【保存版】外壁塗装の劣化の種類11項目≪原因・場所・対処法≫

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外壁塗装の耐用年数

外壁の塗り替えは「10年が目安」とは知っているけど、実際にはどの時期までにしたら良いのか分からないものです。

この記事は外壁塗装の耐用年数の見分け方=劣化のサインをチェック出来るように11項目に分けて解説します。

劣化のサインとして有名なのはヒビ割れ」や「手で触ると白く付くのはチョーキング」です。

この記事ではもう少し細かく具体的に解説し、さらに建物が傷んでしまう原因と、悪くならないうちにメンテナンスをしておいた方が良い理由までお伝えします。

適切な時期に外壁塗装を行うメリットは沢山あります。
特に大切な我が家を長持ちさせるコストを最小限に抑える事が出来るのはポイントです。

是非外壁塗装の時期を判断する資料としてチェックポイントを参考にして頂き、お家の傷み具合をご自分で確認するのにご活用下さい。

目次

外壁塗装の劣化【3つの分類】

外壁塗装の劣化は、原因別に3つに分類する事が出来ます。

軽度なサインからご紹介しますが、段々緊急性の高いサインになっていきます。

外壁塗装の劣化【3つの分類】
  • 美観の変化
  • 経年劣化
  • 具体的な不具合

出来るだけ軽いサインの内に発見しておき、塗り替える時期や業者選びの準備を始めておくと良いでしょう。

では順に解説していきます。

美観の変化

一番軽度な変化やサインは外壁の見た目の変化です。

見た目だけなら気にしなければ良いと思いがちですが、他の場所で経年劣化が起きているかもしれないサインという意味で、外壁塗装の時期の目安になります。

美観系塗り替えのサイン:見た目が我慢が出来なくなったとき

① 汚れ

外壁の汚れ
  • 原因:空気中の塵やホコリ・排気ガスが外壁に付く
  • 出やすい場所:換気扇の下・雨の当たらない部分
  • 対処法:軽度な時にはホースの水や家庭用洗浄機などで洗うと落ちる場合も

② 色あせ(雨樋・鉄部等も含む)

外壁の色あせ
  • 原因:太陽による紫外線劣化の症状
  • 出やすい場所:南・西向きの全面
  • 対処法:陽に当てない事ですが、経年劣化なので難しいでしょう:

③ 外壁のコケ

外壁のコケ
  • 原因:艶消しの外壁塗装の場合は、表面に若干雨水が浸みるため
  • 出やすい場所:艶消しのザラザラした外壁に多い(湿気を含みやすい為)
  • 対処法:植木があれば剪定をする。

④ 屋根のコケ

屋根のコケ
  • 原因:コロニアル(スレート)屋根は、表面に若干雨水が浸みるため
  • 出やすい場所:北面の屋根
  • 対処法:特になし

経年劣化

どんな物にも寿命があり、ある程度の年数が経つことで耐用年数が切れ、性能や機能が低下する経年劣化が起きます。

家の外部が経年劣化して一番怖いのは雨水の侵入ですから、内部の腐食や雨漏りに繋がる前に劣化した部分を再生させる必要があるのです。

⑤ チョーキング

チョーキング
  • 原因:塗料が紫外線劣化により粉のようになった症状
  • 出やすい場所:南・西向きの全面(特に西日の強い場所)
  • 対処法:再塗装
  • 放置すると:塗料のコーテイング能力の寿命が尽き、素材が次第に傷んでいく

⑥ サイディング外壁のシーリングの目地の劣化

コーキングの亀裂
  • 原因:①サイディング外壁の伸縮がシール材の硬化に伴い付いていけず切れる ②シール材の経年劣化
  • 出やすい場所:①建物形状により全面 ②南面・西面、軒先の出の無い面
  • 対処法:亀裂を発見したら交換
  • 放置すると:サイディングの内側に雨水が入り、雨漏りの原因になる

