火災保険で保険金が出る雹害とは?|被害の実例と保険の申請方法

火災保険で保険金が出る雹害とは?|被害の実例と保険の申請方法

特に近年【雹(ひょう)】が度々降って来るようになりました。
直径が5cm以上もあるような巨大な雹は落下速度が100km/hを超え、当たると自動車のボンネットや窓ガラス、家屋を破損させたり、農作物にも甚大な被害を与えます。

雹害でも火災保険の適用が可能な場合がありますので、この被害にあった場合は保険金請求の手続きにより保険金で修理が可能になる場合があるのです。

この記事では以下の点について解説をします。

  • 雹による都内の被害の事例
  • 雹による被害にあった時に、火災保険の「風災補償」で保険金が下りる場合について
  • 雹害で破損しがちな、具体的な場所について
  • 雹害で火災保険を使って保険金を請求する方法
目次

雹とは

雹(ひょう)は積乱雲から降る直径5mm以上の氷粒の事。
(5mm以下は「あられ」になる)

雹(ひょう)の被害は恐ろしいもので、ニュースで取り上げられる時には「車のボディーがボコボコになっていたり、フロントガラスが割れてしまったり…」という被害で取り上げられています。

雹による都内の被害事例

都内でもここ数年で、結構雹が降るようになりました。
温暖化の影響と言われていますが、下記のような被害が出ています。

2014年6月24日 三鷹市・調布市での雹害

2014年の6月24日、関東地方で大気の状態が不安定になった影響で、東京都三鷹市や調布市などの一部地域で大量のひょうが降りました。

関東甲信では大気の状態が不安定になり、局地的に雷を伴って非常に激しい雨やひょうが降っています。東京・三鷹市では大量のひょうが降り、辺りがまるで雪が降り積もったようになったり、農作物に被害が出たりしたところもあります。

(NHKニュース「積雪のような大量のひょう 農作物被害も」2014/06/24 18:18)

2017年7月18日 豊島区や板橋区などでの雹害

2017年7月18日、東京都豊島区や板橋区などで雹が降り、駒込駅の屋根が大破するなどの被害が出ています。

関東地方は大気の状態が非常に不安定で、所々でカミナリ雲が発達。東京都にも活発な雷雲がかかり、雷鳴が鳴り響き、ヒョウが降った所もありました。上の写真は板橋区や豊島区で降ったヒョウの様子です。

(exciteニュース「東京都 豊島区や板橋区などでヒョウ」2017年7月18日)

2017年8月19日の雹害

2017年8月19日には多摩川近辺で局地的な豪雨と共に、一部の地域で雹も降っています。

19日夜に多摩川の両岸で開催される予定だった「世田谷区たまがわ花火大会」と「川崎市制記念多摩川花火大会」は、ともに荒天のため中止となった。

(朝日新聞デジタル「多摩川での花火大会が中止 激しい雷雨やひょう」2017年8月19日 20時36分

雹害で火災保険が下りる場合

火災保険の総合保険には「風災・雹(ひょう)災・雪災」がセットになっている事が多く、気づかぬうちにオプション加入していることが多いです。

「風災害」や「風雪災害」と呼ばれることも多く、台風や雪による損害で火災保険が使えるというのは知っている方が多いですね。
雹が降るなんて滅多にない事ですが、雹の被害もこの保険の対象になっています。

ですから、雹やあられの被害や雪による被害、台風の被害などが原因で建物や家財が所定の損害を受けた場合、補償が受けられます。

保険会社が想定する、雹の被害で補償の対象になる具体例

保険会社のパンフレットやホームページを見ると、以下のような具体例があるように記載があります。
ただ、実際には下記のような被害はあまりありません。

雹(ひょう)が降った影響で、ベランダの床板が破損してしまった

風災、雹(ひょう)災、雪災とはなんですか?/損保ジャパン

・大粒の雹(ひょう)が降って太陽光発電が破損した
・雹(ひょう)で天窓のガラスが割れてしまった

火災保険で補償される、風災・雹(ひょう)災・雪災の詳細や申請方法

雹(ひょう)で窓ガラスが割れ、風が吹き込んで家具が破損した

風災、雹(ひょう)災、雪災

具体的に被害が多い場所をこれから解説しましょう。

雹害で破損しがちな、具体的な場所

雨どいの破損

雹害で一番多いのは「雨どいの破損」です。

経年劣化で素材が弱っている所に、時速100キロもの堅い氷の塊が落ちてくれば、雨どいはひとたまりもありません。
下記の事例のように、簡単に穴が開いてしまいます。

雹害による雨樋の破損
雹害による雨樋の破損
2014年6月24日三鷹市の雹害による雨樋の破損
2014年6月24日三鷹市の雹害による雨樋の破損
2014年6月24日三鷹市の雹害による雨どいの破損
2014年6月24日三鷹市の雹害による雨どいの破損

塗装の劣化

次に多いのは「塗装の劣化」です。
意外かもしれませんが、これは結構被害が多いもの。

家のパーツが壊れなくても、雹がバンバン当たっている場所では被害が出ています。
具体的には画像を見てもらった方が早いですが、雹が当たった部分の塗装が剥がれて変色してしまうのです。

このように斑点状なった外壁や雨戸が有れば、雹害の可能性が高いです。

2014年6月24日三鷹市の雹害による破風板の破損
2014年6月24日三鷹市の雹害による破風板の破損
雹害による雨戸の変色被害
雹害による雨戸の変色被害
雹害による外壁塗装の変色被害
雹害による外壁塗装の変色被害
雹害による鉄部塗装の変色被害
雹害による鉄部塗装の変色被害

