【雨漏り修理】と【雨漏り補修】の違い|依頼先の注意点とは?

雨漏りの修理と補修の違い

この記事では雨漏りを直そうとする2つの方法の違いについて解説し、それぞれの目的にあった依頼先の注意点も解説します。

屋根や外壁・バルコニーから雨漏りしてしまうと、出来るだけ早く直したいものです。

しかし、それまでは雨が漏らなかったのに雨が漏るように変わったという事は「それまでは防水出来ていた部分にが開いている」という事になります。

この穴を塞ぐのには、実は2つの方法があります。
今回の記事のテーマは、その穴の塞ぎ方の違いについて、になります。

雨漏り修理の2通りの修理方法を知ってもらい、その違いの中身を理解してもらう事で今後の対応の判断が付くようになればと思い、この記事を書く事にしました。

では、順に解説していきます

目次

雨漏りは「出来るだけ補修」で済ませ、「もうイヤ!」になったら思い切って修理をする

漏れ

雨漏りは、出来るだけ簡単に補修で済ませたいもの。

雨漏りの補修」は、シーリング(コーキング)やテープ等の「補修材」で直す工事です。

補修で済ませたい理由は…おおむね下記の部分です。

雨漏りを補修で済ませたい理由
  • 大掛かりにしたくない=簡単に直るレベルの被害であって欲しい、という気持ち
  • 予算を抑えたい、という費用・出費の部分

「雨漏りの修理」は、漏っている雨の出口・入り口であろう部分の外部から壁を解体し、雨の入り口を完全に突き止めて、雨漏りの根本原因から完全に直す工事です。

補修との違いは明らかで…

雨漏りの修理
  • 大掛かりになる=簡単じゃ無くても完全に直るようにしたい、という決意
  • 予算は掛かっても仕方ない、という費用・出費の部分

雨漏りの補修と修理は、このように【規模と予算】と【雨漏りをしないように直すレベル】が違います。

つまり「雨漏り補修」では、そもそも簡単に雨が止まらない事の方が多いもの。
何度も何度も補修を繰り返す事になります。

そして、いつまでも雨漏りが直らなければ「もう我慢できない!」となるでしょう。

現実は、その時まで「修理はしないで待つ」のが一般的です。

雨漏り修理の工事の方法・考え方の違い

屋根に乗って修理をする職人

そもそも雨漏りは「経年劣化」ではなく「工事の失敗=不良工事」です。

とは言え誰もが10年以上経っていれば【仕方が無い…】と思ってしまいます。

しかし、経年劣化で雨漏りになるのであれば、どの家でも経年劣化は起きるのでもっと沢山の家で雨漏りしないとおかしい理屈になります。
ですが実際にはそんなに雨漏りする家はありません。

雨漏りはしない方が良いし、すぐに直したいのですが…本来、漏らないように作ってあるべき物が漏ってしまっているのは【新築工事で失敗しているから】が理由です。

日本の家の雨漏りを防ぐ防水の仕組み

雨漏り

現在の日本の木造住宅の防水は主に二重構造になっています。

ここは雨漏りにとって、とても大きなポイントです。

その二重構造のことを【一次防水】と【二次防水】といいます。

一次防水

一次防水というのは建物の外部表面にある外壁材屋根材のことです。

雨水を表面で撥水する事で室内側に雨を漏らせないようにします。

しかし、この一次防水の部分だけで雨を止める事は、確実性が低くほとんど出来ないと言えます。

二次防水

二次防水というのは外部の内部にある防水シート(透過防水シートルーフィングと言ったりします)のことです。

木造住宅では一次防水では雨を止められないし、そこでは止まらなくても良いように作らなければなりません。

二次防水で雨水を止めるように作ってあるからです。

雨漏りしているという事は…

つまり雨漏りしている理由は、二次防水が切れているから雨漏りしているのです。

この2段階の防水措置が決壊してしまうと「雨が漏ってしまっている」と言う状態になります。

雨水の入り口をピンポイントで塞いで、雨漏りを止めようとする工事の考え方

ロープ作業で補修する職人

上記を踏まえて考えると、雨漏りの入り口を「表面で埋める事」は、雨漏りを直したとは言えない事が分かります。

とは言え、お施主様のほとんどや、業者のほとんどが「簡単な補修」で何とかしたいと考えてしまいます。

たとえ補修工事で雨が止まったように思えても、それで「雨漏りを直した」とは言えません。

しかし現実には、補修工事を行って様子を見ながら何度も雨の入り口を探していく方法を行う事がほとんどです。

splash

ただその時には以下のポイントを確認しておく必要があります。

雨漏り補修をする時の注意点
  • 埋めた部分が雨の入り口かどうかは分からない事
  • 雨は何カ所からも入っている場合がある事
  • 何回も色々な所を埋めても直らない事がある事
  • もしも雨の入り口が分かってそこを埋める事が出来ても、また切れてしまうと雨が必ず漏る事