⑦ 破風板(ケイカル・木)の腐食

破風板の劣化
  • 原因:雨水の浸透による腐食
  • 出やすい場所:外部に使用される木製の建材全般
  • 対処法:雨が木材に浸透しないようにまめに塗装する
  • 放置すると:材木が腐り、その奥まで雨が侵入して雨漏りの原因になることも

⑧ 鉄部の錆び

鉄部の錆び
  • 原因:鉄の酸化還元反応による
  • 出やすい場所:雨水に当たる屋外の鉄部8
  • 対処法:鉄を水と空気から遮断するコーティング(塗装)
  • 放置すると 錆びが奥へ広がり、次第に穴が空いてしまう

具体的な不具合

経年劣化とは違い、下記の不具合は新築引き渡し前でも起こる場合があります。

⑨ ヒビ・クラック

ヒビ・クラック
  • 原因:地震・柱の反り・モルタルの厚み・サイディングの目地の劣化等要因は多岐にわたる
  • 出やすい場所:サッシの角・外壁の中央・バルコニーの外壁など
  • 対処法:地盤環境や躯体構図など施しようの無いもの~目地の交換やパテ埋めですむものまで様々
  • 放置すると 外壁内部への雨水の侵入~雨漏りに繋がる

⑩ 外壁のの剥がれ・膨れ

外壁のの剥がれ・膨れ
  • 原因:ヒビ割れなどから外壁表面に水が入り、塗装膜と外壁材の間に溜まった水蒸気が塗膜を押して風船のように膨れる
  • 出やすい場所:軒先の無い外壁に出やすい
  • 対処法:雨水の侵入経路の遮断
  • 放置すると 雨水が外壁材を侵食し雨漏りに繋がる

⑪ 屋根の剥がれ・割れ

屋根の剥がれ・割れ
  • 原因:塗り替え時の手抜きや施工不良(洗浄不足・下塗りをしないなど)
  • 出やすい場所:屋根の軒先側に多い
  • 対処法:適切な工事をする業者に頼む
  • 放置すると 剥がれた塗料が雨どいに詰まる

家の劣化を早める要因

塗り替えまでの耐用年数が分かっても「どうしてそうなってしまうの?」という原因が分からないとモヤモヤしてしまいます。

ただし、建物にダメージを与える不具合箇所は大抵1つの原因からは起こりません。
家の環境や立地条件、建物の形状・素材などあらゆる要素が絡み合った複合的な原因により起こります。

下記の要因を参考にして頂き、自分でも原因が推測出来るようになれれば、その後の対応もスムーズに行きます。

棟板金

基本的な外壁や屋根を劣化させる外的要因

雨・風・太陽という3大要因の他にも、外壁や屋根にダメージを与える様々な要因があります。
それぞれに地域環境により違いがあるので、ご自宅の環境ではどういったこと起こり得るかを一度調べてみると良いでしょう

家の劣化の要因
  • 日光(紫外線)
  • 排気ガス・土埃
  • 植物
  • 塩害
  • 雪・雹(ひょう)害
  • 台風による風の影響
  • 畑・公園・運動場からの砂埃

意外と多い?地面が揺れてしまう要因

線路

どんな家でも地盤が揺れれば建物も揺れてしまいます。特に3階建ての建物では上に行くほど揺れ幅が大きくなります。

また、建物の形状も奥行きが長くなり横揺れに弱くなってしまう等の特徴があります。

地面が揺れれば、建物のウイークポイントにヒビ割れとして現れます。
このヒビは新築引き渡し前に出ることもありますので、築年数とは関係が無い所もポイントです。

地面が揺れる要因
  • 地震
  • 道路工事
  • 近隣の建設工事
  • 幹線道路などの大型車両の通行時
  • 線路沿いの電車の通行時

残念ながら直すのが困難な新築時のミスによる要因

言いにくい事なので、お客様には直接伝えられないのですが、外壁塗装のお見積りや工事中には「なんでこんな風に作っちゃうかなぁ…」と思わされる設計の建物が(沢山)あります。

