プライマーとは?シーラー・フィーラー・サーフェサーとの違いも解説

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プライマーとは?【塗料用語解説】

この記事では塗装用語の中から【プライマー】について解説します。

目次

プライマーの概要

プライマーの概要
  • プライマーは塗装の下塗りで、素材に一番最初に塗る時の塗料
  • 唯一の機能は、素材と次に塗る塗料との接着で、その他の機能は持たないのも特徴
  • 透明で粘度の低い(水のような)下塗り塗料を指すことが多い
  • 床塗り材や防水材系の塗料の下塗り塗料では、塗り替え用の下塗り材でも「プライマー」と名の付く塗料が有り混乱の原因

プライマーとその他の下塗り材の違いについても解説しています。

この記事はこんな人が書いています

塗装職人の父を持つ2代目職人(今は職人は卒業して管理側です)
家訓は「メーカーの言う事は信じるな」なので実体験が全て。
40年前の塗料から最新の塗料までの歴史を知り、実際に塗っている生の体験があるので、ネット上に転がっている「ライターさんが書いている机上の空論をコピペしただけの記事」が気になってしょうがないんです(^^;;;
なのでそれらとは逆の事もズバズバ書きます。→プロフィール

プライマーとは

プライマーとは、塗装をする時の下塗り塗料の種類の1つです。

素材に塗料を塗る時に「一番最初に塗るもの」という意味です。

「シーラー」や「フィーラー」「サーフェーサー」も塗料の下塗り材としては同じですが、それぞれに用途が違います。

プライマーの語源

プライマーの語源は、英語のprimaryで「一番最初の」という意味です。

ですから、下地に対して一番最初に塗るものだけが「プライマー」と呼べます。

ちなみに、2番目はsecondary(セカンダリー)、3番目はtertiary(ターシャリー)です。

プライマーの役割

プライマーの役割はズバリ、素地・下地と次に塗る塗料との「密着・接着」です。

単一機能しか持っていないプライマーは、逆に言うと他の機能は持っていません。

プライマーの特徴

プライマーは主に透明か飴色のものが多く、粘度が低く水っぽいものが多いのも特徴です。
(接着材が液状になったようなイメージ)

プライマーでは無い下塗り塗料

下塗り塗料の中には「プライマー」とは呼ばないものもあります。

プライマーでは無い下塗り塗料の種類
  • 錆止め塗料(接着機能+防錆機能)
  • シーラー(接着機能+下地への吸い込みを抑える機能)
  • フィーラー(下地調整機能+接着機能)
  • サーフェーサー(下地の平滑性の向上)

例えば錆止め塗料は鉄に「最初に塗る」事が多いですが、当然塗り替えの時にも塗りますので、厳密にはプライマーとは言えません。

塗料メーカーが付けるプライマーの製品名(ネーミング)

実のところ、塗料や塗装の用語、建築全般の用語には呼称が統一されていないものが多いのが実情です。

塗料の製品名も同様で、呼称の定義があいまいになっています。

特にプライマーと類似性が高いのはシーラーです。

塗料メーカーが下塗り塗料のネーミングを決める際に「〇〇プライマー」とするか「〇〇シーラー」とするか…
これは主に塗装する対象によって決めているようです。

金属・床に塗る下塗りは「プライマー」と名付けられる場合が多い

実際に塗料メーカーが名付ける塗料名を検証してみると「金属」か「床」に塗る下塗り塗料の場合に「プライマー」というネーミングになる場合が多いです。

金属に塗る下塗りが「プライマー」と名付けられる理由

金属に塗る場合は、鉄とそれ以外(アルミ・ステンレスなど)に分けて考えます。

金属に塗る下塗りが「プライマー」と名付けられる理由
  • 鉄に塗る場合は防錆機能が付いた「錆止め」というジャンルがあるので別枠にしているメーカーが多い
  • アルミ・ステンレスなどに塗る場合は「プライマー」と名付けられる事が多い
  • その他各社ごとの基準でネーミングしている

アルミ・ステンレスなどに塗る場合は特に剥がれやすいので接着力・密着力が重要です。

そこで、本来の「一番最初に塗る」という意味で「〇〇プライマー」と名付けられることが多くなります。

床・防水に塗る下塗りが「プライマー」と名付けられる理由

床塗り材や防水材に塗る下塗り塗料は、ほとんどが「プライマー」というネーミングで統一されています。

これは、床材は何回も塗る事が少ないので「一番最初」に塗る場面が多いこととが1つの要因です。

もう1つの要因は、防水材の下塗りがほとんど「透明で粘度の低い(水のような)下塗り塗料」だからでしょう。

(とにかく「プライマー」の呼び名には決まりが無いのです)

防水材では「接着力・密着力」が超重要なので塗料ごとの分担が下記のようにハッキリ分かれています。

防水用塗料の役割分担
  • 接着材としての「プライマー」
  • 防水層としての「防水主材」
  • 紫外線劣化から防水層を守る「トップコート」

床や防水の塗料でも下塗り材で「シーラー」と名の付いた塗料もありますが、多くはトップコートの塗り替え用で使う材料になります。
実質「一番最初」ではなく「二回目」になりますから、意味的にもプライマリーではありません。

各メーカーごとの「プライマー」と製品名に付く塗料

ではここで、実際のメーカーで出している「プライマー」と名の付く塗料を確認してみましょう。

日本ペイント

日本ペイントの製品で「プライマー」と名前が付いている塗料には下記のものがあります

錆止め塗料(製品名:一般名称)
  • オーデハイポンプライマー:水性2液変性エポキシ樹脂さび止め塗料
  • ハイポンファインプライマーⅡ:弱溶剤形2液エポキシ樹脂さび止め塗料
  • 水性ハイポンプライマー:水性1液速乾エポキシ系さび止め塗料
  • ハイポン30マスチックプライマーK:エポキシ樹脂下塗り塗料
金属用 下塗り塗料(製品名:一般名称)
  • パーフェクトプライマー:金属系サイディングボード改修用下塗材
  • ハイポンアクチブプライマー:新設溶融亜鉛めっき用特殊樹脂下塗り塗料
  • ビニレックス110アクチブプライマー:短ばく形エッチングプライマー
  • ビニレックス120アクチブプライマー:長ばく形エッチングプライマー
  • ビニレックス120アクチブプライマーエコ:長ばく形エッチングプライマー
床用 下塗り塗料(製品名:一般名称)
  • クリンカラーE20プライマー:床用2液形エポキシ樹脂プライマー
  • クリンカラーWエポ速乾プライマー:水性2液速乾形エポキシ樹脂床用下塗り塗料
  • クリンカラーパワフルプライマー:溶剤2液形エポキシ樹脂床用下塗り塗料
  • クリンカラーパワフルプライマー強化C添加液:強化コンクリート用特殊付着性付与添加剤
  • クリンカラー油面プライマー:床用1液湿気硬化形ウレタン樹脂プライマー
防水用 下塗り塗料(製品名:一般名称)
  • パーフェクトプルーフ プライマー:コンクリート面・FRP防水面改修用1液形下塗材
  • パーフェクトプルーフ 層間用プライマー:ウレタン防水面・塩化ビニルシート面改修用1液形下塗材
その他・特殊用途用 下塗りt路用(製品名:一般名称)
  • パーフェクトプルーフ プライマー:コンクリート面・FRP防水面改修用1液形下塗材
  • パーフェクトプルーフ 層間用プライマー:ウレタン防水面・塩化ビニルシート面改修用1液形下塗材

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【塗料や塗装】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

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この記事を書いた人

高橋良一のアバター 高橋良一 花まるリフォーム株式会社代表

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営20年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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