高日射反射率塗料とは
高日射反射率塗料とは、高いレベルで太陽光の近赤外線領域の日射しを反射出来る塗料のことです。
- 一般的には「遮熱塗料」と呼ばれています
- 主に住宅や工場などの屋根に塗装をする時に使います
- 夏の室内温度の上昇を抑制する効果が期待できます
高日射反射率塗料の4大メリット
- 消費エネルギーの削減
室内温度の上昇を防ぎ、冷房の負荷を軽減 - ヒートアイランド対策
都市部などで気温の上昇を抑え、熱環境を改善 - 屋根の耐久性向上
温度上昇が抑制され、屋根材の持ちが長くなる - 容易なメンテナンス
塗り替えやリフォーム時も施工が簡単
高日射反射率塗料の原理
太陽から出ている光(=電磁波) は、目に見えるものから目に見えないものまで含めて、図のように大きく3つの領域に分類でき ます。
- 紫外線領域…紫外線は塗膜劣化の原因となる(お肌にも悪い)
- 可視光線領域…可視光線は人間が色として認識できる
- 赤外線領域…可視光線は人間が色として認識できる
(赤外線をさらに区切ると下記のように分けられます)- 近赤外線…遮熱塗料が反射する領域
- 中赤外線
- 遠赤外線
- マイクロ波
- 電波
近赤外線を反射する遮熱塗料
遮熱塗料はその太陽光線の中の【近赤外線】を反射します。
実はコタツやヒーターで有名な【遠赤外線】は、太陽光線の中の割合で言うと、ほんの少ししかありません。
※ヒーターなどは太陽光からは来ない部分の遠赤外線波長を出せるので重宝するわけです)
近赤外線は熱に変わる
太陽光線の半分を占める近赤外線は物質に吸収されやすい波長領域です。
吸収された光エネルギーは、分子運動を活発にし、熱へと変わります。
遮熱塗料と同じ、日焼け止めの近赤外線ブロック技術
化粧品も多く手掛ける大手化学メーカーの花王でも、肌に塗る遮熱塗料に似た技術を開発していました。
日焼けによる「肌がじりじり・ひりひりする」原因として近赤外線に注目し、日焼け止めに応用する技術を開発したそうです。
その近赤外線防御素材を含んだ日やけ止めでは、従来品よりも肌の表面温度がマイナス1℃~1.6℃下がったとの事です。
やはり家のお化粧=塗装ですから、困りごとも対応方法も似てくるのでしょう。
高日射反射率塗料と省エネ
高日射反射率塗料の省エネ効果は「どんな時でも効果抜群!」というわけではありません。
効果に差が出る2つのポイントは【屋根の素材】と【断熱材の有無】です。
それが下記各パターンの比較です。
屋根材 | 断熱材の有無 | 省エネ効果 |
金属屋根 | 有り | ◎ |
無し | ◎◎ | |
スレート | 有り | 〇 |
無し | ◎ |
一番効き目が高いのは、金属屋根の断熱材無しです。
下記のようにプレハブ小屋で遮熱実験を行えば、効果が出やすくなります。
ですから上記の表の通りで、「プレハブ小屋(ユニットハウス)」の実験結果が「スレート屋根の断熱材有り」の家でも同じように得られるとは言えませんので、その点には注意してカタログを見ると良いでしょう。
高日射反射率塗料の相場
一般の屋根塗料から高日射反射率塗料に変更した時に、価格を釣り上げる業者がいます。
高日射反射率塗料に変更してもそれほど業者の経費が変わるわけでは無いので検証してみました。
結果は40坪の家で【3万円値上げ】といった程度です。
5万円以上の価格差がある場合は、不当な値上げと言えるでしょう。
高日射反射率塗料の詳細
高日射反射率塗料=遮熱塗料についての詳細は下記記事で書いています。
どんなパターンなら効き目があるのか?などはこちらからお読みください。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この記事では高日射反射率塗料について、下記の点についてまとめてみました。
- 高日射反射率塗料は一般的には遮熱塗料と呼ぶことが多い
- 高日射反射率塗料は太陽光の近赤外線領域を反射する事で、屋根の表面温度の上昇を抑える効果がある
- 高日射反射率塗料と同様の技術が日焼け止めでも使われている
- 一般塗料からの変更差額は3万円~5万円までが相場
この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。
興味がありましたら、他の【遮熱塗料】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。