つまり、本来の耐用年数が切れる前に不具合が起きてしまう建物があるのです。

その理由は主に新素材を過信した設計によるものが多いからです。

見た目の良いデザインにしようと思うと、どうしても新素材で出来る新しいデザインに向かってしまいます。
しかし実際には、素材の性能よりも劣化の進みの方が早く訪れるのです。

結局は10年程度での定期的なメンテナンスが必須になってきます。

長持ちする塗料が開発されても外壁塗装の期間を延ばし過ぎると危険な理由にも繋がります。

ヒビ
外観デザインを見栄えよくしようとすると、劣化しやすい形状になる

また、構造上おかしな設計になっていることも…

そんな家では、後からでは原因が分からずに困ることになります。

そのような時で原因を特定したい場合や、確実に直したい時には、不具合の該当部分から解体して行き原因を特定して行く他に確実な方法はありません。

このポイントを事前に止める事は出来ないのは残念ですが、デザイン性の高い家屋根の軒先の出ていない家では上記の傾向が高いものです。

設計・建築中に起きている新築時のミス
  • 工程を省いたり材料を省いたりする手抜き工事
  • 半人前の職人による工事のミス
  • 工事の管理不行き届きによるミス
  • 雨仕舞上無理があり、いつか雨漏りしてしまうのが分かっている設計上のミス
  • 外部に使用するには耐用年数的に無理がある材料の指定
  • 装飾が多く傷みやすいデザイン性優先の設計

じわじわと劣化や汚れが進む:間接的要因

雨どいは家を守るパーツの中で意外と重要です。

雨どいから雨水が溢れ落ち、その下で水が跳ね上がり、気付かぬうちにつまらない被害を広げてしまうのです。

その他のポイントも踏まえて、1年に1度くらいは家の周りを見回って点検してみてください。

樋の破損
家を傷める間接的要因
  • 雨どいの破損・漏れ
  • 隣の家の給湯器から出る排気熱
  • 換気扇からの油汚れ・ニオイ

適切な外壁塗装の耐用年数を見逃してしまうと…

外壁塗装の耐用年数をきちんと見極めて、適切な時期に塗装をすることが出来ると、外壁が劣化する前にメンテナンスが出来るので、家を綺麗に長持ちさせることが出来ます。

適切な時期を逃してしまうと、外壁の劣化に気付かず家が傷んでしまいます。

修理を行うのに掛るのは費用の負担だけではなく、実際には下記の煩わしさも伴うものです。

外壁の劣化
家の劣化を見過ごしてしまうと面倒になることも…
  1. 不具合の原因を調査する業者を探さなければならない
  2. その業者の診断結果と費用の見積もりが正しいのかどうかを判断しなければならない
  3. 1社で信じ切れない場合は複数の業者に相見積もりを依頼しなければならない

また、補修工事を行ったとしても、それはあくまで「補修」です。
補強した部分は元々よりは弱くなりがちですし、見栄えも「何も無かったよう」にはいきません。

ここまでの作業に掛る時間・心労そして費用は、家が痛む前にメンテナンスを行っていれば必要がありません。
このような事態を避けるためにも、適切な時期に外壁塗装をするための時期の目安を知っておくことは大切なのです。

また、外壁の塗り替え時期のサインを知っておくと、訪問業者や素人営業マンからの被害も防げるという裏のメリットもあります。

まとめ

適切な時期に外壁塗装を行うことで、家を劣化させてしまう前に手を打つことが出来ます。

多少の不具合が発生しかけていても、その要因を取り除き、経年劣化部分を元に戻し、さらに不具合が起きている部分を補修して元に戻すことが出来るのです。

一生で一番大きな買い物であるマイホームですから、1年に1回はまわりを点検して、塗り替えのサインが出ていないかをチェックしてみましょう。
それが家を長持ちさせて、無駄な出費を抑える秘訣に繋がります。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【時期の目安・劣化と対処方法】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

外壁塗装の耐用年数

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この記事を書いた人

高橋良一のアバター 高橋良一 花まるリフォーム株式会社代表

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営20年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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