棟板金交換工事の費用の相場【取り付け方の実例】被害の詳細

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屋根の棟板金の交換

この記事では木造住宅の【屋根の棟板金の交換工事】の方法・工程と、その【必要性】について解説します。

木造住宅の屋根がスレート系の場合、築25年程度経ってくると、屋根の経年劣化で雨漏りなどしないか…この先どうしてメンテナンスしたら良いのか、を考えなければいけない時期になってきます。

屋根のメンテナンスについては、適切な時期に【塗装・塗り替え】と【棟板金の交換】を行っていれば特に問題はありません。

しかし、最近(2020年執筆時)は、屋根の訪問販売やリフォーム会社やハウスメーカーの営業マンが、屋根のカバー工法による全面改修を勧める営業が流行しています。

随分損をさせられている方も多いので、この記事を書く事にしました。

目次

棟板金は築25年程度で交換するのがお勧め

棟板金
棟板金

スレート屋根の天辺に付いている【棟板金】は、築25年程度で交換するのがお勧めです。

屋根のメンテナンスは、塗装を外壁塗装と同時期に築10年から築15年程度で行い、その次の2回目の外壁塗装の時には屋根塗装と棟板金の交換をしておけば安心です。

棟板金の交換詳細

屋根の全面改修は、必要な家も有りますがほとんどの家では必要ありません。

しかし、大型の台風が上陸して屋根の棟板金が飛ばされてしまった家が多数出た事もあり、屋根の全面改修を勧める業者が増えています。

屋根板金を早めに交換した方が良い理由

棟板金の交換工事

下地材木は板金の中に隠れているので、腐っているかどうか分からりません。

板金を留めている下地木材が劣化して腐ってしまうと、留めてある釘が効かなくなり台風で飛ばされてしまいます。

2018年の台風や2019年の台風15号19号などでは、それまで異常が無かった棟板金が飛ばされる被害が多発しました。

棟板金交換工事の費用の相場

棟板金の交換費用の目安は、およそ15万円程度が中心です。
(屋根形状によって5万円程度の場合や25万円程度の場合もあります)

棟板金の交換には、足場が必要な場合がほとんどです。
外壁塗装と同時に行う場合には足場費用は掛かりませんので、その分お得ですね。

棟板金交換工事の費用(見積り)は以下のような内訳になります。

項目単位単価
見積り現調経費1式13,000円
既存棟板金撤去工事2,000円
既存下地(貫板)撤去工事3,000円
新規下地(樹脂材)取り付け工事3,000円
新規棟板金取り付け工事4,000円
廃材処分費1式3,000円~

※ただし、交換数量が少ない場合(3m以下)は全て1式で5万円程度になる場合が多いでしょう

棟板金が飛ばされた場合の被害

棟板金が飛ばされて無い屋根

棟板金が飛ばされて無くなってしまうと雨漏りする心配がありますが、実際には雨漏りをしない場合の方が多いです。

棟板金が飛ばされた時の本当の被害は、棟板金が落ちた時に人や物・車などに当たってしまった時の被害です。

飛ばされて落ちた棟板金

台風で飛ばされて落ちた棟板金

ほとんどの場合、棟板金が台風で飛ばされた時には気が付きません。

台風の後で道路や地面に落ちている鉄板を見つけ「これは何だろう?」と思い探していると、「あの家の屋根の天辺が無くなっている!」という事に気が付いて、ご近所の方が本人に知らせてくれる、、、という事が多いものです。

この棟板金も、そのようにして2019年の台風19号で飛ばされて落ちていたものです。

棟板金工事の様子

屋根の棟板金工事の様子を順番にお伝えします。

棟板金の交換前

棟板金塗装前

棟板金の交換は屋根塗装の前に行う場合と、屋根塗装の途中に行う場合があります。

今回の例は、屋根塗装の途中で板金交換を行った現場です。
(屋根の塗装は3回塗りのうち2回目まで終わっています)

棟板金の撤去

棟板金の撤去

最初に棟板金を撤去します。

板金の下には留めている下地の材木(貫材)があります。
この下地が劣化して釘が効かなくなると棟板金が台風などで飛んでしまうのですが、劣化の状況が板金を撤去してみないと分かりません。

劣化の状況を判断して交換をする事が出来ないので、平均的な劣化の目安の25年前後で思い切って交換するのがお勧めの理由です。

下地貫材木の撤去

下地貫材木の撤去

下地の貫材木を撤去します

下地材木の釘穴もコーキングで塞ぐ

板金の重ね部分にもコーキングをして、雨水が重ね部分から入ってしまうのを防ぎます。

下地材木の釘穴もコーキングで塞ぎ、釘を縫いか穴からの雨の浸入を防いでおきます。

新規下地材(樹脂)取付け

新規下地取付け

新規下地材を取付けます。
棟板金専用の樹脂製下地材です。

材木製だと雨水が入り込んで腐ってしまいます。
さらに棟板金は屋根の一番熱い部分にあるので、ただでさえ劣化しやすい部分です。

この下地の材木を、樹脂製(プラ貫)に変える事で、腐って棟板金が飛んでしまう事が防げます。

また、この樹脂は軟質プラスチックなので、打ち込んだ釘が抜けにくい特徴もあり、既存の木製下地(貫材)よりも何倍も劣化耐性が高くなります

 個人的には、新築からこの樹脂製下地材を使うべきだと思います。

新規棟板金取付け

新規棟板金取付け

新しい棟板金を取付けます。
棟板金の色は塗装色に合わせてグレーにしました。

棟板金の重なりもコーキングで塞ぐ

最後に、棟板金がY字に重なる部分の接続部分もコーキングで塞ぎます

棟晩期交換工事 完了

棟板金交換工事 完成

これで棟板金の交換工事が完成しました。

まとめ

棟板金は劣化の目安が分からないため、足場を組んだ外壁塗装の時に早めの交換をするのがお勧めです。

理由をまとめると、

  • 棟板金が飛ばされた時に人に当たってしまう可能性がある
  • 人だけでなく、車や家(窓ガラス)に被害が出るかもしれない
  • 屋根の工事には必ず足場が必要で、棟板金の工事費用に追加して足場代が20万円程度掛かってしまう(つまり費用が倍になる)
  • 棟板金をきちんと交換しておけば、今後訪問販売の業者に狙われ無くて済む

また、棟板金を交換する際には下地を材木(貫材)では無く、樹脂製のプラ貫にしておくのがお勧めです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【屋根塗装の工事のポイント】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

屋根の棟板金の交換

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この記事を書いた人

高橋良一のアバター 高橋良一 花まるリフォーム株式会社代表

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営20年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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