FRPは1960年代に船舶の用途で普及し始めます。
強度・耐水性・成型性に優れているため自動車のバンパー・スキー板やサーフボードなどで使われ始めました。
そもそもは防水材として出来た素材では無かったのです。
住宅で使われるFRP
住宅建材としてはバスタブや洗面台・トイレなどの水回りに多く使用されています。
防水材としては1973年頃に開発され、75年に商品化されましたが、他の防水材と比較するとコストが掛かるため以前はあまり使われていませんでした。
しかし、木造住宅のバルコニーが防水仕様になるにつれ、その需要が増していきます。
おおむね2000年頃からバルコニーの防水材として使われるようなりますが、使われ始めた当初はFRP防水の資材が完備されていませんでした。
木造住宅用バルコニーFRP防水の普及
完成された防水仕様として確立したのは2013年頃です。
は2013年に国土交通省編纂の「公共建築木造工事標準仕様書・平成25年版」に掲載
FRP防水工法発展の歴史より引用
されることになり、FRP防水にとって大きなエポックとなった。従来この仕様には防水工事の章はなかっ
たが「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(2010年公布)等を背景に、10章“防
水工事”として新たに記載された。内容で特筆されるのは、FRP防水技能士の施工義務化となにかと問
題のあった“サッシや水切り等の後付け”の条件化である。
その時期以前のFRP防水は、材料が満足でない部分で既存の資材を流用するしか無く、技術者(職人)の技術的にも不慣れな部分があり2015年頃からそれ以前のバルコニーで雨漏りする事例が出始めます。
2013年以降は使用建材も設計業務・施工技術も確立されたので、今後は雨漏りするFRP防水が減っていく事を期待します。
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※2013年以前のFRP防水は、完全版の材料が無い中で、素材を工夫して作ってあり全てが不良品だという訳ではありません。