳代謝で自然に治癒する能力がありますが、家は自動的には治りません。
一旦応急処置で雨漏り修理が出来たとしても「絆創膏を貼った」程度であれば、根本的な修繕が必要です。
経過観察とは?
経過観察というのは、雨漏りをした後で…
- その場所をその後も注意して観察し
- 何か変わったことがないか?
- 雨漏りが再発していないか?
これらを確認し続けることです。
経過観察をする事に特にデメリットはありませんので、安心し過ぎない事に注意をすれば良いだけです。
では、なぜ経過観察をする理由があるのか?についての3つの理由それぞれについて詳しく解説していきましょう。
コーキング後に経過観察が必要な5つの理由
雨漏りの経過観察をする理由は4つあります。
- コーキングでは元々の雨漏りの入り口を塞げていないから
- コーキングは応急処置だから
- 雨漏り修理が本当に直っているか分からないから
- 雨漏りの周期の問題だから
- 雨漏りの周期の問題だから
①コーキングでは元々の雨漏りの入り口を塞げていないから
ほとんどの方がコーキングで雨水の入り口を塞ぐことを「雨漏りの修理」だと思っていますし、業者に頼んでもほぼその工事の事を「雨漏り修理」だと思って工事をしています。
しかしそのコーキング工事は「取り敢えず雨の入り口を緊急的に塞ぐこと」であって、雨漏りの根本原因を修理する「雨漏り修理工事」ではありません。
「取り敢えず」であると言うことが分かっていてコーキングで応急処置をする事は悪いことではありません。
しかし、その応急処置自体が「雨漏り修理」だと間違った認識であれば注意が必要です。
②コーキングは応急処置だから
コーキングによる「雨漏りの応急処置」をした場合は、「雨漏りの修理工事」をした訳ではありませんから、雨漏りの根本原因は依然残ったままになっています。
ですから、当面そのコーキングで切れている防水シートに雨が行かないように防いだとしても、安心は出来ません。
しかし、ほとんどの方がその方法を採用しないでしょうから、採用される工事の案は上記の通り「応急処置」になります。
応急処置では1回で雨漏りの入り口を当てて行くのは難しいです。
③雨漏り修理が本当に直っているか分からないから
外壁の雨の入り口をコーキング等で塞いだとしても依然として中の防水シートは切れたままですから、もしもコーキングで埋めたところが見当外れだった場合は、絶対に雨漏りは直りません。
そして実際にコーキングをしたところが
- 本当に「雨漏りの入り口」なのか?
- 他にも「雨漏りの入り口」は無いのか?
- その「雨漏りの入り口」をきちんと全部塞げているか?
- 雨漏りは二度と無い可能性もあるから
については、実は確かではないのです。
④雨漏りの周期の問題だから
実際は応急処置が本当は当たっていなくても「雨漏りが止まった!ありがとう」とお礼を言われしまうケースがあります。
これは実際に結構ある事なのですが、事実とは異なる認識です。
例えば、建ててから初めて漏ったのが築15年目の台風だったとします。
その後でコーキングをして「直った」と思っていても、同じ条件の台風が来なければ検証のしようがありません。
ですから、新築時と同じ条件の台風が来たらいつでも漏ったのですが、たまたまいつまでも漏らなかっただけ、という事もあります。
つまり、応急処置を行った後でも…
- それが当たっていたのか?
- 外れていたのか?
その確認が出来ないので、その後も必ず経過観察は続ける必要が有るのです。
⑤雨漏りは二度と無い可能性もあるから
例えば、建ててから初めて漏ったのが築15年目の台風だったとします。
そして、その台風と同じ条件の台風が来るのは、20年に一度だとしたら?
今まで来なかっただけで「実はその台風が来たら必ず漏る」けれど、次にその台風が来るのは20年後かもしれないし、来年かもしれません。
実際に2018年と2019年には「数十年に一度」と言われる台風が何回も来ました。
2018年(平成30年)の台風について(速報):気象庁ホームページより
“記録的な台風”多かった2018年…「猛烈な強さ」最多、発生数や上陸多く甚大被害に:FNN.jp PRIME onlineより
2019年の天候と台風のまとめ(速報):気象庁ホームページより
令和元年台風第15号 / 令和元年台風第19号 / 令和元年10月25日の大雨 :出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ですから新築時時にその台風が来ても漏ただろうし、たまたま15年目に漏っただけという事も言えるのです。
そうなると「数十年に一度の台風」ですから、今後その家に住んでいる間に二度と同じ条件の台風は来ないかもしれません。
経過観察を心掛けておけば、最初に雨漏りした時の状況に似た台風が来た時に警戒する事もできます。
本当に再発するのか?も分かります。
経過観察をする一番のメリット
1回で雨漏りの入り口が塞げないと、2回目の雨漏りが起きます。
そして、2回目の雨漏りがあったときに【経過観察】をしていれば、すぐにその雨漏りに気が付けますね。
すると、その時にその雨漏りの状況をすぐに記録に撮る事が出来ます。
経過観察の一番のメリットはこの「記録を撮る準備」です。
応急処置で直ったと思ってしまえば、2回目の雨漏りは無いと思ってしまいます。
記録も撮る事ができません。
経過観察をする意識があって、記録を撮っておけば次回以降の応急処置の精度も上げる事が出来るのです。
いちいち経過観察をするのが面倒な場合
経過観察をするのが面倒で雨が漏るのも嫌な場合は、根本原因を修理するのが良いでしょう。
少なくとも外壁をある程度解体して、雨の本当の入り口である破れた防水シートを修理する工事です。
雨漏りは起きたら嫌なのに間違いはありませんが、実際に雨漏りしてしまう原因は全て新築工事の時に作られています。
とは言え「雨漏りしない建物」を探して家を買ったり、その条件を第一にして設計士に頼む人もあまりいません。
無い方が良い雨漏りですが、起きてしまったらすぐに根本原因を修理するのが一番です。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事では下記の点についてまとめてみました。
この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。
興味がありましたら、他の【雨漏り】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。