ここを確認しないと、後でトラブルの種になります。
施主側も工事業や側も、お互いに注意が必要です。

雨漏りを根本原因を無くし、今後起きないように完璧に直す工事の考え方

屋根瓦の修理をする職人

上記のように補修を行って外部表面の一次防水の部分を塞いだとしても、いつかその埋めたものが切れてしまえば、すぐにまた『必ず』雨漏りが再発します。

それでは困る場合には完璧に直す「修理工事」を行う必要が有ります。

雨漏りを修理する工事自体は、実はそれ程難しくはありません。
なぜかと言うと、解体していけば必ず雨漏りの原因を特定できるからです。

二次防水が切れているところまで解体して、きちんと雨漏りの原因箇所を塞ぎます。
そして、解体した部分を元に戻すのです。

藁ぶき屋根の修理

しかし、元通りに直しただけでは、そもそもの劣化しやすい原因までは改善出来ていません。

長い目で見れば、同じところから雨漏りが再発してしまいます

その場合には雨漏りの修理だけでなく、雨水の通り道の改善までする必要があります。

この考え方の難しいところは2つ

雨水の通り道改善策のポイント
  • 再発防止の為の雨水の排水経路変更の設計
  • そこまでの工事をするというお施主様の資金面の覚悟

ここまで出来れば完璧ですね。

雨漏りの補修と修理はどこに依頼するべきか?

溶接修理

雨漏りの補修を頼む場合は、最終的に修理工事まで依頼できる業者・雨漏り工事への考え方が曖昧でない業者に頼むようにしましょう

また、一番重要な雨漏り診断は、NPO法人 雨漏り診断士協会雨漏り診断士の資格を持っていれば多少は安心です。

資格を持っていれば誰でも安心かというとそんなに簡単ではありません。
しかし、少なくとも雨漏りに関して真剣に取り組もうと思っていれば、同協会の認定資格くらいは取っておくべきだからです。

また、現状では他の団体の資格にはほぼ意味が無いと思って良いでしょう。

雨漏り診断時の注意点

雨漏り診断

最後に1点、雨漏り補修・修理を依頼する業者選びについて、注意点をお伝えしておきます。

それは、雨漏り修理業者には、元々の生業があって、それに付随した形で雨漏り工事を請けている、ということです。

どんな本業の業者が雨漏りのプロになっていのかと言うと、この4業種が多くなります。

防水工事

屋上やバルコニー防水からの雨漏りで有れば防水屋さんに見てもらいましょう。

防水工事マット工法

屋根・板金工事

屋根の修理・雨漏りなら屋根屋さんです。

屋根の業者は、瓦屋さん系と板金屋さん系の2通りあります。
主に日本瓦であれば屋根屋さんの分野で、スレートと金属屋根は板金屋さんの分野です。

ただし、屋根屋さんに屋根の雨漏りを依頼すると、何でもかんでもカバー工法で屋根を被せる工事を勧めるのが流行っています。
それには注意が必要です。

屋根職人

塗装工事

外壁からの雨漏りなら塗装屋さんです。

オールマイティーなのは塗装屋さんですが、中途半端な場合もあります。

塗装業者の防水工事

シーリング工事

シーリング屋さんはシール工事のプロです。

建物にはシーリングで埋めてはいけない部分もあり、シーリング屋さんはそういった部分の知識・経験が豊富です。

余計な部分まで埋めてしまうと、それが原因で新たな雨漏りを生み出してしまう可能性も有るので注意が必要です。

防水シール工事

雨漏り依頼先の注意点

雨漏り依頼先の注意点は、雨漏りの原因箇所によって、得意な雨漏りと不得意な雨漏りがあるという事です。

それぞれの本業に近い部分でが原因でないと、原因の特定もですし修理の方法もイマイチになってしまう事があります。

いずれにしても、修理工事まで行う場合には、大工さんは必ず必要になります。

そして、屋根屋さん・防水屋さん・塗装屋さんなど、各業種が揃わないと工事が進められないので、協力業者の確認もしておくべきです。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事の内容が腑に落ちて早めに今の悩みが解決すると嬉しいです。

興味がありましたら、他の【雨漏り】関連の記事も読んで頂けると有りがたいです。

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この記事を書いた人

塗装職人の2代目・職人15年・外装会社経営15年。塗料や塗装の知識・業者選び等…正しい情報を分かりやすく発信します。このサイトの目標は「誰もが適切な診断と良い工事が出来るようになる事」

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