窒素酸化物(NOx)|光化学スモッグ・酸性雨への影響

窒素酸化物(NOx)

この記事では、窒素酸化物(NOx)が環境に及ぼす影響(特に光化学スモッグ・酸性雨)について解説します。

目次

窒素酸化物(NOx)とは

窒素酸化物(NOx:ノックス)とは、窒素原子(N)と酸素原子(O)が結合して生成される物質数種類の総称です。

中でも「 一酸化窒素」(NO)と「 二酸化窒素」(NO2)が重要で、狭義には窒素酸化物といえばこの2つを指します。

窒素酸化物(NOx)は、燃料を高温で燃やすことで、燃料中や空気中の窒素と酸素が結びついて発生します。窒素酸化物は、塗料中のシンナーなどに含まれる炭化水素(HC)と共に光化学スモッグの原因となる物質です。
また酸性雨の原因にもなります。

窒素酸化物(NOx)の発生源

工場や事業場のボイラ

窒素酸化物が発生する原因は次の2つ

Noxが発生する原因
  1. 石油などの燃料が燃焼する際に、燃料中に含まれている窒素(N)が、燃焼時に大気中の酸素(O)と結合して生成されるもの。
    燃料(fuel)に由来するため fuel NOx と呼びます。
  2. 燃料などが高温で燃焼する際に、空気中の窒素と酸素が反応して生成されるもの。
    高温燃焼時の熱(thermal)に由来するため thermal NOx と呼びます。

下記の施設や設備で燃料などを燃焼させると、その過程で必ず窒素酸化物(NOx)が発生します
※ 燃焼温度が高温になるほど発生量が多くなります。

窒素酸化物(NOx)を発生させるもの
  • 工場や事業場のボイラ(重油、都市ガス等)
  • 自動車のエンジン(ガソリン、軽油等)
  • 家庭のコンロやストーブ(都市ガス、プロパンガス、灯油等)

窒素酸化物(NOx)と光化学スモッグ

光化学スモッグ

窒素酸化物(NOx)が、紫外線を受けて光化学反応を起こすと、光化学オキシダント(Ox)という新たな物質に変化します。

光化学オキシダント(Ox)が濃くなると、大気が白いモヤがかかったようになり、この現象を光化学スモッグといいます

また、ガソリンやシンナーなどに含まれる炭化水素(HC)なども光化学スモッグの原因になります。

光化学スモッグによる影響

  • 目がチカチカする
  • のどの痛む
  • 涙が異常に出る
  • のどが痛む
  • 咳が出る

光化学スモッグは発生しやすい日

光化学スモッグは、とくに6月~8月頃の、風が弱くて気温が高く晴れた日に発生しやすくなります。

※自分の場合は、4月~5月に深呼吸をすると胸(肺)が苦しくなるので「今日は光化学スモッグ」だな、と分かります。

窒素酸化物(NOx)と酸性雨

酸性雨

NOxは硫黄酸化物と同様に酸性雨の原因にもなっています。

酸性雨とは、窒素酸化物(NOx)や二酸化硫黄(SO2)などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性に変化する現象です。

酸性雨による影響

  • 湖沼や河川等陸水が酸性化し魚類等へ影響を与える
  • 土壌が酸性化し森林等へ影響を与える
  • 酸性雨が直接、樹木や文化財等に沈着することにより、これらの衰退や崩壊を助長すること

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【雑学・考察・豆知識】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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