カバー工法が流行っていますが、なんでもかんでも勧めれば良いってものではありません。
アスベストが禁止になった頃の屋根材には、不具合が出てしまうものも多く「塗装が出来ない」というネット記事が多く出回っています。
しかし、その情報には「業者側のポジショントーク」が多く、迂闊に信用するのもどうか?と思わされてしまいます。
残念ながら歴史的に見ても、建設業界では「儲かる商材」が出ると、ワーッ!!と業者がそれを勧め始めます。
そして毎回それに振り回されて後悔するのはお客様です…。
大流行しているカバー工法について否定的に書く記事は確実に少数派でしょうから、信じてもらえるかは分かりませんが、少しでも思いとどまれると良いなと思います。
コロニアルネオは塗装が出来ない?
今は屋根のカバー工法が「簡単に儲かる」という事で、大流行しています。
ですから、何か理由を付けてカバー工法を勧める業者が沢山います。
確かに、コロニアルネオは「良い屋根材」だったとは言えませんし、割れやすい傾向にあります。
また、酷く割れてしまっている屋根も確かにあります。
コロニアルネオとは?
コロニアルNEOは平成13年頃にクボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)から発売されたノンアスベストのスレート屋根です。
その後、ひび割れや欠けが報告され改良のため製造は中止になっています。
屋根材と雨漏り
そもそも「コロニアル」と総称される【薄型化粧スレート屋根】は、どんなメーカーのどんなシリーズの屋根材でも、多少はヒビ割れが出ます。
また、雨漏りが有るにも関わらず、全く割れていない屋根もあります。
つまり、屋根のヒビと雨漏りは直結した関係性では無いのです。
屋根にヒビが多くても少なくても、雨漏りするのには「あまり」関係がありません。
ヒビ割れが関係して雨漏りするのは、「見るからに酷い割れが多い屋根」だけです。
「コロニアルネオ=カバー工法」が間違いな理由
ですから大切なのは、屋根の商品によってでは無く、それぞれの屋根の状況によっての判断になります。
コロニアルネオであっても他の屋根材(パミール・アーバニー・その他のコロニアルシリーズなど)でも、それぞれの屋根で劣化状況は異なります。
ですが、何も問題ない屋根なのに「コロニアルネオだからカバー工法が良い」と勧める業者が沢山います。
おそらくそのように言う業者は
と言うのかもしれません。
しかし、そもそも屋根材の下にはルーフィング(防水シート)があるため、ヒビが入っただけでは雨は漏りません。
コロニアルネオなら塗装によるメンテナンスが必要
ですからコロニアルネオが割れやすいのであれば、割れたところを埋めて塗装をする「メンテナンス」が必要で、それで十分な場合がほとんどです。
特に全面新しくカバーする必要はありません。
カバー工法は完璧では無い?
カバー工法は、最近出始めたばかりの商材で、今後デメリットが出始めて消えて無くなる(流行らなくなる)かもしれません。
(太陽光の温水器のように)
カバー工法のカタログなどには「25年~30年持つ」などと書かれていますが、
都内の交通量の多い場所では排気ガスが屋根に溜まります。
すると…10年経ったら必ず再塗装が必要になるのです。
「持つ」と言うと、何もしなくて良いように聞こえますが、そうはいきません。
(メーカーの開発実験室のように、排気ガスの無い環境の場合、紫外線試験ではその年数劣化しないデータは得られると思います)
カバー工法の問題より、勧める業者に問題がありそう…
屋根の事は不安を煽ればセールス出来ると会社ぐるみで取り組んでいる業者が多く、そのうち問題になると思います。
(コロニアルネオだと塗装が出来ない職人しかいない会社なのかも?…というのは無いとは思いますが)
まとめ
以上がカバー工法を勧める業者への私の考えです。
率直に言って、騙されない方が良いと思います。
カバー工法は適材適所で使うのには良い資材だとは思いますが、特に不要な場合でも進める業者が多いので、騙されない事です。
「お客様の不安を煽って脅せば儲かる」と思っている業者が、良い丁寧な工事をするわけも無いのです。