雹害で火災保険を使って保険金を請求する方法

火災保険はその名の通り「火災に遇った時」に使える保険です。
ただし、自然災害や事故が原因で起こった住宅の損害の多くを補償してくれる【風・雪・雹害のオプション】に自動的に加入していることが多いのです。
その保険で雹害の適用が可能になります。

この火災保険が使える権利(請求権)は “”契約者のあなた”” にありますが…保険は申請主義のため保険会社からの促しは特にはありません。

ただ、うっかりしてしまうと保険が使える事を忘れてしまい「本来出る保険金」を請求しないで、全部自費で工事費を支払ってしまいます。
これは、正当な機会を失っている事になり、活用しないのは非常にもったいないですね。

保険を請求する手続きの始め方

保険会社に保険金を請求するには、まずは問い合わせが必要です。
問い合わせの手順は…

  1. 保険証券や保険会社から来るハガキを出す
  2. そこに書いてある証券番号を確認する
  3. 問い合わせ電話番号に電話をする
  4. 大まかな被害状況を説明する
  5. 保険会社から書類を送る旨の返事がある
  6. 後日、保険金請求のための書類が到着する

保険金を請求する書類の中身

書類が届き開封すると、以下のものが入っています

  • 保険金請求の手続きにの解説
  • 保険金請求用の必要事項を記入する書類
  • 返信用封筒

保険金を請求するには、業者の見積もりと、被害の状況が分かる写真台帳が必要になります。
この資料を作って、返信用の書類に必要事項を記入して保険会社に送り返します。

保険金を請求する時の注意事項

実は、保険金を請求するにはちょっとしたテクニックが必要になります。

…と言うのも、保険会社は保険金を出すことに協力的ではありません(出来るだけ支払いたくない?)
そのため、曖昧な資料・損害が分かり辛い写真などで請求をしてしまうと、保険会社は「経年劣化なので認められません」などの判定になってしまいます。

つまり、保険金の算定額が低くなってしまうのです。

そこで、保険を請求する際には正確な資料・損害が分かりやすい写真が最低でも必要になります。

保険金を請求する資料の作成方法

では、どのような資料うなら損害額(保険金額)を適正に、減額されずに請求する事が出来るのでしょうか?
ポイントは以下の点です。

  • きちんと「被害がある」ということが分かる写真台帳
    (被害の場所・被害の度合いが正確にわかること)
    これには被害の場所に近づかなければ撮影できない事も多い。
  • 災害の被害の日にちを特定
    (被害日が曖昧だと、保険会社によっては却下されることも?)
  • 雹害や雪害・台風被害が原因で被害が起きていると証明が出来るような適切な診断書
  • 被害の程度を正確に判断したお見積りの作り方
    (減額されにくいように細かな項目作りを含む)

保険金資料作りの注意点

上記のポイントを素人のあなただけで作るのは、まず無理と言って良いでしょう。

そして、保険金請求に慣れていない大工さんや工務店、リフォーム業者に依頼すると、まず減額された保険金の算定になってしまいます。

中には「保険金は出るだけマシ」と思って喜ぶ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私だったら(個人的な意見ですが…)多く保険金が出るに越したことは無い、と思ってしまいます。

ですから、出来るだけ協力をさせて頂いて保険金が減額されないような資料・写真を、時間を掛けて丁寧に作っています。

保険金請求に慣れている業者を知らない場合は?

もしも保険金請求に慣れている業者に心当たりがない場合、どうしたら良いのでしょうか?

そんな時の心強いサービスが実はあります。

全国建物診断サービスでは火災保険を使った住まいの修繕サポートを行っています。
加盟する1350の店舗から、認定調査士が調査から資料作成、保険会社とのやり取りを行うサービスです。

ポイント ①

保険金が実際に下りた場合にのみ、その保険金の金額内で修繕工事をおこないます。
そのため、お客さまの自己負担額は0円となります。
実地調査に伺ったところ申請できる箇所がない、もしくは申請してみたけれど保険金が下りなかった場合については「調査費用」や「交通費等の費用」は一切ご負担いただきません。

※保険金の範囲外での工事を依頼する場合は、別途有料工事になります。

サービスの流れ(現地調査・施工までの流れ)

  1. 調査本部より確認のお電話後、現地調査物件の審査
  2. 物件確認後、サービス申し込み書の締結後(郵送・またはデータ)、現場調査の実施(30分~1時間)
  3. 1)被害があった際申請用の書類を作成送付
    2)被害がなかった場合は被災なし報告書を無料で納品
  4. 保険申請のサポート
  5. 1)保険が承認された場合 証明書をFAX
    2)保険が降りなかった場合証明書を送っていただき終了
  6. 送っていいただいた金額を元に工事内容のご説明・調整 問題なければ【工事請負契約書】【振込依頼書】送付
  7. 入金確認後着工
  8. 修繕の完了報告書を送付
ポイント ②
  1. お客様の被害自覚があってもなくてもチェック項目の範囲(弊社が設けている細かな項目)は必ずチェックする。
  2. 経年劣化なのか自然災害の外的要因なのかの特定
  3. 適切な写真の撮り方、見せ方に基づいた写真台帳作り
  4. 災害の被害の日にちを特定
  5. 自然災害に基づいたお見積りの作り方(減額されにくいように細かな項作り)
  6. 保険会社と鑑定会社のやりとり、結果判定後の交渉

まとめ

この記事では雹害についての事例と、被害に遇ってしまった場合の保険適用についての解説を行いました。

異常気象の影響でしょうか、雹が降るなんて滅多にない事でしたが最近は結構頻繁に降るようになっています。
被害になんて遇わない方が良いに決まっていますが、もしも困った事になったら手続きのサービスに頼ってみるのも賢い方法だと思います。

震災以降、保険金の支払いが年々厳しくなっています。
保険会社の言いなりになって保険の減額になるのは、私だったらとっても嫌です(笑)

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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